世界選手権前の最後の合宿をスタートした男子グレコローマン・チーム
西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長(拓大教)は「去年は残念ながらメダルを取れなかった。今年は最低でも1個取り、リオデジャネイロ・オリンピックへ向かって進みたい」とメダル獲得宣言。グレコローマンは一番手がアジア大会、二番手が世界選手権であり、厳しいのは確かだが、「それであっても勝たないとならない」と、日本代表選手としての意地を期待した。
今夏は選抜チームをロシアへ派遣し、ロシアのトップ選手と3週間近くの練習をこなした。昨年60kg級で世界7位に入った世界選手権59kg級代表の倉本一真(自衛隊)を筆頭に、どの選手も力をつけているのが分かるそうで、アジア大会85kg級代表の岡太一(自衛隊)は最初は投げられてばかりだったそうだが、最後はそうではなくなり、かなりのレベルアップがあったもよう。
それ以外の選手は自衛隊や日体大、拓大などの拠点チームに分かれて練習を積んだ。「大きなけがもなく、順調にきている」と話す。
これまでの世界選手権以上に最重量級に期待がもてるという。園田新(拓大)が世界ジュニア選手権でカザフスタン、ウクライナ、ポーランドの選手を破って5位に入賞。3位決定戦で負けた米国選手にも「(戦術を)失敗した」という内容だったそうで、力負けはしていなかったという。「フルタイム闘えば外国選手はばてることを体で知ってくれた。どう闘わせてみようか、という期待がある」と言う。
昨年のメダル0の返上に燃える
世界選手権代表組の中で、メダル期待の一番手と言える59kg級の倉本一真(自衛隊)は、「やることはやってきた。最後のコンディションづくりを試合までに完ぺきにしたい。この夏のロシア遠征は実りある練習となった。世界のトップレベルが集まる中、去年の世界選手権で負けた相手もいましたし、その選手に勝った1番手の選手もいました。その中で練習を積んで、練習試合で勝てたりした」と、世界選手権に向けて充実した夏だったことを振り返った。
「去年は7位で悔しい思いをした。何が何でも勝てるようにしたい」と優勝への気持ちを高ぶらせていた。
アジア大会代表組の一部は約2時間の練習後も練習を続行。その中にロンドン・オリンピック(銅メダル)以来の国際大会となる66kg級代表の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)などの姿もあり、約1ヶ月先の本番に向けて積極的に練習を積んでいた。
松本は階級を上げてから初の国際大会でもある。全日本選抜チームのロシア遠征は、大学院の研究の関係で日程が合わずに参加を見送り、国内で練習を積んだ。「8月は日体大の草津合宿に参加し、例年にないくらい追い込んだ練習ができた。本番まで1ヶ月あるので、(今も)調整に入らずしっかり練習している」と海外遠征と同じくらいの手ごたえをつかんだ様子。
「階級も変わり、(世界での)自分の立ち位置が分からない。今まので肩書きも通用しないと思っているので、0からのスタートだと思っている。しっかりと自分の力を出していきたい」と抱負を語った。