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【2019年世界選手権・展望(11)】強豪が抜けて混戦模様の階級…女子65kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

第1シードとなったフォレスト・アン・モリナリ(米国)

 昨年の欧州&世界チャンピオンのペトラ・オッリ(フィンランド)は、今年4月の欧州選手権3位だったが、世界選手権は62kg級にエントリーした。昨年2位のダニエレ・スザンネ・ラッページ(カナダ)も68kg級にアップ。

 ランキング1位のオッリが不在のため、同2位のフォレスト・アン・モリナリ(米国)が繰り上がって第1シードとなる。7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)優勝など実力を見せている。

 欧州選手権でオッリを破って優勝したのは、昨年のU23世界選手権2位のエリス・マノロバ(アゼルバイジャン=元ブルガリア)。その後の国際大会では62kg級に出ていたが、この階級に第3シードとして出場する。

 第2シードは、アジア選手権3位のアイナ・テミルタソワ(カザフスタン)、第4シードは昨年8位で、8月の「ポーランド女子オープン」優勝のボローツヤ・クレルクウ(モンゴル)で、アジア勢が上位を占めるか。中国からは、アジア選手権を制したルオ・シアオフアンではなく、昨年のU23世界選手権72kg級3位のワン・シオアキンが出てくる。

 アジア選手権で銀メダルを手にした類家直美(至学館大)にとっても、チャンスは大きい状況だ。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Olli, Petra Maarit(フィンランド)
2. Lappage, Danielle Suzanne(カナダ)
3. Gempei, Ayana(日本)
〃 Netreba, Irina(アゼルバイジャン)
5. Molinari, Forrest Ann(米国)
〃 Ritu, Ritu(インド)
7. Tang, Chuying(中国)
8. Khurelkhuu, Bolortuya(モンゴル)
1. Molinari, Forrest Ann(米国)
2. Temirtassova, Aina(カザフスタン)
3. Manolova, Elis(アゼルバイジャン)
4. Khurelkhuu, Bolortuya(モンゴル)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Luo, Xiaojuan(中国)
2. 類家直美(日本)
3. Temirtassova, Aina(カザフスタン)
4. Tsorigt, Bolortungalag(モンゴル)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Manolova, Elis(アゼルバイジャン)
2. Incze, Kriszta Tunde(ルーマニア)
3. Kuznetsova, Maria(ロシア)
〃 Olli, Petra Maarit(フィンランド)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Salata, Julia Mary(米国)
2. Brouillette, Jescia Lise(カナダ)
3. Pedro da Rocha, Gabriela(ブラジル)
(実施せず)

【2019年世界選手権・展望(12)】世界王者不在、ハッサン・ヤズダニ(イラン)が抜け出すか…男子フリースタイル86kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

2年ぶりに世界を制するか、ハッサン・ヤズダニ・チャラティ(イラン)

 昨年の世界王者デービッド・テーラー(米国)は5月の負傷が響いて不出場。代わって出てくるパット・ドウニー(米国)は、今年1月の「デーブ・シュルツ国際大会」(米国)優勝の実績はあるが、国際舞台のキャリアは少ない。

 優勝候補としては、昨年2位で欧州選手権3位のファティ・アーディン(トルコ)、2016年リオデジャネイロ・オリンピック74kg級優勝で昨年3位のハッサン・ヤズダニ・チャラティ(イラン)などが上げられよう。

 アーディンは欧州選手権3位、欧州大会5位、「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)3位と優勝に恵まれない。ヤズダニはこの階級の2017年世界王者。昨年はテーラーに負けての3位(テーラーには通算2戦2敗)。今年は3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」で圧勝優勝した。“天敵”のいない今年はどうか。

 ロシアからは、昨年5位で今年の欧州大会優勝のダウレン・クルガリエフと思われたが、昨年のU23世界選手権2位のアルトゥール・ナイフォノフが出てくる。ロシア選手権で優勝し、今年8月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)でクルガリエフを上回っての優勝が決め手となった。“未知の強豪”と言えよう。

 昨年3位のタイムラス・フレエフ・ナスキデアバ(スペイン=元ロシア)は今年の欧州大会8位など、その後は今ひとつの成績。昨年79kg級3位で、階級を上げて今年の欧州選手権3位、欧州大会2位のアリ・シャバノフ(ベラルーシ)の方が上位進出の可能性が高いか。2016年までロシア国籍だったボリス・マコエフ(スロバキア)が第2シードになっている。こちらも要注意だろう。

 米国から国籍を変えて昨年のアジア大会2位に入ったドメニク・マイケル・アボウナダール(レバノン)は、その後は振るわず。アジアからは、今年のアジア選手権3位で7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)で2位に入ったディーパック・プニア(インド)、ロシアから国籍を変えて4月のアジア選手権2位になったアリガジ・ガミガジエフ(キルギス)らが、どこまでやるか。

 この階級初出場の高谷惣亮(ALSOK)は、3月のワールドカップでファティ・アーディン(前述)を破っている。トップレベルに位置していることは間違いない。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Taylor, David Morris(米国)
2. Erdin, Fatih(トルコ)
3. Yazdani Charati, Hassan(イラン)
〃 Friev Naskideava, Taimuraz(スペイン)
5. Kim, Gwan-Uk(韓国)
〃 Kurugliev, Dauren(ロシア)
7. Heino, Ville(フィンランド)
8. Makoev, Boris(スロバキア)
1. Erdin, Fatih(トルコ)
2. Makoev, Boris(スロバキア)
3. Yazdani Charati, Hassan(イラン)
4. Deepak, Punia(インド)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Yazdani Charati, Hassan(イラン)
2. Abou Nader, Domenic Michael(レバノン)
3. Davlumbaev, Adilet(カザフスタン)
〃 Orgodol, Uitumen(モンゴル)
1. Ghasempour, Kamran Ghorban(イラン)
2. Gamigadzhiev, Aligadzhi(キルギス)
3. Punia, Deepak(インド)
4. Ganbaatar, Gankhuyag(モンゴル)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Valiev, Vladislav(ロシア)
2. Ianulov, Piotr(モルドバ)
3. Erdin, Fatih(トルコ)
〃 Shabanov, Ali(ベラルーシ)
1. Kurugliev, Dauren(ロシア)
2. Shabanov, Ali(ベラルーシ)
3. Dudarov, Ahmed Ruslanovich(ドイツ)
〃 Amin, Myley Nazem(サンマリノ)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Taylor, David Morris(米国)
2. Ceballos Fuentes, Pedro Francisco(ベネズエラ)
3. Moore, Alexander Robert(カナダ)
〃 Hernandez Luis, Lazaro Daniel(キューバ)
1. Torreblanca Queralta, Yurieski(キューバ)
2. Ceballos Fuentes, Pedro Francisco(ベネズエラ)
3. Izquierdo Mendez, Carlos Arturo(コロンビア)
〃 Downey, James Patrick(米国)

