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【全国少年少女選手権・特集】プレッシャーに打ち勝って6連覇達成! 「次は中学3連覇が目標」…男子42kg級・松原拓郎(佐賀・鳥栖クラブ)

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(文・撮影=増渕由気子)

賞状とメダル持って笑顔の松原拓郎(佐賀・鳥栖クラブ)

 全国少年少女選手権の6年生42kg級は松原拓郎(佐賀・鳥栖クラブ)が小玉龍舞(高知・極東ジュニア)を下してチャンピオンとなり、6連覇を成し遂げた。偉業達成にうれしさいっぱいで、決勝後は6年生の優勝者のみに贈呈されるチャンピオンTシャツを着て笑顔を振りまいていた。しかし呼吸は荒く、「いっぱい、いっぱいでした」と苦笑しながら大会を振り返った。

 今年、6連覇に挑戦する資格を持つ男子は松原のみ。5連覇中の王者は、「次、6連覇だな」と声をかけられることが多かった。「うれしかったけど、だんだんプレッシャーになってきてしまった」と吐露した。そのためか、「決勝前は緊張して足も震えていました」と、平常心が保てていなかった。

決勝でアンクルホールドを決める松原

 それが影響したのか投げ技で失点し、追う展開に。そこで冷静になれて本来の動きを取り戻し、次々とテークダウンを奪ってアンクルホールドを決めた。3歳から初めたというレスリングで、常に同学年での頂点を維持してきた。松原は「体力づくりのためにレスリングを勧められて、お兄ちゃんもやっていたので始めました。最初は遊びだったけど、今は本気でやっています。だから、この結果につながった思います」と、力を出し切っての優勝だったようだ。

 技のレパートリーも多く、好きな技は両足タックルだが、今大会はがぶりからの牛殺しがよく決まった。その秘訣は、実質3つのクラブで練習していることからだろうか。鳥栖クラブで週に2回、1時間半の練習をしているほかに、鹿島クラブや大村ジュニアクラブにも出げいこに行き、技を磨いている。

 この大会を無敗で卒業した松原は、次の目標を「全中(全国中学生選手権)3連覇です」と答え、最終的な目標は「伊調馨選手の(オリンピック)4連覇を超えてみたい」-。大きな夢を目を輝かせて語った。


8.19~22アジア大会(インドネシア)の女子62kg級に世界女王のオーコン・プレブドルジ(モンゴル)が出場へ

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62kg級で快進撃を続けるオーコン・プレブドルジ(モンゴル)。アジア大会に出場する

 8月19日(日)からインドネシア・ジャカルタで行われるアジア大会の女子62kg級に、昨年の世界選手権(フランス)63kg級優勝のオーコン・プレブドルジ(モンゴル)が出場することが分かった。

 同級の日本代表は同60kg級優勝の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)で、世界女王同士の対決が実現する可能性が出てきた。昨年の世界選手権で日本以外のアジアの優勝はプレブドルジだけ。アジア大会で唯一の世界チャンピオン同士の対決が実現するか。

 同選手は58kg級時代の2016年1月に伊調馨を破って台頭。2016年リオデジャネイロ・オリンピックは7位に終わったが、翌年から62kg級で闘い、昨年世界チャンピオンに輝いた。今年6月のモンゴル・オープンで2015年世界選手権63kg級優勝のバチェチェグ・ソロンゾンボルド(モンゴル)に勝ったことで、アジア大会の代表に決まったという。

 今年3月の女子ワールドカップ(群馬・高崎)では負傷もあって不調だったが、2017年1月のヤリギン国際大会(ロシア)から昨年の世界選手権と今年3月のアジア選手権(キルギス)を含めて個人戦の国際大会を9大会連続で優勝している。

【2018年インターハイ展望・学校対抗戦】春の王者・日体大柏(千葉)が3連覇に挑む!

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(文=樋口郁夫、増渕由気子)

 2018年インターハイは8月4日(土)~7日(火)に三重県津市のメッセウィング・みえで行われ、全国高体連主催の大会としては初の新階級・当日計量の全国大会となる。学校対抗戦は、春(全校高校選抜大会)の覇者・日体大柏(千葉)が3連覇を目指し、2年連続春夏制覇へ挑む。

 学校対抗戦(4・5日実施)の見どころをさぐった。

《学校対抗戦トーナメント表》


3月の全国高校選抜大会で優勝した日体大柏(千葉)。春夏連覇を目指す

 全国高校選抜大会で2年連続優勝を達成した日体大柏(千葉)。6月の関東高校大会では、新入生の田南部魁星が50kg級で優勝したほか、計5階級で優勝し、層の厚さを見せた。

 その中の一人、71kg級の山田脩は、グレコローマンのアジア・カデット選手権で優勝し、世界カデット選手権でも2位と、国際舞台での経験も積んだ。中量級を力強く支え、重量級は昨年、高校生ながら三冠王を達成した白井達也が控えているので、心強い限り。

 65kg級までの4階級で2勝をマークすれば、かなりの確率で3連覇へつながりそう。

《日体大柏・予想メンバー》
▼51kg級 田南部魁星=2018年JOC杯カデット48kg級優勝
▼55kg級 竹下雄登=2017年インターハイ50kg級優勝
▼60kg級 深田雄智=2018年JOC杯カデット60kg級3位
▼65kg級 山倉孝介=2018年JOC杯カデット65kg級3位
▼71kg級 山田 脩=2018年全国高校選抜大会2位
     高田 煕=2018年JOC杯カデット71kg級2位
▼80kg級 奥井真吉=2018年JOC杯ジュニア79kg級3位
▼120kg級 白井達也=2017年高校三冠王/2018年全国高校選抜大会96kg級優勝
       宮本海渡=2018年全国高校選抜大会120kg級優勝

 日体大柏と同じブロックでの強豪は、お互いに勝ち上がれば準決勝で対戦する花咲徳栄(埼玉)。全国高校選抜大会は準決勝で敗れて対戦はなかったが、2月の関東予選決勝では55、60kg級の2試合は1点差の惜敗。日体大柏の“ウイークポイント”を崩して決勝へコマを進めるか。

 他に、九州高校大会優勝の鳥栖工(佐賀)、中国高校大会優勝のおかやま山陽(岡山)などが上位に残る実力を持っていそう。

沼津城北(静岡)多度津(香川)敦賀気比(福井)が決勝進出を争う

 反対側のブロックでは、全国高校選抜大会の決勝で日体大柏と争った自由ヶ丘学園(東京)がどうか。同決勝では流れをつかめず、60kg級の森川海舟の挙げた1勝だけに終わったが、60、66、84kg級(当時の階級)は大きな差はなかった。流れをつかむことで白星が見えてくる。

全国高校選抜大会で日体大柏を追い詰めた沼津城北。インターハイでの杉山慶太監督(右)の指揮に注目が集まる

 全国高校選抜大会で日体大柏を最も苦しめたのは、3回戦で対戦し、チームスコア3-4で敗れた沼津城北(静岡)だろう。2組の堤兄弟(堤孔一、堤太一、堤泰樹、堤滋樹)が強さの源で、新階級では51~65kg級で闘う。東海高校大会は決勝でいなべ総合学園(三重)に3-3の内容紗で負けたものの、日体大柏相手に最初の4階級で4勝をマークしうる唯一のチームと言える。

 ただ、組み合わせは厳しい。1回戦を勝ち抜くと、2回戦では四国王者の多度津(香川)と対戦する。51kg級に全国高校選抜大会50k級優勝の山根典哲(昨年のインターハイ2位)と80kg級に同84kg級優勝の田中勝大(2016年中学85kg級二冠王者)という2人の全国王者をそろえ、乗っているチームだ。

