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Channel: 公益財団法人 日本レスリング協会
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歓喜に包まれた味の素トレセン…合宿中の選手がIOC総会を視聴

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 IOC総会の追加競技選出が行われた9月8日、東京・味の素トレーニングセンターでは、合宿中の女子と男子フリースタイルの選手が午後10時すぎからレスリング場に集まり、CS放送に映し出されている総会の模様を視聴。40社、100人を超えるメディアが集まり、その瞬間を待った。

 各競技ともプレゼンテーションのあと、質疑応答が行われ、先に終わった2競技に比べ、レスリングへの質問が多く、しかも「汚職やメダルの売り買いがあるという情報がある」「女子にグレコローマンがないのはなぜか」など厳しい質問も出た。選手の間には「大丈夫?」という不安の表情も浮かんだ。

 それも終わり、投票へ。テレビ画面には、結果らしき書類がIOC幹部のテーブルを回覧するシーンが映し出され、一段と緊張が高まった。ジャック・ロゲ会長が「3競技団体(の関係者)は自分の席に戻ってください」と促したことで、決選投票はなく、一発で結果が出たことが予想され、「それならレスリングだろう」というムードへ。

 ロゲ会長が「95人が投票し、48票が過半数。無効票はなかった」などという説明したあと、「レスリング、49票」と発表。その瞬間、選手から歓声や拍手が湧き上がり、レスリング道場は歓喜に包まれた。

 すぐに記者会見。福田富昭会長は総会へ行っていて不在だったが、高田裕司専務理事らの協会幹部と、3人のロンドン・オリンピック金メダリストが報道陣に対応した(小原日登美さんもブエノスアイレスへ)。

 高田専務理事は「ホッとしている。オリンピックに生き残るため、いろんな努力をしてきた。FILAの素早く対応し、各国協会のレスリング協会は全世界の人達にレスリングの存続を訴え、署名などを通してIOCに働きかけた。ルール改正や階級の見直しをし、改革してきた。日本レスリング協会も全力を尽くし、94万人を超える方々(署名)からご支援いただき、深く感謝したい」などとあいさつ。2020年東京オリンピック開催とともに二重の喜びをかみしめているとし、「今回落選した競技の分まで頑張る」と、今後のレスリングの発展を誓った。


 ■吉田沙保里選手(ALSOK)「長いようで、あっという間の7ヶ月間だった。6月(のIOC理事会)からは、あっという間だったような気がする。決まった瞬間は、『やった!』と思ってから、ホッとした。たくさんの方に協力いただき、レスリングを残したいと言う気持ちがひとつになったからこそ、こういう結果になったと思う。皆さんへの感謝の気持ちでいっぱい。

 世界中のレスリング界の人間が、ふだんは敵同士でだけど、除外問題が起こって以来、仲間意識が強くなったと思う。あたたかく、本当に協力し合えるすばらしい人達だと思いました。レスリングの存続が決まった瞬間を、後輩を含めてみんなで迎えられたことがよかった。子供たちの夢をつなげられることになり、本当によかった。

 (総会での)レスリングのプレゼンテーションもすばらしかった。最終的には、あの人達の力だと思う。投票は(過半数を1票超える49票より)もっと上にいくと思った。

 9月は3つの闘いがあった。東京とレスリングは勝ち取ったので、あとは世界選手権で暴れ、最高の1年にしたい。落ちたスカッシュと野球、ソフトボールの分までレスリングは頑張らなければならんばいと思います」


 ■伊調馨選手(ALSOK)「自分の試合より、はらはらしてしまった。信じられないくらいドキドキして、『レスリング』と読み上げられるまでが長かった。手汗をかいていて、その瞬間は飛び上がりました。残ると確信はしていましたが、プレゼンテーションをがっちり見て、本当にはらはらしました。

 悪いこと(除外)から始まったけど、最後はいい形で終わった、本当によかった。FILAがここまでルールを変え、階級を変えることは予想していなかった。女子のオリンピック実施が6階級になったことで、女子の子供達に夢を与えられたと思う。 2020年大会(の出場)は、興味あります(笑)。7年後はどうなっているかは分からないけど、今を真剣に取り組み、やれるところまでやっていきたい。(選手としてやっていなくても)教えることや支援できるいことがあれば、少しでも協力したい」


 ■米満達弘選手(自衛隊)「まずホッとしました。『大丈夫』とは言われても、発表では何が起こるか分からないので、緊張していました。プレゼンテーションはすばらしかった。自分も、将来的には競技だけではなく、あれくらい話せる人間になりたいと思いました。

 東京に決まり、レスリングが決まりましたが、まだ2020年大会の具体的なシーンは浮かんできません。2020年のオリンピックで現役でいられるかどうかは分からない。34歳。体のピークは超えていると思う。選手としてではなく、メダリストとして大会を盛り上げることはできるので、オリンピックムーブメントを伝えていきたい。

 オリンピックは、単に優勝争いではなく、いかに社会貢献して世界平和に役立てられるかどうかのイベント。その理想と素晴らしさを伝えていきたい」



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