男子グレコローマンの全日本チームが直前合宿をスタート

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学生の強豪とともに世界選手権前最後の合宿をスタートした男子グレコローマン・チーム

 世界選手権(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)の代表選手を含む男子グレコローマンの全日本チームが9月5日、東京・味の素トレーニングセンターで出発前最後の合宿をスタートした。全日本学生連盟の合宿も同時に行われた。

 前日、各階級のエントリーが明らかになり、いよいよ開幕ムードが充満。オリンピック階級に強豪が集まっている現状が明らかになり、一段と厳しさを感じる中での最後の練習となった。

 松本慎吾・男子グレコローマン強化委員長(日体大教)は「甘くないことは、はっきりしている。強い選手を1人、2人と食わないとオリンピック出場枠は絶対に手に入らない。最後は、勝ちたいという強い気持ち」と話し、くじ運を頼るのではなく、強豪を破る覚悟を要求した。

 自身は、2004年アテネ・オリンピックで7位となり、2006年アジア大会3位など実績を積み重ねながら、日本チームのエースとして臨んだ2007年世界選手権(北京オリンピック予選)は初戦敗退の苦汁を味わっている。「あの時は、絶対に(出場枠を)取れると思っていた」-。それでも、取れなかったのが勝負の世界。選手に厳しさを求める。

日本人キラーとの再戦を待ち望む文田健一郎(ミキハウス)

 日本の期待が最も大きい60kg級には、昨年63kg級で2位となり、文田健一郎(ミキハウス)も太田忍(ALSOK)も勝ったことがないエルムラト・タスムラドフ(ウズベキスタン)がエントリーした。67kg級でも闘っており、今年の「ザグレブ・オープン」では同級で優勝した強豪だ。だが、松本委員長は「(60kg級での)2日間の早朝計量は経験していないはず。力を落とさずにできるのかな」とも話し、気を引き締める中にも、過度に警戒することも戒めた。

タスムラドフとの再戦を待ち望む文田健一郎

 文田は、タスムラドフの60kg級参戦は想定外だったという。しかし、「4年ぶりの再戦は楽しみ」と話し、やる気モード全開。2015年11月のゴールデンGP決勝大会の2回戦で対戦し、フォール負けを喫した相手。4つ組みからの攻撃に定評のある文田が、組み合って投げられた唯一の選手だという。

 「もちろん、まず勝つことです。泥試合になろうが、1点差であろうが…。その中で、4つ組みで勝負したい」と、前回のリベンジに燃える。階級を下げて出てくることに対しては、「まだ計量の残っている初日、2日間落とした2日目、どちらで闘った方が有利かは分からない。当たっら全力を尽くすだけです」と気を引き締めた。


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【2019年世界選手権・展望(13)】韓ロの争いに東欧勢がからむか…男子グレコローマン77kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

オリンピック3連覇を目指すロマン・ブラソフ(ロシア)

 昨年の世界王者であり今年の欧州大会王者のアレクサンダー・チェキルキンと、オリンピック3連覇を目指すロマン・ブラソフとのロシア代表争いは、8月上旬のドイツ・グランプリでブラソフが優勝したことで、ブラソフに落ち着く気配。昨年の世界選手権はひざの手術で不出場だったが、地力は世界トップクラス。ただし、ノーシード。

 第1シードはキム・ハイエンウ金炫雨=韓国)。2012年ロンドン・オリンピック66kg級の王者で、昨年3位のあと、今年のアジア選手権で優勝。通算6度、アジア(選手権・大会)を制している。

 2017年世界選手権75kg級王者で今年の欧州選手権3位のビクトル・ネメス(セルビア=第2シード)、昨年2位で今年の欧州大会も3位のタマス・ロエリンツ(ハンガリー=第3シード)、7月の「オレグ・カラワエフ国際大会」(ベラルーシ)優勝のパベル・リアク(ベラルーシ=第4シード)らが、その牙城を崩すことができるか。

 アジアからは他に、2018年アジア大会王者・2019年アジア選手権3位のモハマダリ・アブドルハミド・ゲラエイ(イラン)、2018年アジア選手権優勝・アジア大会3位のヤン・ビン(中国)らが上位を狙う力を持っている。

 アジアの一人として、屋比久翔平(ALSOK)がメダル争いにからめるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Chekhirkin, Aleksander(ロシア)
2. Loerincz, Tamas(ハンガリー)
3. Nemes, Viktor(セルビア)
〃 Kim, Hyeon-Woo(韓国)
5. Kessidis, Alexandros Michel(スウェーデン)
〃 Nalgiev, Bilan(ウズベキスタン)
7. Bey, Kamal Ameer(米国)
8. Mursaliev, Elvin(アゼルバイジャン)
1. Kim, Hyeon-Woo(金炫雨=韓国)
2. Nemes, Viktor(セルビア)
3. Loerincz, Tamas(ハンガリー)
4. Liakh, Pavel(ベラルーシ)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Geraei, Mohammadali Abdolhamid(イラン)
2. Makhmudov, Akzhol(キルギス)
3. Kim, Hyeon-Woo(韓国)
〃 Yang, Bin(中国)
1. Kim, Hyeon-Woo(韓国)
2. Singh, Gurpreet(インド)
3. Shadukaev, Tamerlan(カザフスタン)
〃 Geraei, Mohammadali Abdolhamid(イラン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Vlasov, Roman(ロシア)
2. Schwarz, Roland(ドイツ)
3. Julfalakyan, Arsen(アルメニア)
〃 Nemes, Viktor(セルビア)
1. Chekhirkin, Aleksander(ロシア)
2. Chalyan, Karapet(アルメニア)
3. Kessidis, Alexandros Michel(スウェーデン)
〃 Loerincz, Tamas(ハンガリー)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Pena Flores, Yosvani(キューバ)
2. Bey, Kamal Ameer(米国)
3. Cuero Munoz, Jair Alexis(コロンビア)
〃 Escobar, Juan Angel(メキシコ)
1. Smith, Patrick(米国)
2. Rivas Espinoza, Wuileixis de Jesus(ベネズエラ)
3. Cuero Munoz, Jair Alexis(コロンビア)
〃 Pena Flores, Yosvanys(キューバ)