 ここを勝ち抜いても、3回戦は全国高校選抜大会3位、地元国体を控えて強化に力を入れている敦賀気比(福井)が相手。全国高校選抜大会では下馬評の高かった埼玉栄(埼玉)と和歌山北(和歌山)を破るなど、強化の成果を見せた。この数ヶ月でどこまで強くなっているか。

 準決勝の対戦すら予想しにくいブロック。どこか勝ち上がり、決勝へとコマを進めるか。

豪雨被災を乗り越えて挑む八幡浜工(愛媛)、おかやま山陽(岡山)

 6月末から7月上旬に広い範囲で記録された台風7号および梅雨前線等の影響による集中豪雨(平成30年7月豪雨)では、西日本を中心に大変な被害となり、広島、岡山、愛媛では二桁の死者が出るなど特に被害が大きかった。

 インターハイ代表校になっている八幡浜工(愛媛)の栗本秀樹監督は「ものすごい雨が降りまして、学校や自宅が床上浸水の被害に遭い、掃除片付けに追われてしまいました。電車などの交通機関もストップしてしまったことから、宇和島から来ている生徒を保護者と連携して送り迎えをするなどし、なんとかインターハイへの準備は間に合いました。皆様の支援もあり、予定通り出場します」と話した。

 おかやま山陽(岡山)の横山茂嘉監督は「私の学校は被害が大きかった地域から近かったので、大雨により学校行事の一部を中止せざるを得なかったりしました。レスリング部員は全員無事で、練習などには特に支障はなく準備ができました。インターハイで結果を出せるように頑張ります」と話した。

 一番被害が大きかった広島県だが、広島国際学院の白雲央樹監督は「広島県レスリング関係者は全員無事で、インターハイに影響はありません」と話した。学校対抗戦の代表校の三次の地域は被害が大きかった地域から離れていたこともあり、通常通り準備ができているようだ。白雲監督は「私達の隣町も被害が大きかったので、練習後に被災地のボランティアに参加するなどできるだけ復興に協力しました」と、インターハイ前に忙しい日々を送っていたようだった。

フランク・チャミゾ(イタリア)が74kg級の1位へ…2018年8月UWWランキング(男子フリースタイル)

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ジョーダン・バローズ(右=米国)を破ってヤシャ・ドク国際大会で優勝、74kg級の1位へ躍り出たフランク・チャミゾ(イタリア)=UWW提供

 世界レスリング連盟(UWW)は8月1日、トビリシ国際大会(ジョージア)とヤシャ・ドク国際大会(トルコ)を終えた時点での各階級のランキングを発表。74kg級は、昨年の70kg級世界チャンピオンのフランク・チャミゾ(イタリア)がヤシャ・ドク国際大会優勝の実績をもって1位に浮上した。同選手は欧州選手権は3位で、前回(5月)のランキングでは5位だった。

 ロシアが4階級で1位へ。前回92kg級で1位だったロシアのエース、2016年リオデジャネイロ・オリンピック86kg級のアブデュラシド・サデュラエフは、ヤシャ・ドク国際大会優勝のマハマシャバド・イブラヒミジブラエイ(イラン)に1位を譲ったが、今年の世界選手権は96kg級での挑戦を明らかにしている。

 前回、日本選手で唯一残っていた61kg級の小栁和也(自衛隊)は。ベカ・ロムターゼ(ジョージア)に割り込まれ、ランクを外れた。

 各階級のランキングは下記の通り。このあと、世界選手権までにメドベジ国際大会(9月14~16日、ベラルーシ)がランキング決定大会として行われる。


男子フリースタイル

 【57kg級】
[1]Zavur UGUEV(ロシア) 42点
[2]Thomas GILMAN(米国) 36点
[3]Suleyman ATLI(トルコ) 32点
[4]Tsogbadrakh TSEVEENSUREN(モンゴル) 32点
[5]Khuresh Ool DONDUK OOL(ロシア) 30点

 【61kg級】
[1]Abbos RAKHMONOV(ウズベキスタン) 49点
[2]Gadzhimurad RASHIDOV(ロシア) 42点
[3]Beka LOMTADZE(ジョージア) 41点
[4]Mirjalal HASAN ZADA(アゼルバイジャン) 31点
[5]Nurislam SANAYEV(カザフスタン) 24点

 【65kg級】
[1]Ilias BEKBULATOV(ロシア) 45点
[2]Bajrang BAJRANG(インド) 45点
[3]Daulet NIYAZBEKOV(カザフスタン) 40点
[4]Mehran Akbar NASIRIAFRACHALI(イラン) 39点
[5]Selahattin KILICSALLAYAN(トルコ) 39点

 【70kg級】
[1]Andriy KVYATKOVSKYY(ウクライナ) 51点
[2]Magomed KURBANALIEV(ロシア) 44点
[3]Zurabi IAKOBISHVILI(ジョージア) 43点
[4]Taimuraz SALKAZANOV(スロバキア) 35点
[5]Mustafa KAYA(トルコ) 31点

 【74kg級】
[1]Frank CHAMIZO(イタリア) 44点
[2]Bekzod ABDURAKHMONOV(ウズベキスタン) 37点
[3]Daniyar KAISANOV(カザフスタン) 37点
[4]Mandakhnaran GANZORIG(モンゴル) 32点
[5]Dovletmyrat ORAZGYLYJOV(トルクメニスタン) 30点

 【79kg級】
[1]Akhmed GADZHIMAGOMEDOV(ロシア) 42点
[2]Jabrayil HASANOV(アゼルバイジャン) 36点
[3]Rashid KURBANOV(ウズベキスタン) 31点
[4]Kyle Douglas DAKE(米国) 30点
[5]Muhammet Nuri KOTANOGLU(トルコ) 30点

 【86kg級】
[1]Fatih ERDIN(トルコ) 76点
[2]David TAYLOR III(米国) 62点
[3]Artur NAIFONOV(ロシア) 46点
[4]Sandro AMINASHVILI(ジョージア) 41点
[5]Yurieski TORREBLANCA QUERALTA(キューバ) 37点

 【92kg級】
[1]Mohammadjavad EBRAHIMIZIVLAEI(イラン) 51点
[2]Abdulrashid SADULAEV(ロシア) 41点
[3]Serdar BOKE(トルコ) 40点
[4]Irakli MTSITURI(ジョージア) 32点
[5]Anzor URISHEV(ロシア) 29点

 【97kg級】
[1]Vladislav BAITCAEV(ロシア) 38点
[2]Elizbar ODIKADZE(ジョージア) 37点
[3]Magomed Idrisovitch IBRAGIMOV(ウズベキスタン) 36点
[4]Mojtaba Mohammadshafie GOLEIJ(イラン) 35点
[5]Murazi MCHEDLIDZE(ウクライナ) 31点

 【125kg級】
[1]Nicholas GWIAZDOWSKI(米国) 48点
[2]Danylo KARTAVYI(ウクライナ) 40点
[3]Geno PETRIASHVILI(ジョージア) 37点
[4]Muradin KUSHKHOV(ロシア) 35点
[5]Zolboo NATSAGSUREN(モンゴル) 35点

【全国少年少女選手権・特集】ライバルに2連勝で、ついに全国の頂点つかんだ内田颯夏(京都・舞鶴クラブ)

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(文・撮影=増渕由気子)

山田来哉コーチとともに全国優勝を勝ち取った内田颯夏(京都・舞鶴クラブ)

 最後の全国大会で初優勝だ! 第35回全国少年少女選手権大会の女子6年生40kg級は、内田颯夏(京都・舞鶴クラブ)が決勝で吉田千沙都(三重・一志ジュニア)を破って大会初優勝を遂げた。決勝では終始、内田がペースを握り、タックルやアンクルホールドなどで得点を重ねた。

