(取材=増渕由気子、渋谷淳、三次敏之、小林岳人、撮影=矢吹建夫)
■男子グレコローマン66㎏級・清水博之(自衛隊=初戦で松本隆太郎に敗れたものの、プレーオフで音泉秀幸を下して世界選手権出場を決める)「初めての世界選手権なのでうれしいです。(松本との)初戦は緊張して動きが悪かった。いきなり負けて気持ちが落ちたけど、プレーオフまで長い時間があったので盛り返すことができた。その間に後輩を連れてスターバックスまでコーヒーを飲みに行きました(笑)。世界選手権ではメダルを獲りたいです」

■男子フリースタイル60kg級・前田翔吾(クリナップ=初戦で高谷大地に不覚するも、最後は世界選手権の代表へ)「また1からやり直さなくてはならないと思った試合でした。プレーオフ通りに自分の実力を出せれば、あのような展開(高谷にテクニカルフォール勝ち)になるのに、初戦で負けた試合は慢心やおごり、勝てるだろうという気持ちがあったのだと思います。次負けたら終わりだ、という気持ちでいかないと、世界では勝てないと思いました」
■男子フリースタイル66kg級・井上貴尋(東京・自由ヶ丘学園高教=決勝、プレーオフともに石田知嗣に勝ち、世界選手権へのキップを獲得)「自分は教員の立場としてレスリングをやっています。ほかの社会人の選手とは違って、レスリングで給料をもらっているのではなく、生徒を教えることが役目なんです。石田(知嗣)選手とは差し手がよく合ったのかと思います。それと、前に出るレスリングができたので、決勝戦とプレーオフとも連勝できたのではないかと思います。米満(達弘)選手の欠場に関してはチャンスだなと思っていました」
■男子フリースタイル84㎏級・松本真也(警視庁=準決勝で不覚を取りながら、プレーオフで松本篤史を下して2度目の世界選手権出場を決める)「うれしいです。準決勝は学生(赤熊猶弥=拓大)の元気のいい前に出るレスリングに押されてしまった。自分のスタイルを相手にやられてしまったという感じです。プレーオフに向けては、いろいろな人に声をかけてもらって、気持ちを切り替えました。(松本篤史との対戦は)こういう形で闘いたくはなかったけど、勝ててよかった。体のトレーニングと、さしとアタックを練習して大会に臨みます」
■女子55kg級・吉田沙保里(ALSOK=決勝の村田夏南子戦で序盤から追いかける展開。終了間際に逆転)「最後の最後までリードされていた展開になってしまった。若手が育ってきているのは自分でもすごく感じている。合宿でもポイントを取られることが多くなってきた。(IOC理事会のロビー活動などで)『頑張ったね』と言ってもらえるが、ロシアから帰ってきて、きちんと追い込みはできていた。9月の世界選手権に向けて、しっかり鍛え、V14できるようにしたい」
■女子63㎏級・伊調馨(ALSOK=ロンドン・オリンピック以来の試合ながら無失点の圧勝)「久しぶりなので疲れました。自分としてはまだ納得できないところがあります。(新ルールに関して)タックルが決まれば2点になるというのは自分にとっていいこと。目標は世界選手権とかオリンピックではなく、レスリングそのものなので、新たなスタートという感覚はない。ロンドンの前と変わりません」
■女子72kg級・鈴木博恵(クリナップ=67kg級から階級を挙げた飯島千晶を破って優勝)「ルールが改正されて、攻めなければいけないのは分かっていたのですが、攻め切れなかったのは反省しています。決勝の相手は、(67kg級で)好成績を残している選手なので、特に特に緊張しました。海外遠征の機会も増えてきたのですが、去年の世界選手権は1回戦負けに終わって悔しい思いをしているので、今回の世界選手権では借りを返したいです」
※優勝したものの、プレーオフで敗れた男子フリースタイル60kg級の高谷大地選手、同66kg級の音泉秀幸選手、同84kg級の松本篤史選手のコメントはありません。