【2019年世界選手権・展望(14)】タイベ・ユセイン(ブルガリア)の牙城を誰が崩すか…女子62kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

首一つ抜け出しているか、タイベ・ユセイン(ブルガリア)

 昨年の欧州&世界チャンピオンのタイベ・ユセイン(ブルガリア)が、今年4月の欧州選手権でも優勝して実力を見せ、第1シードへ。しかし、6月の欧州大会は世界3位のユリア・トカチ(ウクライナ)に準決勝で敗れ、3位決定戦でも昨年のU23世界選手権65kg級優勝のマリア・クズネツォワ(ロシア)に敗れた。巻き返しなるか。

 トカチは7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(ロシア)は、昨年5位で今年のパンアメリカン選手権優勝のライス・ヌネス・デ・オリベラ(ブラジル=第2シード)に敗れて上位進出ならず。安定感は今ひとつだ。

 昨年65kg級で優勝したペトラ・オッリ(フィンランド)が階級を下げてエントリーした。世界一に輝いた実績を生かして、この階級でも優勝を飾れるか。

 4月のアジア選手権優勝のアイスルー・チニベコワ(キルギス)は、5月の「サッサリ国際大会」(イタリア)で上位進出を逃している。アジア選手権65kg級優勝のルオ・シアオフアン(羅暁娟=中国)もこの階級にエントリーしてきた。2016年リオデジャネイロ・オリンピック58kg級で銅メダルを取ったサクシ・マリク(インド)はこの階級に照準を合わせたようだが、今年のアジア選手権3位以外、さしたる成績は残していない。

 2016年リオデジャネイロ・オリンピック58kg級でアフリカ初のメダリストとなったマルワ・アムリ(チュニジア)は、8月の「ポーランド女子オープン」でアジア・チャンピオンのアイスルー・チニベコワを破って優勝。アフリカ選手の意地を見せられるか。

 世界女王のユセインがやや抜け出ているような印象はあるが、ずば抜けた存在の選手はいないのが現状。昨年2位で第3シードの川井友香子(至学館大)が勝ち抜けるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Yusein, Taybe Mustafa(ブルガリア)
2. 川井友香子(日本)
3. Tkach, Yulia(ウクライナ)
〃 Velte, Mallory Maxine(米国)
5. Nunes de Oliveira, Lais(ブラジル)
〃 Sastin, Marianna(ハンガリー)
7. Enkhbat, Gantuya(モンゴル)
8. Bao, Ling(中国)
1. Yusein, Taybe Mustafa(ブルガリア)
2. Nunes de Oliveira, Lais(ブラジル)
3. 川井友香子(日本)
4. Sastin, Marianna(ハンガリー)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. (剥奪=ドーピング違反)
2. Tynybekova, Aisuluu A(キルギス)
3. 川井梨紗子(日本)
〃 Rim, Jong-Sim(北朝鮮)
1. Tynybekova, Aisuluu A(キルギス)
2. 川井友香子(日本)
3. Esenbaeva, Nabira(ウズベキスタン)
〃 Malik, Sakshi(インド)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Yusein, Taybe Mustafa(ブルガリア)
2. Campagna, Aurora(イタリア)
3. Sastin, Marianna(ハンガリー)
〃 Omelchenko, Tatyana(アゼルバイジャン)
1. Tkach, Yulia(ウクライナ)
2. Gambarova, Elmira(アゼルバイジャン)
3. Kuznetsova, Maria(ロシア)
〃 Incze, Kriszta Tunde(ルーマニア)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Nunes de Oliveira, Lais(ブラジル)
2. Velte, Mallory Maxine(米国)
3. Yambo Miranda, Abnelis(プエルトリコ)
〃 Griman Herrera, Nathaly Josefina(ベネズエラ)
1. Miracle, Kayla-Colleen(米国)
2. Renteria Castillo, Jackeline(コロンビア)
3. Nunes de Oliveira, Lais(ブラジル)
〃 Yambo Miranda, Abnelis(プエルトリコ)

【2019年世界選手権・展望(15)】ディーク(米国)とハサノフ(アゼルバイジャン)の決勝再現か…男子フリースタイル79kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

2年連続優勝を目指すカイル・ディーク(米国)

 昨年優勝のカイル・ディーク(米国)が今年もこの階級に出場する。今年は7月の「スペイン・グランプリ」で優勝するなど実力を見せ、第1シード選手。昨年2位のヤブライル・ハサノフ(アゼルバイジャン)は、2月の「タクティカップ」(イラン)は2位だったが、4月の欧州選手権は優勝で、第2シードへ。昨年の決勝の再現なるか。

 ロシアからは、昨年3位でランキングも3位のアフメド・ガジマゴメドフではなく、2018年U23世界選手権2位のガジ・ナビエフが出てくる。7月のロシア選手権で勝ち、8月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)で優勝と、急成長の選手。ノーシードだが要注意だ。もう一人の世界3位のアリ・シャバノフ(ベラルーシ)は86kg級へアップした。

 4月のアジア選手権優勝のバフマン・モハマド・テイモウリ(イラン)は、7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)3位。階級を上げて1年以上が経ち、世界の舞台でも力を発揮するか。

 欧州選手権3位のムハメット・ヌリ・コタノグル(トルコ)ニカ・ケンチャーゼ(ジョージア)、昨年のアジア選手権2位のラシド・クルバノフ(ウズベキスタン=ロシア)らが、優勝争いに関わってくるか。

 日本の男子高校生選手として30年ぶりに出場する髙橋夢大(京都・網野高)が、若さを武器に上位へ食い込めるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Dake, Kyle Douglas(米国)
2. Hasanov, Yabrail(アゼルバイジャン)
3. Gadzhimagomedov, Akhmed(ロシア)
〃 Shabanov, Ali(ベラルーシ)
5. Khutsishvili, David(ジョージア)
〃 Akbarizarinkolaei, Essadollah(イラン)
7. Unurbat, Purevjav(モンゴル)
8. Grigoryan, Grigor(アルメニア)
1. Dake, Kyle Douglas(米国)
2. Hasanov, Yabrail(アゼルバイジャン)
3. Kotanoglu, Muhammet Nuri(トルコ)
4. Teymouri, Bahman Mohammad(イラン)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Teymouri, Bahman Mohammad(イラン)
2. Rana, Parveen(インド)
3. Nasirov, Oibek(キルギス)
〃 Usserbaev, Galimzhan(カザフスタン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Hasanov, Yabrail(アゼルバイジャン)
2. Gadzhimagomedov, Akhmed(ロシア)
3. Kotanoglu, Muhammet Nuri(トルコ)
〃 Kentchadze, Nika(ジョージア)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Rogers, Chandler Mason(米国)
2. Martinez Restrepo, Santiago(コロンビア)
3. Phulka, Jasmit Singh(カナダ)
4. Guzman Velazquez, Francisco Javier(プエルトリコ)
(実施せず)