 髪型が短髪のアシンメトリーとボーイッシュな内田は、気合を入れるため、この大会に向けてこの髪型にしたという。山田来哉コーチは「お母さんの気合の表れです」と、親の意向であったことを明らかにすると、内田は「本当は伸ばしたい…」と女の子らしい一面を見せて苦笑した。でも、験(げん)を担いだことも功を奏しての初優勝だ。

 内田は「吉田選手が苦手なんです」と打ち明けた。相手は「一志、吉田」から想像できるように、オリンピック3連覇で国民栄誉賞も受賞した吉田沙保里選手の姪で、小学校低学年時代から全国に名を轟かせていた。「過去に7回対戦していて6回も負けている相手。今年のクイーンズカップでやっと勝てて、今回2連勝できました」と安堵の表情を浮かべた。

決勝戦で吉田沙保里選手の姪、吉田を攻め立てる内田

 山田コーチは、内田の弱点を自信と体力のなさだと見抜き、試合時間である4分間を走り続ける体力をつけさせるメニューを多く取り入れた。「練習したいとチーム全体から声があがったので、練習量を大幅に増やした」と、ほぼ毎日のトレーニグで、ライバルとの差を縮めることに成功。

 内田も「吉田選手は後半に強かった。私は以前、後半の体力がなかったので負けていましたが、体力がついてクイーンズで勝てて、それで自信もつくようになりました」と自身の成長を振り返った。

 決勝では正確な技が光ったが、それも「最近できるようになった」こと。山田コーチとの特訓が実った格好だ。将来は「須崎優衣選手のようにすごい選手になって、2024年のオリンピックに出たい」と、若いうちから世界に飛び出す選手になることを目標に掲げていた。

2020年東京オリンピックに向けて盛り上がる舞鶴

 舞鶴市は、2020年東京オリンピックではウズベキスタンのレスリングと柔道チームの合宿場所として知られている。その事業を成功させるために赴任したのが山田コーチだ。埼玉・花咲徳栄高から日大に進学するなど生粋の“シティーボーイ”から一転し、同事業を成功させるために舞鶴に赴任。「今年で2年目になります」と笑顔で話す。

ついに全国の頂点へ

 同事業に関する仕事をこなしながら、キッズクラブの指導に力を注ぐ。「三村和人監督のもとで、指導を経験させていただいています。教える立場になって気がついたことは、指導とは情熱だということです。選手がやりやすい環境を作るために僕は頑張るだけです」。

 三村監督は、かつて網野高や海洋高にレスリング部を作って、後のオリンピック選手を何人も育てた名伯楽。山田コーチはその指導法を学びつつ、高校と大学で自分が取り組んだメニューの一部をキッズクラブにも取り入れていることも成績向上の要因になっているようだ。

 8月下旬にはウズベキスタンのジュニア・チームが合宿に訪れるという。「子どもたちとも交流の場があるので楽しみです」と仕事、指導ともにやりがいを感じているようだった。

【2018年インターハイ展望・女子個人戦】アジア・ジュニア女王としてV2に挑む今井佑海(京都・海洋)

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 8月4日(土)に三重県津市の「メッセウイング・みえ」で開幕する2018年インターハイの女子個人戦は、8月5日(月)~6日(火)に行われる。正式競技となってから2回目。今年の世界カデット選手権やアジア・ジュニア選手権で優勝やメダルを獲得した選手も多く参加。この世代の世界トップレベルの闘いが展開されそう。

 各階級の見どころをさぐった。


 《女子個人戦・トーナメント表》

47kg・50kg 53kg・57kg級 62kg・68kg級 74kg  

 【47kg級】

 ジュニアクイーンズカップ・カデット46kg級優勝を経て7月の世界カデット選手権を制した元木咲良(埼玉・埼玉栄)、同2位を経て5月のアジア・カデット選手権優勝の伊藤海(京都・網野高)の優勝争いが再現されるか。お互いに勝ち上がれば決勝で対戦する。

 元木のブロックには昨年46kg級2位の清水美海(京都・網野高)、伊藤のブロックには世界カデット選手権40kg級2位の植松夏鈴(東京・安部学院)がいる。殊勲の決勝進出なるか。


 【50kg級】

2連覇を目指す吉村涼菜(埼玉・埼玉栄)

 昨年49kg級優勝の吉村涼菜(埼玉・埼玉栄)と同46kg級優勝の吉元玲美那(埼玉・埼玉栄)が同じブロック。連覇をかけて準決勝で激突か? 吉元は昨年49kg級2位の田村生吹(京都・網野)が1回戦の相手で、初戦から勝負となる。

 反対のブロックでは、2014~16年に全国中学生選手権3連覇の櫻井つぐみ(高知・高知南)が決勝に勝ち上がるか。

 


 【53kg級】

アジア・ジュニア・チャンピオンの実力を見せるか、今井佑海(京都・海洋)

 昨年52kg級優勝で7月のアジア・ジュニア選手権53kg級を制した今井佑海(京都・海洋)の2連覇なるか。昨年の決勝を争った太田若那(東京・安部学院)が同じブロックにいる。

 反対のブロックでは、7月の世界カデット選手権53kg級優勝の大野真子(熊本・北稜)と5月のアジア・カデット選手権53kg級2位の徳原姫花(高知・高知東)の争いか。

 


 【57kg級】

 昨年56kg級2位で7月のアジア・ジュニア選手権55kg級を制した永本聖奈(愛知・至学館)と、今年のアジア&世界カデット選手権57kg級を制した1年生の尾﨑野乃香(東京・帝京/JOCエリートアカデミー)の争いか。勝ち上がれば決勝で対戦する。

 尾﨑のブロックにいる昨年の世界カデット選手権52kg級優勝の稲垣柚香(愛知・至学館)も優勝を狙う実力はある。


 【62kg級】

 昨年3位で7月のアジア・ジュニア選手権65kg級優勝と力をつけている類家直美(愛知・至学館)がややリードか。反対側のブロックから、7月のアジア・ジュニア選手権62kg級2位の近藤凛(高知・高知南)、7月の世界カデット選手権61kg級3位の高山凛子(愛知・至学館)のどちらが決勝に出てくるか。


世界カデット選手権2連覇を経てインターハイに挑む中井ほのか(愛知・至学館)

 【68kg級】

 昨年65kg級2位の中井ほのか(愛知・至学館)が5月のアジア・カデット選手権と7月の世界カデット選手権の65kg級を制し(世界カデットは2連覇)、力をつけている。国際舞台で身につけた実力を発揮するか。

 昨年70kg級2位の宮道りん(愛媛・今治工)、7月の世界カデット選手権69kg級3位の寺本鈴(岐阜・中京)が中井の独走を阻止するか。


 【74kg級】

無敵の白星街道を突き進む鏡優翔(東京・帝京/JOCエリートアカデミー)

 昨年1年生チャンピオンに輝き、その後、2度の世界カデット選手権を含めて負けを知らない鏡優翔(東京・帝京/JOCエリートアカデミー)の優位は動くまい。

 ジュニアクイーンズカップ・カデット73kg級2位の長島水城(東京・安部学院高)、同3位の山本和佳(愛知・至学館)らが、今度はどう闘うか。

 

【2018年インターハイ展望・男子個人戦】60kg級と71kg級に2人の全国王者がエントリー

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 8月4日(土)に三重県津市の「メッセウィング・みえ」で開幕するインターハイ・レスリング競技の男子個人戦は、8月6日(月)~7日(火)に行われる。3月の全国高校選抜大会と階級区分が変わり、当日計量実施によって、「実力はイコールではない」と、従来のようなシード制はとられていない。同大会の1位と2位が準決勝までに顔を合わせる階級もあり、意外な展開も予想される。