韓国遠征の男子高校選抜チームが帰国

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韓国で歓迎を受けて帰国した男子高校選抜チーム=チーム提供

 日韓競技力向上スポーツ交流事業で韓国に遠征していた男子高校選抜チームが9月6日、羽田空港着の日本航空で帰国した。

 原喜彦団長(新潟・県央工高教=高体連専門部副理事長)は「手厚い歓迎を受けました」と第一声。現在、両国間は外交や貿易などで関係が悪化し、日本製品の不買運動が起こり、野球チームが日の丸なしで遠征するなど険悪な状況となっている。しかし、世界レスリング連盟の理念は「マットに政治は持ち込まない」であり、国同士が険悪な状況でも友好を示した例はいくつもある。これまでと変わらぬ歓迎を受けたという。

 対抗戦は、韓国の社会人大会の前に実施されたのとことで、そのためマットステージ上での試合。多くの韓国協会関係者や国際審判員も参加した中で実施され、「豪華感がありましたね」と言う。

 その対抗戦は、フリースタイルは日本が11勝1敗と大きく勝ち越した。日本の高校選手の技術は「世界のトップクラスです」とのこと。ただ、軽量級は競った試合もあり、結果ほどの差はないと見ている。グレコローマンは3勝4敗と負け越した。一時低迷していた韓国のグレコローマンだが、ここにきて盛り返したようだ。韓国選手はグラウンド技術を強化していると感じ、「今後はグラウンドの強化がかぎになるでしょう」と話した。

 同団長は最後に、「選手の礼儀正しさは最高でした。去年までが駄目という意味ではありませんが、今年のチームは本当に素晴らしかった。各所属でしっかりと指導されていることを感じました」と結んだ。

オレッグ・ボルチン(ブシロード=山梨学院大卒)がカザフスタン代表で世界選手権へ出場

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山梨学院大の守護神として闘っていた時のオレッグ・ボルチン

 株式会社ブシロードは9月6日、同社所属のオレッグ・ボルチン(山梨学院大卒)が9月14日(土)~22日(日)にカザフスタン・ヌルスルタンで行われる世界選手権の男子フリースタイル125kg級カザフスタン代表となり、出場することを発表した。同級の試合は20日(金)・21日(土)に行われる。

 1993年生まれ、26歳の同選手は2013年に山梨学院大へ留学。同大学の5年ぶりの東日本学生リーグ戦優勝に貢献した。その後もリーグ戦で大きな戦力になるとともに、フリースタイルでは個人戦でも負け知らずの強さ。2016年全日本大学選手権では大会史上7人目の4連覇を達成した。

 2017年からブシロードへ所属。2018年にはカザフスタンのワールドカップ代表へ。昨年8月にはアジア大会(インドネシア)に出場した。今年は1月のカザフスタン選手権で優勝。4月のアジア選手権(中国)は7位に終わったが、5月のランキング大会「サッサリ国際大会」(イタリア)では銅メダルを獲得。地元開催で初の世界選手権出場を果たすことになった。

 ブシロードは新日本プロレスの親会社。新日本プロレス&ニッポン放送によるスポーツクラブ「athletic camp LION」から荒木田進謙も同級への出場が決まっている。昨年のアジア大会は両選手が1回戦で激突する“不運”だったが、今回は?

《ブシロード・ニュース》=ボルチン、荒木田、永田裕志監督のコメント


《お知らせ》台風による第6回東京都小中学生レスリング選手権大会の開催について

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 台風15号の接近に伴い、関東は8日(日)に雨や風が急に強まり、8日(日)の大会開催日に東京を直撃する可能性があるため、大会を中止にする可能性があります。

 ご承知おきください。

 大会中止の場合には一斉メールをお送りいたしますので、ご注意をお願いいたします。

【2019年世界選手権・展望(16)】ドイツの世界王者が抜け、東欧勢が争うか…男子グレコローマン72kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

昨年2位の雪辱を果たすか、バリント・コーパシ(ハンガリー)

 昨年優勝のフランク・スタエブラー(ドイツ)は、今年8月の「ドイツ・グランプリ」は67kg級に出場して優勝。このままオリンピック階級で闘う。同3位のラスル・チュナエフ(アゼルバイジャン)も階級を下げて出場する。同2位のバリント・コーパシ(ハンガリー=第2シード)、同3位で今年の欧州選手権3位のアイク・ムナツァカニアン(ブルガリア=第1シード)らが優勝を争うか。

 スタエブラーの代わりは欧州選手権8位の選手、チュナエフの代わりは新鋭選手で、よほどのことがない限り優勝争いは厳しいか。

 第3シードは、昨年5位、今年1月のロシア選手権と4月の欧州選手権優勝のアブヤジド・マンツィゴフ(ロシア)。優勝候補の一角を占めるだろう。

 アジアからは、今年のアジア選手権2位で第4シードとなっているザン・フジュン(中国)がどこまでやるか。今年のアジア選手権を制したイラン選手(モハマド・レザ・アブドルハミ・ゲラエイ(イランは出場せず、昨年の世界ジュニア・チャンピオンのアミン・ヤバー・カビヤニネヤドが出てくる。8月の「トビリシ国際大会」も制しており、上位進出の可能性もある。

 あえて非オリンピック階級にこだわり、上位進出を目指す井上智裕(FUJIOH)が優勝争いにからめるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Staebler, Frank(ドイツ)
2. Korpasi, Balint(ハンガリー)
3. Chunayev, Rasul(アゼルバイジャン)
〃 Mnatsakanian, Aik(ブルガリア)
5. Benaissa, Tarek Aziz(アルジェリア)
〃 Mantsigov, Abuyazid(ロシア)
7. de Brito Ramos Junior, Joilson(ブラジル)
8. Zhang, Hujun(中国)
1. Mnatsakanian, Aik(ブルガリア)
2. Korpasi, Balint(ハンガリー)
3. Mantsigov, Abuyazid(ロシア)
4. Zhang, Hujun(中国)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Geraei, Mohammad Reza Abdolhami(イラン)
2. Zhang, Hujun(中国)
3. Tsarev, Ruslan(キルギス)
4. Zhadrayev, Demeu(カザフスタン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Mantsigov, Abuyazid(ロシア)
2. Arslan, Cengiz(トルコ)
3. Etlinger, Dominik(クロアチア)
〃 Mnatsakanian, Aik(ブルガリア)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Perkins, RaVaughn Richard Ravelle(米国)
2. Moraes Pedrosa, Kenedy Anderson(ブラジル)
3. Barrios, Francisco Albano(アルゼンチン)
(実施せず)

【2019年世界選手権・展望(17)】元世界女王のペイ・シングル(裴星茹=中国)に稲垣柚香(愛知・至学館高)が挑む…女子59kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

世界一返り咲きを目指すペイ・シングル(裴星茹、中国)

 昨年の世界チャンピオンの川井梨紗子は57kg級へ。同2位のエリフ・ジェール・イエシリルマク(トルコ)も階級を上げた。ランキングの1~4位選手が階級を変えたか不出場の中、ランキング5位の稲垣柚香(愛知・至学館大)が第1シードとなった。今年1月に「ヤリギン国際大会」(ロシア)、4月にアジア選手権で優勝しており、シニアの世界でも十分に通じる実力を持つ。

 昨年3位のペイ・シングル(裴星茹、中国=2016年60kg級世界チャンピオン)は、今年のアジア選手権は62kg級に出て7位だったが、世界選手権はこの階級。第4シードとなっている。シード順は稲垣の方が上だが、過去の実績からして稲垣が挑む立場だろう。8月の世界ジュニア選手権で優勝して弾みをつけた稲垣が、その勢いで元世界チャンピオンを撃破して世界一に到達できるか。

 モンゴルからは、アジア選手権2位のバチェチェグ・アルタンチェチェグではなく、昨年3位のショーブドア・バーチャルジャブがエントリーし、第3シードに位置している。

 アジア勢が強い中、昨年9位で第2シードのリンダ・モライス(カナダ)がどこまでやるか。今年5月の「サッサリ国際大会」(イタリア)で優勝した実力を発揮できるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. 川井梨紗子(日本)
2. Yesilirmak, Elif Jale(トルコ)
3. Baatarjav, Shoovdor(モンゴル)
〃 Pei, Xingru(中国)
5. Lipatova, Svetlana(ロシア)
〃 Romero Bonilla, Alejandra(メキシコ)
7. Sarita(インド)
8. Essombe Taiko, Joseph Emilienne(カメルーン)
1. 稲垣柚香(日本)
2. Morais, Linda(カナダ)
3. Baatarjav, Shoovdor(モンゴル)
4. Pei, Xingru(裴星茹=中国)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. 稲垣柚香(日本)
2. Altantsetseg, Battsetseg(モンゴル)
3. Manju, Kumari(インド)
4. Zhang, Qi(中国)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Dudova, Bilyana Zhivkova(ブルガリア)
2. Lipatova, Svetlana(ロシア)
3. Gambarova, Elmira(アゼルバイジャン)
〃 Yesilirmak, Elif Jale(トルコ)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Beauregard, Laurence(カナダ)
2. Rivera Belliard, Andribeth(プエルトリコ)
3. Silva de Santana, Caroline(ブラジル)
4. Campbell, Kelsey Rene(米国)
(実施せず)

【2019年世界選手権・展望(18)】フランク・チャミゾ(イタリア)の3階級制覇なるか…男子フリースタイル74kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

3階級制覇を目指す第1シードのフランク・チャミゾ(イタリア)

 昨年優勝のザウルベク・シダコフ(ロシア)は、今年1月の「ヤリギン国際大会」(ロシア)と6月の欧州大会を制して実力をキープし、第3シードへ。同2位のアブタンディル・ケンチャーゼ(ジョージア)は、昨年のU23世界選手権を制し,今年の欧州選手権と欧州大会でともに3位の実力を見せて第4シードへ。欧州大会では優勝したシダコフに3-5で敗れた。

 昨年3位のジョーダン・バローズ(米国)は、今年、パンアメリカンの2大会(選手権・大会)を含めて国際大会を4大会連続で優勝する強さ。国内予選で1敗を喫しているが、地力は十分。第2シードとなっている。

 世界王者らを追い抜いて第1シードを獲得したのは、昨年はシダコフとバローズに敗れて5位だったフランク・チャミゾ(イタリア)。今年の欧州選手権を制するなどし、ランキング1位へ浮上した。バローズ、シダコフと別ブロックになるのは大きな強み。65、70kg級に続いての3階級制覇なるか。

 昨年のアジア大会優勝・世界3位のベクゾド・アブデュラクマノフ(ウズベキスタン)は、3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)は決勝でバローズに3-4で敗れて2位、8月の「メドベジ国際大会」(ベラルーシ)で優勝と実力を見せている。

 欧州選手権で2年連続2位のゼリムカン・カジエフ(フランス)は、ロシア・ダゲスタン生まれの選手(ただし、10歳で移住し、国際キャリアの最初からフランス国籍)。浮き沈みのある選手だが、欧州選手権では世界2位のケンチャーゼを破っており、あなどれない。

 2016年リオデジャネイロ・オリンピックと2017年世界選手権3位のソエナー・デミルタス(トルコ)は、今年の欧州大会2位と実力をキープ。昨年のアジア大会2位で今年のアジア選手権優勝のダニアール・カイサノフ(カザフスタン)とともに、優勝戦線に浮上してくる可能性はある。

 初出場の奥井眞生(自衛隊)が、どこまで上位に食い込めるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Sidakov, Zaurbek(ロシア)
2. Kentchadze, Avtandil(ジョージア)
3. Burroughs, Jordan Ernest(米国)
〃 Abdurakhmanov, Bekzod(ウズベキスタン)
5. Demirtas, Soener(トルコ)
〃 Chamizo Marquez, Frank(イタリア)
7. Sakaev, Bolat(カザフスタン)
8. Abakarov, Abubakr(アゼルバイジャン)
1. Chamizo Marquez, Frank(イタリア)
2. Burroughs, Jordan Ernest(米国)
3. Sidakov, Zaurbek(ロシア)
4. Kentchadze, Avtandil (ジョージア)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Abdurakhmanov, Bekzod(ウズベキスタン)
2. Kaisanov, Daniar(カザフスタン)
3. Gong, Byung-Min(韓国)
藤波勇飛(日本)
1. Kaisanov, Daniar(カザフスタン)
2. Kumar, Amit Dhankar(インド)
3. Batsuuri, Otgonbayar(モンゴル)
4. Nokhodilarimi, Mohammad Ashghar(イラン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Chamizo Marquez, Frank(イタリア)
2. Khadjiev, Zelimkhan(フランス)
3. Kentchadze, Avtandil(ジョージア)
〃 Bizhoev, Timur(ロシア)
1. Sidakov, Zaurbek(ロシア)
2. Demirtas, Soener(トルコ)
3. Kentchadze, Avtandil(ジョージア)
〃 Gadzhiev, Khadzimurad(アゼルバイジャン)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Burroughs, Jordan Ernest(米国)
2. Balfour, Jevon(カナダ)
3. Rodriguezromero, Julio Rafael(ドミニカ)
〃 Gomez Matos, Franklin(プエルトリコ)
1. Burroughs, Jordan Ernest(米国)
2. Gomez Matos, Franklin(プエルトリコ)
3. Garzon Caballero, Geandry(キューバ)
〃 Balfour, Jevon(カナダ)