 各階級の優勝争いを予想した。


《男子個人戦・トーナメント表》

51kg 55kg 60kg 65kg 71kg 80kg 92kg 125kg

 【51kg級】

春夏連覇を目指す山根典哲(香川・多度津)

 昨年50kg級2位で、全国高校選抜大会50kg級優勝の山根典哲(香川・多度津)が春夏連覇を目指し、JOC杯カデット48kg級優勝の田南部魁星(千葉・日体大柏)が1年生王者を目指す。

 お互いに勝ち上がれば準々決勝で対戦する組み合わせだが、山根のブロックには全国高校選抜大会3位の田中開偉(和歌山・和歌山北)がいて、2回戦で闘う組み合わせ。山根が激戦を勝ち抜けるか。


 【55kg級】

 全国高校選抜大会55kg級の王者・森川海舟(東京・自由ヶ丘学園)は60kg級へ。同2位で昨年50kg級3位の清岡幸大郎(高知・高知南)が高知県から初の王者誕生を実現するか。同じブロックには、同3位で昨年の世界カデット選手権54kg級2位の山口叶汰(静岡・焼津水産)、同50kg級3位の菅沼碧久(東京・自由ヶ丘学園)がいる。

 反対のブロックでは、昨年50kg級優勝の竹下雄登(千葉・日体大柏)と全国高校選抜大会50kg級2位の岡本景虎(和歌山・和歌山北)、昨年の国体50kg級優勝の弓矢暖人(三重・いなべ総合学園)らが決勝進出を争いそう。


 【60kg級】

階級を上げてインターハイに挑む森川海舟(東京・自由ヶ丘学園)

 全国高校選抜大会55kg級優勝の森川海舟(東京・自由ヶ丘学園)と同60kg級優勝の中村勇士(島根・隠岐島前)の2人の王者が参戦する。お互いに勝ち上がれば決勝で対戦。

 森川のブロックには、グレコローマンで世界カデット選手権3位の実績を持つ竹下航生(香川・高松北)、昨年60kg級3位の土井璃音(京都・網野)、中村のブロックには、全国高校選抜大会3位の堤泰樹(静岡・沼津城北)、JOC杯カデット60kg級優勝の萩原大和(埼玉・花咲徳栄)らがいる。森川もしくは中村を倒して決勝進出を狙う。


 【65kg級】

負傷によるブランクを乗り越えて2連覇を目指す榊流斗(東京・帝京)

 全国高校選抜大会66kg級の王者・佐藤匡記(東京・帝京)は71kg級に出場。同2位の大野恵太郎(熊本・玉名工)、同3位の鈴木歩夢(埼玉・埼玉栄)、昨年60kg級優勝の榊流斗(東京・帝京/JOCエリートアカデミー)が優勝を争うか。

 榊は昨年のこの大会の優勝のあと、世界カデット選手権58kg級と国体60kg級も制したが、負傷で戦列を離れ、久々の全国大会。ブランクを乗り越えて2連覇なるか。お互いに勝ち上がれば、大野と榊が3回戦で激突する。


 【71kg級】

 全国高校選抜大会66kg級優勝の佐藤匡記(東京・帝京)と同74kg級優勝の諏訪間新之亮(佐賀・鳥栖工)の2人の王者がそろい、同じブロック。決勝にはどちらが進むか。佐藤は1回戦で、グレコローマンでアジア・カデット選手権71kg級優勝・世界カデット選手権同級2位の山田脩(千葉・日体大柏)と対戦。山田は関東高校大会を制するなどフリースタイルも強い。

 反対のブロックからは、全国高校選抜大会66kg級3位の森川陽斗(静岡・飛龍)が抜け出すか。


 【80kg級】

 全国高校選抜大会84kg級の1~3位の4選手がこの階級に集まり、しかも同じブロックという組み合わせ。同優勝の田中勝大(香川・多度津)はJOC杯カデット80kg級でも優勝し、安定した実力を見せている。今季3個目の全国タイトルなるか。

 同2位の高橋夢大(京都・網野)はアジア・カデット選手権80kg級3位と国際舞台でも実績を残した。同3位は村島克哉(埼玉・花咲徳栄)樋口徹心(兵庫・神港学園)。誰が決勝に勝ち上がるか。

 反対のブロックでは、全国高校選抜大会74kg級3位の内田貴斗(和歌山・和歌山北)今村大地(東京・自由ヶ丘学園)が争うか。内田は今月のアジア・ジュニア選手権79kg級3位の実績を残した。他に、今村を破って関東高校大会を制した奥井真吉(千葉・日体大柏)がいて、2選手と準々決勝までにあたるブロック(組み合わせ)。準決勝に進むのは誰か。


 【92kg級】

重量級の春夏制覇を目指す千葉・日体大柏の白井達也(左)と宮本海渡

 昨年の96kg級高校三冠王者(全国高校選抜大会、インターハイ、国体)で、今年も全国高校選抜大会を制した白井達也(千葉・日体大柏)が2年連続優勝を達成するか。関東高校大会でつまずいただけに、立て直して2年連続三冠王へつなげたい。同ブロックには、同3位の目黒優太(岡山・高松農)伊藤飛未来(埼玉・埼玉栄)がいる。白井の壁を破れるか。

 白井を破ったのは反対ブロックにいる山崎祥平(茨城・土浦日大)。それに先立つJOC杯ジュニア92kg級でも優勝しており、大学生をもしのぐ実力者。JOC杯カデット92kg級優勝の神原弘渡(香川・多度津)、同グレコローマン92kg級優勝の三浦哲史(京都・網野)のカデット王者の殊勲はあるか。


 【125kg級】

 全国高校選抜大会120kg級優勝の宮本海渡(千葉・日体大柏)が春夏連覇を達成するか。同じブロックにいる同96kg級2位の出頭海(茨城・鹿島学園)がどう闘うか。

 反対ブロックには、同120kg級2位のラッサボン・ソークサイ(神奈川・磯子工)、同3位の山口浩一(鳥取・鳥取中央育英)、同3位でJOC杯ジュニア・グレコローマン130kg級優勝の奥村総太(滋賀・栗東)の争いか。準々決勝までに闘う組み合わせとなっている。

田野倉翔太ら日本3選手がランキング内へ再浮上…2018年8月UWWランキング(男子グレコローマン)

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再ランキング入りを果たした田野倉翔太(東京・自由ヶ丘学園高教)=写真は2018年アジア選手権

 世界レスリング連盟(UWW)は8月2日、ベービ・エムレ&ハミト・カプラン国際大会を終えた時点での男子グレコローマン各階級のランキングを発表。同大会55kg級2位の田野倉翔太(東京・自由ヶ丘学園高教)、67kg級3位の下山田培(警視庁)、87kg級3位の角雅人(自衛隊)の3選手がランキング入りした(いずれも3位)。田野倉は5月以来、下山田と角は3月以来のランキング入り。3選手ともアジア選手権でメダルを取っており、そのベースにポイントが加わっての再浮上。

 同大会で同じく3位だった77kg級の屋比久翔平(ALSOK)は、アジア選手権ではメダルに手が届いていなかったため、今回のランキング入りはならなかった。60kg級で5位だった太田忍(ALSOK)は同大会には出場しておらず、ランキングを外れた。

 130kg級は5位だった世界王者のリザ・カヤルプ(トルコ)が、同大会優勝によって1位に浮上した。カヤルプは欧州選手権も勝っている。トルコでは他に55kg級で同大会1位だったエクレム・オエズツエルクも1位をキープ。キルギスとハンガリーも2階級で1位となった。