【特集】東京オリンピック出場枠獲得にかける(16)…男子フリースタイル125kg級・荒木田進謙(athletic camp LION)

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(文=布施鋼治)

荒木田進謙(athletic camp LION)

 「実は7月12日に石川県で行なった練習試合で左のハムストリングスの肉離れを起こしました。ちょっと前までは世界選手権出場も危ないんじゃないかと思っていました」

 8月下旬、男子フリースタイルの公開練習。125㎏級の荒木田進謙(athletic camp LION)はショッキングな事実を明かした。「でも、毎日リハビリと(左足に負担のかからない)ウエートトレーニングを続け、なんとか7~8割まで戻ってきた。大会までには10割に戻せるように努力しています」

 荒木田にとっては4年ぶりの世界選手権となるが、前回(ラスベガス)は忘れたくても忘れられない大会となった。「あと1勝でオリンピックの出場権を得ることができたけど、モンゴルの選手に負けてしまった。僕は根に持つタイプ。あの時は、もっと練習すれば良かったと思いました。そういう(甘い)姿勢が最後に出たんじゃないですかね。あの時の悔しさを忘れず絶対に勝つという気持ちでマットに上がりたい」

あと1勝の壁が破れなかった2015年世界選手権=撮影:矢吹建夫

 気がつけば、今回フリースタイルの代表チームの中では最年長という立場になった。荒木田は「世界を見渡しても、ベテランの部類に入ると思う」と付け加える。「自分の階級を見ても、知っている人たちはどんどんやめている。裏を返せば、僕にはそれだけの経験がある。その経験を今大会でも活かしたい」

 得意なスタイルはスタミナ勝負のレスリング。今回、荒木田は「最初から最後まで攻めたい」と公約した。「最初は逃げて最後に攻めようとすると、(点数差が開いていたら)追いつくのはちょっと厳しい。だったら最初から攻めた方がいい」

 今年4月のアジア選手権は、悪い例を具現化したような一戦だった(タジキスタン代表に初戦で敗退)。「あの時は自分が勝っている状態で逃げてしまった。最後まで攻め続けていれば、相手にスキを見せずに終わるんじゃないかと思う」

目標は世界のトップ4、「後ろは向かない」

 昨年優勝のゲノ・ペトリアシビリ(ジョージア)とは、まだ練習でも肌を合わせたことがない。「組み合うのが上手な選手。下がってしまったら足に手が引っかかってしまう。フリースタイルの選手は基本的に差されるのが苦手。差しまくって前に出たい」

プレーオフに勝ち、満面の笑みを浮かべた荒木田進謙

 同2位のデン・ジウェイ(中国)とは過去に闘った記憶がある。「すごく力が強い。ただ、その一方でスタミナはない。最初から前に出て、取られなければ勝機はあると思う」

 他にマークするのは、前回3位のニコラエス・グウィアズドウスキ(米国)や2016年リオデジャネイロ・オリンピック優勝のタハ・アクグエル(トルコ)。荒木田の目標は銅メダルを獲得して東京オリンピックの出場切符を勝ち取ること。そのためには前述した4名のうち、最低でも1人には勝たないといけない。「ここまで来たら、後ろを向くわけにはいかない。やれることをしっかりやって結果を残します」

 年齢を考えれば、ラストチャンス。決戦の日までに肉離れは完治しているか。


2019年世界選手権=東京オリンピック第1次予選(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)
男子フリースタイル125kg級代表・荒木田進謙(athketic camp LION)
 1988年3月26日生まれ、31歳。青森県出身。青森・光星学院高~専大出。180cm。高校時代の2004・05年に2年連続で高校三冠王を獲得するとともに、2年連続で全日本選手権2位。専大に進み、1年生で全日本学生選手権、全日本大学選手権、国体で優勝。その後も国内の第一人者を続け、2010年アジア大会3位、2015年世界選手権8位と躍進したが、オリンピックの出場はならなかった。2017年に現役復帰し、2018年はアジア大会へ出場した。
略歴(詳細) JWFデータベース UWWデータベース 国際大会成績
男子フリースタイル125kg級・展望 / 5位以内がオリンピック出場枠獲得、3位以内は協会規定により日本代表に内定

【2019年世界選手権・展望(19)】台風の目となるか、72kg級王者のフランク・スタエブラー(ドイツ)…男子グレコローマン67kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

オリンピック階級での世界一を目指すフランク・スタエブラー(ドイツ)

 昨年の欧州&世界王者でランキング1位のアルテム・スルコフ(ロシア)が、今年の欧州大会優勝のザウール・カバロエフとの代表争いに勝ってエントリー。第1シードであり、優勝候補と言えよう。ただ、70kg級世界王者のフランク・スタエブラー(ドイツ)が8月初めの「ドイツ・グランプリ」でこの階級に出場し、決勝でスルコフを破って優勝している。体重調整さえうまくいけば、この階級での優勝もありうる。

 2017年世界選手権66kg級優勝のリュ・ハンス(柳漢壽=韓国)は、2月の「ハンガリー・グランプリ」と4月のアジア選手権で優勝、6月の「サッサリ国際大会」(イタリア)3位、7月の「オレグ・カラワエフ国際大会」(ベラルーシ)2位と、ランキング大会でコンスタントに好成績を残し、ランキング2位となって第2シードへ。この階級での世界一なるか。

 「オレグ・カラワエフ国際大会」でリュ・ハンスを破って優勝したのが、昨年のU23世界選手権優勝のモハメド・イブラヒム・エルサイェド(エジプト)。2015~18年にジュニアで、16・18・19年にシニアでアフリカ選手権を制している21歳。8月下旬のアフリカ大会も制した。アフリカ期待の星となれるか。