 各階級のランキングは下記の通り。


男子グレコローマン

 【55kg級】
[1]Ekrem OZTURK(トルコ) 43点
[2]Khorlan ZHAKANSHA(カザフスタン) 39点
[3]田野倉翔太(日本) 33点
[4]Abdelkarim FERGAT(アルジェリア) 27点
[5]Reza Kheirollah KHEDRI(イラン) 24点

 【60kg級】
[1]Kanybek ZHOLCHUBEKOV(キルギス) 50点
[2]Luis Alberto ORTA SANCHEZ(キューバ) 35点
[3]Aidos SULTANGALI(カザフスタン) 29点
[4]Sergey EMELIN(ロシア)27点
[5]Murad MAMMADOV(アゼルバイジャン) 25点

 【63kg級】
[1]Urmatbek AMATOV(キルギス) 41点
[2]Hassan Hassan Ahmed MOHAMED(エジプト) 29点
[3]Kaly SULAIMANOV(キルギス) 28点
[4]Mihai Radu MIHUT(ルーマニア) 28点
[5]Stig-Andre BERGE(ノルウェー) 26点

 【67kg級】
[1]Almat KEBISPAYEV(カザフスタン) 52点
[2]Ismael BORRERO MOLINA(キューバ) 47点
[3]下山田培(日本) 36点
[4]Murat FIRAT(トルコ) 32点
[5]Artem SURKOV(ロシア)32点

 【72kg級】
[1]Balint KORPASI(ハンガリー) 57点
[2]Demeu ZHADRAYEV(カザフスタン) 49点
[3]Adam KURAK(ロシア)33点
[4]Rasul CHUNAYEV(アゼルバイジャン) 31点
[5]Murat DAG(トルコ) 30点

 【77kg級】
[1]Kazbek KILOV(ベラルーシ) 39点
[2]Mohammadali Abdolhamid GERAEI(イラン) 38点
[3]Ariel FIS BATISTA(キューバ) 34点
[4]Roman VLASOV(ロシア)34点
[5]Viktor NEMES(セルビア) 32点

 【82kg級】
[1]Daniel ALEKSANDROV(ブルガリア) 51点
[2]Atabek AZISBEKOV(キルギス) 41点
[3]Viktar SASUNOUSKI(ベラルーシ) 40点
[4]Emrah KUS(トルコ) 32点
[5]Laszlo SZABO(ハンガリー) 31点

 【87kg級】
[1]Islam ABBASOV(アゼルバイジャン) 45点
[2]Khussein MUTSOLGOV(カザフスタン) 37点
[3]角雅人(日本) 36点
[4]Roberti KOBLIASHVILI(ジョージア) 33点
[5]Bekkhan OZDOEV(ロシア)31点

 【97kg級】
[1]Balazs KISS(ハンガリー) 44点
[2]Orkhan NURIYEV(アゼルバイジャン) 42点
[3]Cenk ILDEM(トルコ) 38点
[4]Luillys Jose PEREZ MORA(ベネズエラ) 34点
[5]Artur ALEKSANYAN(アルメニア) 33点

 【130kg級】
[1]Riza KAYAALP(トルコ) 45点
[2]Balint LAM(ハンガリー) 42点
[3]Alin ALEXUC CIURARIU(ルーマニア) 40点
[4]Oscar PINO HINDS(キューバ) 36点
[5]Behnam Aliakbar MEHDIZADEH ARPATAPEH(イラン) 34点


男子フリースタイルの全日本チームが東京・味の素トレーニングセンターで合宿スタート

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アジア大会前の最後の合宿をスタートした全日本チーム

 男子フリースタイルのアジア大会(8月19~22日、インドネシア)と世界選手権(10月20~28日、ハンガリー)の代表選手を含む全日本チームが8月3日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタート。アジア大会代表が現地へ向かう16日の前日まで最後の調整を行う。

 合宿にはフランスからトップレベルの4選手とコーチ1人が参加。この合宿終了まで練習に加わる。男子フリースタイルのフランス・チームが合宿参加は2014年7月以来。

 男子フリースタイル・チームは7月下旬に標高1700メートルの岐阜・濁河(にごりご)温泉で合宿を行い、肉体面で徹底的に鍛えた。数日の休みを経ての再集合。井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「濁河温泉での合宿はハードだったけど、きょう集まった代表選手は、みんないい顔をしていた」と、気持ちが上向いていることを実感。

6面マットをいっぱいに使っての練習

 この合宿の前半は「まだ追い込む時期」として、ハードな練習を続ける予定だが、けがやコンディションの状況によっては、後半を待たずに「少しずつ練習量を落としていきたい」と最後の仕上げに移るという。

 東京は相変わらずの暑さが続いているが、トレセン内はエアコンがきいており、外でのトレーニング(ラニング)は1回のみ。「食事もいいし、出発前のコンディションづくりという面では最高の環境だと思います」と言う。

 世界選手権の代表や練習パートナーは、「フランス選手に積極的にぶつかり、しっかり強化してほしい」と望んだ。

 世界チャンピオンとしてアジア大会に参加する57kg級の高橋侑希(ALSOK)は「すべてがうまくいっています」と、順調な仕上がりを強調。世界王者としてマークされるのは4月のワールドカップ(米国)でも経験済みで、ほとんど重圧にはなっていない。

 昨年のアジア選手権(インド)でも優勝しているだけに、自信はかなりありそう。「今回は結果より内容です。内容にこだわってやりたい」と、単に優勝するだけではなく、快勝続きの内容で勝ち抜いて世界2連覇への足がかりにしたい希望を口にした。


フランスから選手4人、コーチ1人が来日した


練習するフランス選手


2年連続アジア制覇を目指す高橋侑希(ALSOK)


中量級を支える藤波勇飛(山梨学院大)

《速報》西内悠人(高知・高知南中=高知クラブ)ら4選手が優勝…アジア・スクールボーイ選手権(イラン)

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 第1回のアジア・スクールボーイ選手権が8月3日、イラン・カラジで行われ、日本はフリースタイルに参加。44kg級の西内悠人(高知・高知南中=高知クラブ)、48kg級の尾西大河(福岡・鳥栖クラブ)、57kg級の高橋海大(東京・稲付中=JOCエリートアカデミー)、62kg級の荻野海志(埼玉・埼玉栄中)の4選手が優勝した。

 他に、41kg級の高野航成(茨城・取手二中=パラエストラ)、75kg級の五十嵐文彌(埼玉・埼玉栄中)、85kg級の北脇香(東京・日本工大駒場中)が2位。

【全国少年少女選手権・特集】最多の入賞誇った猪名川クラブ、「兵庫県を全国のトップチームにしていきたい」(池畑耕造監督)

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(文・撮影=増渕由気子)

最多のメダルを獲得した兵庫・猪名川クラブ

 16年ぶりに大阪で行われた全国少年少女選手権で、14人を表彰台に上げて最多のメダル数を獲得したのは、大阪府の隣、兵庫県の猪名川クラブだった。エントリー31人中30人が出場するなど存在感は圧倒的だった。

 池畑耕造監督は「優勝者は3人でした。5人くらい優勝する予定でした」と目標値を下回っていたことを吐露したが、この好成績は大阪大会の賜物だった。一昨年まで東京開催が長らく続き、昨年は福岡県の開催のため、経費や日程の面で限られていた部分があった。

 今年は「例年の倍ほど出場しました。本来なら実力的に出場を見送る選手も出場し、大会の規模感を肌で感じ、他の選手が頑張る姿を見て感化されたりして、いい経験になっているようでした」と、近隣開催での効果が抜群だった。