 昨年2位のダボール・ステファネク(セルビア)は、世界選手権のあと試合をこなしていない。同国からはマテ・ネメスがこの階級の国際大会に出ており、欧州大会は3位。世代交代し、一気に飛躍する可能性もあろう。

 2016年リオデジャネイロ・オリンピック59kg級優勝のイスマエル・ボレロ・モリーナ(キューバ)は、この階級での初の世界選手権となった昨年はメイルザン・シェルマカンベト(カザフスタン)に敗れて16位だったが、今年のパンアメリカ選手権で2年連続優勝を成し遂げる強さを見せた。階級アップに慣れ、上位進出の可能性は十分。

 ボレロを破ったシェルマカンベトは昨年3位で、今年のアジア選手権2位の実力者。2018年アジア選手権優勝のアルマト・ケビスパエフを退けてこの階級にエントリーし、第4シードから優勝を目指す・

 2017年U23世界選手権66kg級優勝で今年の欧州大会2位のシュマギ・ボルクバーゼ(ジョージア)、昨年3位で今年の欧州選手権2位のゲボルグ・シャハキャン(ポーランド=元アルメニア)、欧州選手権優勝のアタカン・ユエクセル(トルコ)、アジア選手権3位の高橋昭五(警視庁)らが優勝争いに加われるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Surkov, Artem(ロシア)
2. Stefanek, Davor(セルビア)
3. Sahakyan, Gevorg(ポーランド)
〃 Shermakhanbet, Meirzhan(カザフスタン)
5. Janecic, Danijel(クロアチア)
〃 Sylla, Mamadassa(フランス)
7. Bjerrehuus, Fredrik Holmquist(デンマーク)
8. Geraei, Mohammad Reza Abdolhami(イラン)
1. Surkov, Artem(ロシア)
2. Ryu, Han-Soo(柳漢壽=韓国)
3. Sahakyan, Gevorg(ポーランド)
4. Shermakhanbet, Meirzhan(カザフスタン)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Ryu, Han-Soo(柳漢壽=韓国)
2. Kebispayev, Almat(カザフスタン)
3. Ismailov, Amantur(キルギス)
〃 Geraei, Mohammad Reza Abdolhami(イラン)
1. Ryu, Han-Soo(柳漢壽=韓国)
2. Shermakhanbet, Meirzhan(カザフスタン)
3. Zhang, Gaoquan(中国)
高橋昭五(日本)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Yueksel, Atakan(トルコ)
2. Sahakyan, Gevorg(ポーランド)
3. Surkov, Artem(ロシア)
〃 Aslanyan, Karen(アルメニア)
1. Kabaloev, Zaur(ロシア)
2. Bolkvadze, Shmagi(ジョージア)
3. Daurov, Soslan(ベラルーシ)
〃 Nemes, Mate(セルビア)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Borrero Molina, Ismael(キューバ)
2. Coleman, Ellis E.(米国)
3. de Brito Ramos Junior, Joilson(ブラジル)
〃 Villegas Requena, Shalom Adonais(ベネズエラ)
1. Borrero Molina, Ismael(キューバ)
2. Villegas Requena, Shalom Adonais(ベネズエラ)
3. Lopez Salcedo, Manuel Alejandro(メキシコ)
〃 Coleman, Ellis E.(米国)

【2019年世界選手権・展望(20)】2人の世界チャンピオンが競合、初戦激突の可能性も…女子57kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

今年は白星街道を突っ走っているロン・ニンニン(栄寧寧=中国)

 昨年の世界チャンピオン2人が競合する階級。57kg級世界チャンピオンのロン・ニンニン(栄寧寧=中国)は、2月の「クリッパン女子国際大会」(スウェーデン)、3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)、4月のアジア選手権と優勝を重ね、UWWランキングは1位。59kg級世界チャンピオンで階級を下げた川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)はノーシードなので、初戦激突もありうる。

 昨年2位でランキング3位のビリャナ・ジフコワ・デュドバ(ブルガリア)は、今年4月の欧州選手権は59kg級で優勝と力を見せているが、体調不良が伝えられており、エントリーしなかった。欧州大会2位のミミ・フリストバ(ブルガリア)が優勝争いに加わるか。

 昨年5位でランキング2位のブレン・グレース・ジェイコブ(ノルウェー)が第2シードだが、今年の欧州選手権7位、欧州大会5位。栄寧寧との差はありそう。ただ、昨年のU23世界選手権59kg級決勝では栄寧寧を破って優勝しているので、あなどれない存在。

 53kg級時代から5年連続でアフリカ・チャンピオンとなっているオヅナヨ・アデクオロイ(ナイジェリア)は、2月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)では栄寧寧に4-6の惜敗。7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)で優勝する実力者で、第3シードへ。8月下旬のアフリカ大会でも優勝し、勢いを持っている。

 欧州選手権優勝で第4シードとなったエメセ・バルカ(ハンガリー)は、8月の「ポーランド女子オープン」で優勝している。欧州大会優勝のイリナ・クラチキナ(ベラルーシ)とともに、手強い存在となりそう。