延長戦を経て判定勝ちで初優勝を決めた森

 気合が入っていたのは保護者も同じ。3年生に満たない子どもの父母も多数応援に駆けつけてサポートに回っていたことも、猪名川がチームとして盛り上がった要因だろう。2年生以下の子どもたちも大会を目の当たりにし、「来年は出たい」と次々と口にしていたそうだ。

 ハイライトは6年生男子34kg級で初優勝を飾った森日我だろう。決勝では下田瑛太(高知・高知ジュニア)と死闘を繰り広げ、延長戦へ突入。それでも互いに譲らず判定へともつれた。審判は青の森を支持。優勝が決まると、猪名川のチーム全体から大歓声。セコンドの池畑監督は森よりも飛び上がって喜びをあらわにした。

 森は「これまでは、相手が強い、相手が強い、と思い込んでしまい、気持ちが足りなかった。今回は最後のチャンスだったので、勝ちたい気持ちで闘いました」と、気持ちで負けなかったことを勝因に挙げた。

京都出身で兵庫国体を機に猪名川でレスリング普及に貢献

 池畑監督は京都出身で、峰山高から日体大に進学。自衛隊体育学校で続けた全日本のトップ選手だった。兵庫国体を機に体育学校から一般自衛官となり、現在は兵庫地方協力本部で広報の仕事に携わっている。

 プロの広報で養ったノウハウは、同クラブの普及に一役買っている。「小さい大会でも、学校に連絡して表彰をお願いしたり、地方新聞や行政の広報誌など、多くの家庭に配布されるものに載せてもらうように依頼しています。その配布物を見て入部してくる人がものすごく多いです」。

森が優勝を決めた瞬間の池畑監督は両手でガッツポーズ

 普段は広報普及活動に余念がないが、「今回は地元の広報をお連れしようと思っていたのに、事前に声をかけることを忘れてしまったんです」と苦笑い。幸い、来年は和歌山県開催で、兵庫からは比較的近場での開催となる。「来年こそ」と“リベンジ”を誓っていた。

 猪名川クラブは、猪名川高を母体とするキッズクラブ。高校の強豪チームがキッズクラブで人材を育てるというモデルケースに似ているが、課題がある。「小学生がたくさんいるのに、中学で続けないケースが多く、高校が強くならない。近年好成績を収めているので、この子達がそのまま猪名川高に進学し、全国のトップチームになるように、自分は猪名川に骨を埋める覚悟でやっていきたい」-。

 池畑監督の地元の京都には、網野や京都八幡など全国トップレベルの高校がたくさんある。それに負けないように普及と強化に尽力する姿勢を見せた池畑監督だった。

《速報》インターハイ・第1日(学校対抗戦)

世界女王ヘレン・マルーリス(米国)か勝ち抜けるか?…女子57kg級の世界選手権代表決定戦は10月6日

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ハンガリーのマットに立てるか、ヘレン・マルーリス(米国)=写真は昨年の世界選手権

 米国でただ1階級、世界選手権(10月20~28日、ハンガリー)の代表が決まっていなかった女子57kg級の代表決定戦は、10月6日(土)にペンシルベニア州のリーハイ大学で行われることになった。リオデジャネイロ・オリンピックを含めて2015~17年に3年連続世界一のヘレン・マルーリスと予選を勝ち抜いたアレックス・ヘドリックが3戦2勝システム(最大3試合闘い2勝した選手が勝ち)で闘い、勝者が世界選手権の代表となる。

 当初は6月23日の「 Final X」で対戦する予定だったが、マルーリスが負傷のため棄権。“チャンピオン特権”によって対戦が延期された。

日体大柏(千葉)や出場10回目のいなべ総合学園(三重)などが8強へ…インターハイ・第1日(学校対抗戦)

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順調にベスト8に進んだ日体大柏(千葉=左)

 インターハイ・レスリング競技は8月4日、三重県津市のメッセウィング・みえ(津市産業スポーツセンター)で開幕。学校対抗戦の3回戦までが行われ、ベスト8が出そろった。

 3連覇を狙う日体大柏(千葉)は、初戦(2回戦)で八幡浜工(愛媛)に7−0で勝って好スタートを切り、3回戦でも岐南工(岐阜)に6−1で勝利した。準々決勝で鳥栖工(佐賀)と対戦する。

 3月の全国高校選抜大会準優勝の自由ヶ丘学園(東京)は、初戦(2回戦)の上田西(長野)と3回戦の玉名工(熊本)を、ともに7−0と圧倒的な強さを見せた。和歌山北(和歌山)と対戦する。

 地元三重からは、いなべ総合学園と朝明の2校が出場し、ともに初戦は突破。朝明は3回戦でおかやま山陽(岡山)に1−6で敗れたが、いなべ総合学園は秋田商(秋田)に5−2で勝って地元優勝に望みを託した。

 開会式では、平成30年7月の豪雨災害に触れ、亡くなられた方に哀悼の意を、被害に遭われた方にお見舞いの言葉を捧げた登壇者もいた。被災した広島、岡山、愛媛の代表校は予定通り出場し、おかやま山陽(岡山)がベスト8に進出した。広島の三次と愛媛の八幡浜工は、初戦は勝ったものの2回戦で敗れ。上位進出はならなかった。

 今大会は、いなべ総合学園と敦賀気比(福井)の2校が10回目の出場となり、開会式で表彰され、いなべ総合学園の藤波俊一監督と、敦賀気比の時岡孝夫監督に賞状とトロフィーが贈られた。

 第2日は、学校対抗戦の決勝までと女子の個人戦が行われる。(文・撮影=増渕由気子)

《学校対抗戦・ベスト8進出校》
日体大柏(千葉)、鳥栖工(佐賀)、おかやま山陽(岡山)、花咲徳栄(埼玉)、多度津工(香川)、いなべ総合学園(三重)、和歌山北(和歌山)、自由ヶ丘学園(東京)

《学校対抗戦トーナメント表》


学校対抗戦

 ▼3回戦
日体大柏(千葉)○[6-1]●岐南工(岐阜)
鳥栖工(佐賀)○[4-3]●館 林(群馬)
おかやま山陽(岡山)○[6-1]●三次(広島)
花咲徳栄(埼玉)○[4-3]●網野(京都)
多度津(香川)○[6-1]●敦賀気比(福井)
いなべ総合学園(三重)○[5-2]●秋田商(秋田)
和歌山北(和歌山)○[5-2]●八戸工大一(青森)
自由ケ丘学園(東京)○[7−0]●玉名工(熊本)

 ▼2回戦
日体大柏(千葉)○[7−0]●八幡浜工(愛媛)
岐南工(岐阜)○[5−2]●福 島(宮崎)
鳥栖工(佐賀)○[6−1]●星 城(愛知)
館 林(群馬)○[7-0]●種 市(岩手)
おかやま山陽(岡山)○[5-2]●鹿屋中央(鹿児島)
三 次(広島)○[5-2]●朝 明(三重)
網 野(京都)○[5-2]●日本文理大付(大分)
花咲徳栄(埼玉)○[5-2]●鹿島学園(茨城)
敦賀気比(福井)○[4−3]●足利大付(栃木)
多度津(香川)○[4−3]●沼津城北(静岡)
秋田商(秋田)○[5−2]●札幌東豊(北海道)
いなべ総合学園(三重)○[6-1]●山口鴻城(山口)
和歌山北(和歌山)○[4-3]●興 国(大阪)
八戸工大一(青森)○[6-1]●志 賀(石川)
玉名工(熊本)○[7-0]● 仙台城南(宮城)
自由ケ丘学園(東京)○[7-0]●上田西(長野)

 ▼1回戦
八幡浜工(愛媛)○[4−3]●島 原(長崎)
岐南工(岐阜)○[7−0]●田 島(福島)
星 城(愛知)○[6−1]●高知東(高知)
館 林(群馬)○[4−3]●山梨農林(山梨)
鹿屋中央(鹿児島)○[5−2]●八幡工(滋賀)
三 次(広島)○[4−2]●米沢工(山形)
日本文理大付(大分)○[4−3]●新潟県央工(新潟)
鹿島学園(茨城)○[6-1]●小倉商(福岡)
足利大付(栃木)○[4−3]●北部農林(沖縄)
沼津城北(静岡)○[5−2]●隠岐島前(島根)
秋田商(秋田)○[5−2]●滑 川(富山)
山口鴻城(山口)○[5−2]●倉吉総合産(鳥取)
興 国(大阪)○[5−2]●磯子工(神奈川)
志 賀(石川)○[4−3]●池 田(徳島)
仙台城南(宮城)○[5−2]●猪名川(兵庫)
上田西(長野)○[4−3]●大和広陵(奈良)

 

【写真集】2018年インターハイ・開会式

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(2018年8月4日、三重件津市・メッセウィング・みえ / 撮影=増渕由気子)


47都道府県から集ったインターハイ出場選手


日本協会・福田富昭会長のあいさつ。「みなさんは、日本のレスリング界にとって宝です」と印象的な挨拶だった。


前葉泰幸三重県津市長は歓迎に先立ち、平成30年7月豪雨の被災者に対してお見舞いの言葉を述べた。被災地からの参加者に対して「辛いことがあったと思います。それを乗り越えての出場に敬意を表します」と話した。


選手宣誓を行ったいなべ総合学園(三重)の徳力哲太


10回出場の表彰を受けた敦賀気比・時岡孝夫監督(左)と、いなべ総合学園・藤波俊一監督


1年生チャンピオンを目指す伊藤海(京都・網野)が決勝進出…インターハイ・第2日(女子)

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1年生の伊藤海(京都・網野)が47kg級で決勝進出

 インターハイ・レスリング競技第2日は8月5日、三重県メッセウィング・みえ(津市産業スポーツセンター)で学校対抗戦の終了後に女子個人戦が開始され、準決勝までが行われた。

 女子47kg級では1年生チャンピオンを目指す伊藤海(京都・網野)が決勝へ進む一方、同級の元木咲良(埼玉・埼玉栄)や57kg級の尾崎野乃香(東京・帝京)らの世界カデット選手権のチャンピオンが敗退するなど、シード選手が負ける番狂わせも起こった。

 決勝の対戦は下記の通り。


女子決勝

▼47kg級 清水美海(京都・網野)-伊藤海(京都・網野)

▼50kg級 片岡梨乃(千葉・日体大柏)-吉元玲美那(埼玉・埼玉栄) 

▼53kg級 今井佑海(京都・海洋)-徳原姫花(高知・高知東)

▼57kg級 永本聖奈(愛知・至学館)-稲垣柚香(愛知・至学館) 

▼62kg級 石井亜海(東京・安部学院)-小石亜紀(福岡・小倉商)

▼68kg級 寺本鈴(岐阜・中京学院大中京)-宮道りん(愛媛・今治工) 

▼74kg級 鏡優翔(東京・帝京)-長島水城(東京・安部学院)

日体大柏(千葉)が3連覇達成! 地元のいなべ総合学園(三重)が3位入賞…インターハイ第2日(学校対抗戦)

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日体大柏・大澤友博監督の胴上げ。右の3本の指で3連覇をアピール!

 インターハイ・レスリング競技の学校対抗戦は8月5日、三重県津市のメッセウィング・みえ(津市産業スポーツセンター)で学校対抗戦の決勝までが行われ、日体大柏(千葉)が決勝で自由ヶ丘学園(東京)を4-3で下し、3年連続優勝を成し遂げた。

 日体大柏は準々決勝で鳥栖工(佐賀)、準決勝で花咲徳栄(埼玉)をそれぞれ6-1と快勝して決勝へ。3月の全国高校選抜大会と同じ自由ヶ丘学園(東京)との対戦となった。その時は圧勝した日体大柏(千葉)だったが、55kg級の竹下雄登主将以外の軽中量級で3敗を喫し、先に王手をかけられた。だが、国際大会でも実績を残している71kg級の山田脩、80kg級の奥井真吉が巻き返してチームスコア3-3とし、最後は125kg級の宮本海渡がテクニカルフォールで勝って4勝目を決めた。

 惜しくも2位となった自由ヶ丘学園は、エース森川海舟が階級を60kg級に上げても健在で、全勝でチームを支えたが、日体大柏にあと一歩届かなかった。それでも春夏連続の決勝進出はチーム初の快挙。

 吉田沙保里選手の故郷での開催ということもあり、いつも以上に地元チームへの期待値は高かった。今年10度目の出場を決めた、いなべ総合学園は、準々決勝の多度津(香川)に4-3と接戦で勝ち上がり、ベスト4に進出。自由ヶ丘学園に2-5で及ばなかったが、地元大会で立派なベスト4となった。もうひとつの3位には、花咲徳栄が入った。

 試合結果は下記の通り。(文・撮影=増渕由気子)

優勝を決めた125kg級の宮本、直後にKASHIWAを誇示

森川がエースの自由ヶ丘学園は春夏連続の決勝進出


《学校対抗戦》

トーナメント表 1回戦 2回戦 3回戦 準々決勝 準決勝 決 勝

学校対抗戦

 ▼決勝
日体大柏(千葉)○[4-3]●自由ケ丘学園(東京)

 ▼準決勝
日体大柏(千葉)○[6-1]●花咲徳栄(埼玉)
自由ケ丘学園(東京)○[5-2]●いなべ総合学園(三重)

 ▼準々決勝
日体大柏(千葉)○[6-1]●鳥栖工(佐賀)
花咲徳栄(埼玉)○[5-2]●おかやま山陽(岡山)
いなべ総合学園(三重)○[4-3]●多度津(香川)
自由ケ丘学園(東京)○[5-2]●和歌山北(和歌山)

【写真集】インターハイ学校対抗戦・決勝/日体大柏(千葉)-自由ヶ丘学園(東京)

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(2018年8月5日、三重県津市・メッセウイング・みえ / 撮影=増渕由気子)


《決勝》日体大柏(千葉)○[4-3]●自由ヶ丘学園(東京)

【51㎏級】塩谷優(青=自由ヶ丘学園)○[Tフォール、2:16=10-0]●田南部魁星(日体大柏)


【55㎏級】竹下雄登(赤=日体大柏)○[Tフォール、3:44=12-1]●菅沼碧久(自由ヶ丘学園)


【60㎏級】森川海舟(青=自由ヶ丘学園)○[9-2]●深田雄智(日体大柏)


【65㎏級】飯田翔真(青=自由ヶ丘学園)○[9-3]●山倉孝介(日体大柏)


【71㎏級】山田脩(赤=日体大柏)○[5-2]●田中宙(自由ヶ丘学園)


【80㎏級】奥井真吉(赤=日体大柏)○[Tフォール、3:33=12-1]●今村大地(自由ヶ丘学園)


【125㎏級】宮本海渡(赤=日体大柏)○[Tフォール、3:16=10-0]●三橋柚汰(自由ヶ丘学園)

アジア・スクールボーイ選手権(イラン)出場の男子フリースタイル・チームが帰国

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団体2位の成績で帰国した男子フリースタイル・チーム

 イラン・カラジで行われた第1回アジア・スクールボーイ選手権に出場した男子チームが8月5日、成田空港に帰国した。日本はフリースタイルのみに出場し、4階級で優勝、3選手が銀メダル獲得。国別対抗得点はイランに続いて2位という成績だった。

 沼尻久団長(全国中学生連盟会長)は「みんな最初は緊張していたけど、2回戦、3回戦になるにつれ自分の力を発揮した。今回の選手はすばらしい選手たちが集まりました」と振り返る。大会の規模などを考え、「中学生選手の夢として、この大会は来年以降も続けてほしい」と希望した。

 豊田聡監督(全国中学生連盟理事長)は「第1回ということで緊張感がいっぱいだっだ。これだけの成績を取れてうれしい。特に重量級は日本選手が通用するのかどうか心配だったけど、北脇君(香(東京・日本工大駒場中=85kg級)とか想像以上の活躍をしてくれた」と言う。

 カデット以上のアジア選手権の男子で、国別対抗得点で2位になることは、そうそうない。それだけに「団体戦の入賞は、正直なところ考えていなかった」と言う。しかし、「階級によってはイランを破っての成績を残し、そのうえでの2位はよくやりました」と評価。連盟のスタッフは、これまでは全中(全国中学生選手権)の開催を中心に考えていたけど、この世代で世界に通用する強化を考えていきたい」と話した。

解団式であいさつする豊田聡監督

 生活面ではハードな遠征となったそうだが、選手は泣き言も言わずに過ごしたそうで、「たくましさを感じました」とのこと。団体2位にイランの人がすごく喜んでくれたそうで、「親日感情を感じました」と、マット以外での発見も多かったようだ。

 グレコローマンは見るだけに終わったが、沼尻団長、豊田監督とも、そのレベルに驚いた様子。「来年はグレコローマンにも派遣したい」と口にしていた沼尻団長だが、「いつグレコローマンの練習をするのか、という問題がある。オリンピックを考えればグレコローマンも派遣しなければならないが、けがが心配。派遣を考えてはいくものの、来年すぐに、とは言えない」と、慎重論へ方向転換。  

 豊田監督は「当初、全国大会の1位をフリースタイル、2位をグレコローマンという声もあったのですが、そんな甘いものじゃないことを痛感しました」と言う。ただ、「日本では無理だよね、ではなく、何らかの形で強化していきたい」と話した。


 ■44kg級優勝・西内悠人(高知・高知南中=高知クラブ)「国歌を聴いたとき、すごく気持ちよく、うれしかった。最後まであきらめす、ばてても点を取りにいったことが優勝の要因だと思います。周りの方が支えてくれた結果です。感謝の気持ちを忘れず、これからも頑張りたい。外国選手は力があり、返し技もやってきてやりづらかった。タックルにいっても、なかなか取れないこともあった。もっと技術を高めて、自分の流れで勝てるようにしたい」

 ■48kg級優勝・尾西大河(福岡・鳥栖クラブ)「国際大会は3回目で、これまでは優勝できなかった。優勝できてホッとしています。所属ではタックルを入られてからの動きとか、どんなポジションからでもの闘いを練習してきたので、その結果が出たと思います。団体も準優勝で、チームに貢献できたと思いました。グレコローマンを中心にやっています。フリースタイルでも、守りの時の差しとかでグレコローマンの技術を生かせて勝ちにつながりました。これからも出る大会で優勝を続け、国際大会で優勝して日本に貢献したい」

 ■57kg級優勝・高橋海大(東京・稲付中=JOCエリートアカデミー)「世界カデット選手権の決勝は逆転負けという結果で、とても悔しかった。今回は絶対に優勝するという気持ちで行ったので、とてもうれしい。自分から攻めるレスリングが出せたのが勝因です。(アカデミー出身の選手はシニアでも台頭しているが)これからは自分達の世代の時代がきますので、続けるように頑張っていきたい。年末の全国中学選抜選手権でも優勝し、来年の世界カデット選手権では必ず金メダルを取りたい」

 ■62kg級優勝・荻野海志(埼玉・埼玉栄中)「チームには国際大会を経験している選手が何人かいましたけど、(自分は)初めてなので緊張が大きかったです。決勝までは課題が残る試合でしたが、決勝は自分から攻めることができ、周りの声がしっかり聞こえるなど、心に余裕がありました。それがよかったのだと思います。階級を上げて出たのですが、外国選手は大きく、自分が一番小さかった。パワーの差を感じました。今後はカデットの国際大会で優勝を目指します」

【インターハイ・特集】豪雨災害に遭った八幡浜工(愛媛)が予定通り出場して初戦突破!「みなさんのおかげです」

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(文・撮影=増渕由気子)

豪雨災害にもめげず、インターハイ出場を果たした八幡浜工の栗本秀樹監督(左から2人目)

 7月はインターハイに出場する高校生にとって一番大切な時期だ。7月上旬に西日本を襲った「平成30年7月豪雨」は、昨年国体が行われた愛媛県にも大きな被害をもたらした。今大会の学校対抗戦の代表校、八幡浜工の地域も浸水被害が多く、栗本秀樹監督の自宅も被害に遭った。

 7月中旬に予定されていた国体予選などは中止となったが、栗本監督は「掃除の毎日ですが、インターハイは大丈夫。練習もしてるし、準備して出場します。それより組み合わせですよ。強いところと当たることになってしまった」と苦笑するなど、ポジティブな姿勢が印象的だった。

 初戦は島原(長崎)と対戦し、51kg級の小西健太郎が勝利するも、互いに連勝できず3−3で125kg級勝負となった。そこで阿部階喜が開始40秒で劇的なフォール勝ちをおさめ、4勝目を挙げて決着。2回戦でインターハイ2連覇中の日体大柏(千葉)への挑戦権を得た。

初戦の島原戦で快勝した塩崎主将

 結果は0−7とボロボロの結果。フルタイムで闘える選手すらいなかった。栗本監督は「やれることはやりましたが、ディフェンスができたらもう少し勝負できたかもしれません。最初のアタックをディフェンスできない限り、あのようなチームには勝てない」と反省を口にした。

 もっとも、日体大柏と闘えた経験は初戦を突破したからこその権利でもある。栗本監督は「島原も強いチームだから、そこに勝ったことは評価できます。1、2年生が多いチームなので来年につながります」と前を向いた。

 災害についての影響を問うと「今回のインターハイに影響がなかったかと言われると、あったかもしれません。練習も3、4割ほど減っていましたし、部活禁止になった時期もありました。だけど、それを言い訳にしたくないんですよ。やるべきことはしてきました。日体大柏に大敗したという結果は受け止めて、またしっかり次頑張りたい」と、可能な限りで本気で仕上げてきたことを強調した。

宇和島から通う塩崎主将「インターハイを優先させてもらった」

 初戦の島原戦でチーム一の快勝を見せたのは、塩崎泰隆主将だった。常に攻撃的で休む間もなく動き回り、第1ピリオドで11−0とテクニカルフォールを決めた。だが、日体大柏では一矢報いることはできずに完敗。「主将としてふがいなかった」と唇を噛んだ。

個人戦での健闘を誓った八幡浜工チーム

 塩崎は宇和島から八幡浜に電車通学している。宇和島は今回の豪雨で被害が多かった地域の一つだ。「自宅は浸水、それ以上に(両親が経営している)お店の被害の方が大きくて…」。目の前に広がる光景を見て、「厳しいな」と現実を痛感した。

 鉄道が不通となって自力では学校にも行けなかった。家族総出で掃除の毎日だったが、塩崎は自分の想いを家族にうちあけた。「インターハイのために練習を優先させてほしい、と頼みました。僕のわがままです。キャプテンだから抜けるわけにはいかなかった」。都合がつけば、部員が宇和島まで来て掃除を手伝ってくれることもあり、練習外でもチームの結束力が高まった。

 栗本監督は「いろいろな人が協力してくれた。宇和島の先生や保護者の方たちが送迎に協力してくださいました。1勝することができてよかった。個人戦も頑張らせます」と指導に腕を鳴らしていた。

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