 4月のアジア選手権で伊調馨を破って2位となったヨン・ミョンスク(北朝鮮)はエントリーせず、昨年8位のヨン・インスンが名を連ねている。今年は上位進出なるか。

 2017年58kg級世界チャンピオンのヘレン・マルーリス(米国)は負傷の回復が間に合わずに今年の参加は見送った。代わって米国代表となったジェンナ・バーカートは、今月のパンアメリカン大会2位で、過去の実績も今ひとつ。パンアメリカン選手権・大会を連覇したリセット・アンテス・カスティーヨ(エクアドル)が、世界の舞台でどこまでやるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Rong, Ningning(栄寧寧=中国)
2. Dudova, Bilyana Zhivkova(ブルガリア)
3. Dhanda, Pooja(インド)
〃 Barka, Emese(ハンガリー)
5. Bullen, Grace Jacob(ノルウェー)
〃 Zhydachevska, Katerina(ルーマニア)
7. Um, Ji-Eun(韓国)
8. Jong, Insum(北朝鮮)
1. Rong, Ningning(栄寧寧=中国)
2. Bullen, Grace Jacob(ノルウェー)
3. Adekuoroye, Odunayo Folasade(ナイジェリア)
4. Barka, Emese(ハンガリー)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Jong, Myong-Suk(北朝鮮)
2. Pei, Xingru(中国)
3. Altantsetseg, Battsetseg(モンゴル)
坂上嘉津季(日本)
1. Rong, Ningning(栄寧寧=中国)
2. Jong, Myong-Suk(北朝鮮)
3. 伊調馨(日本)
〃 Sukhee, Tserenchimed(モンゴル)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Barka, Emese(ハンガリー)
2. Kit, Tatyana(ウクライナ)
3. Nichita, Anastasia(モルドバ)
〃 Kolesnik, Alyona(アゼルバイジャン)
1. Kurachkina, Irina(ベラルーシ)
2. Hristova, Mimi(ブルガリア)
3. Kolesnik, Alyona(アゼルバイジャン)
〃 Nichita, Anastasia(モルドバ)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Antes Castillo, Lissette Alexandra(エクアドル)
2. Taylor, Hannah Fay(カナダ)
3. Sarco Colmenarez, Betsabeth Rebecca(ベネズエラ)
〃 Winchester, Jaccara Gwenisha(米国)
1. Antes Castillo, Lissette Alexandra(エクアドル)
2. Burkert, Jenna(米国)
3. Rodrigues Penalber de Oliveira, Giullia(ブラジル)
〃 Rodriguez Tirado, Nesmaria(プエルトリコ)

【2019年世界選手権・展望(21)】元ロシアのアダム・バティロフ(バーレーン)が抜け出すか…男子フリースタイル70kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

バーレーンに世界一をもたらすことができるか、元ロシアのアダム・バティロフ

 昨年優勝のマゴメドラスル・ガジマゴメドフ(ロシア)は、1月のヤリギン国際大会(ロシア)で優勝し、欧州選手権3位でランキング1位。しかし、同選手権のあとオリンピック階級の74kg級にアップした(ロシア選手権3位)。この階級のロシア代表で出てくるのは、昨年のU23世界選手権優勝のダビッド・バエフ。若さを武器に、ガジマゴメドフの後を継げるか。

 昨年2位のアダム・バティロフ(バーレーン=元ロシア)は、今年のアジア選手権は74kg級へ出場した。オリンピック階級での出場が予想されたが、この階級にエントリーし、第1シード権を獲得。世界一になって正式に階級アップか。第2シードは今年4月のアジア選手権優勝のヌルコジャ・カイパノフ(カザフスタン)。5月の「サッサリ国際大会」(イタリア)で優勝、8月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)2位と好調。場合によってはアジア同士の決勝が実現か。

 アジア選手権3位で第3シードのヨウネス・アリアクバー・エマミチョグエイ(イラン)、昨年8位で第4シードのデビド・サファリャン(アルメニア)らが優勝戦線にからむか。

 欧州選手権でガジマゴメドフを破って2位となったのは、アガフエセイン・ムスタファエフ(アゼルバイジャン)。さほど実績のない30歳だが、国際キャリアは長い選手。殊勲なるか。同決勝でムスタファエフを破ったムスタファ・カヤ(トルコ)は、長く65kg級でやっていた選手。2017年世界選手権は同級5位だった。この階級でも世界の上位に行けるか。

 2017年世界2位のジェームズ・グリーン(米国)は、昨年13位など、その後の成績は今ひとつ。復活なるか。

 志賀晃次郎(拓大)は、3月のワールドカップで世界3位のフランクリン・マレン・カスティーヨ(キューバ)を破り、上位に食い込める実力を見せた。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Gazimagomedov, Magomedrasul(ロシア)
2. Batirov, Adam(バーレーン)
3. Maren Castillo, Franklin(キューバ)
〃 Iakobishvili, Zurabi(ジョージア)
5. Kviatkovski, Andrey(ウクライナ)
〃 Bat-Erdene, Byambadorj(モンゴル)
7. Navruzov, Ikhtiyor(ウズベキスタン)
8. Safaryan, Devid(アルメニア)
1. Batirov, Adam(バーレーン)
2. Kaipanov, Nurkozha(カザフスタン)
3. Emamichoughuei, Younes Aliakbar(イラン)
4. Safaryan, Devid(アルメニア)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Kaipanov, Nurkozha(カザフスタン)
2. 志賀晃次郎(日本)
3. Yuan, Shaohua(中国)
〃 Emamichoughuei, Younes Aliakbar(イラン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Kaya, Mustafa(トルコ)
2. Mustafaev, Agahueseyin(アゼルバイジャン)
3. Gadzhiev, Magomedmurad(ポーランド)
〃 Gazimagomedov, Magomedrasul(ロシア)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Ashnault, Anthony James(米国)
2. Rowe, Nicholas David(カナダ)
3. Taipe Duanama, Mitchel Edson(ペルー)
4. de lima Viana De Souza, Hugo Leonardo(ブラジル)
(実施せず)

東京オリンピックへ向けてのランキング&シード・システム決まる

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 世界レスリング連盟(UWW)は9月6日、2020年のランキングのシステム、東京オリンピックのシード・システム、2021~23年のランキング大会の日程を決め、公式ウェブ・サイトで発表した。

 来年のランキング大会は1月末と6月初めに実施し、3スタイル同時開催。他に、2019年世界選手権、2020年大陸選手権もランキングにからみ、オリンピック予選も上位2選手(出場枠獲得選手)にランキングのポイントが授与される。ポイントの多寡によって来年の東京オリンピックのシード選手が決まるが、各大会のポイント数は発表されていない。

 シード選手になるためには、最低2大会に出場していることが条件となっている。今年の世界選手権の場合、男子フリースタイル65kg級に出場する乙黒拓斗(山梨学院大)は昨年の世界選手権以外にランキング大会には出場しておらず、世界選手権の獲得ポイントのみで第2シードとなったが、東京オリンピックでは、こうしたケースではポイントが高くてもシード権を取れないことになる。

 2021~23年はランキング大会を年間4大会、3スタイル開催で実施することとした。地域性を考慮して、欧州2大会、アジア1大会、パンアメリカン1大会を実施するという。

2019年世界選手権/動画による日本代表選手紹介&テレビ中継のお知らせ

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男子グレコローマン・日本代表選手(9月14~17日)

女子・日本代表選手(9月17~20日)

男子フリースタイル・日本代表選手(9月19~22日)

【2019年世界選手権・展望(22)】ステパン・マリャニャン(ロシア)が2連覇を目指す…男子グレコローマン63kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

今年も63kg級で世界一を目指すステパン・マリャニャン(ロシア)

 昨年優勝で世界王者のステパン・マリャニャン(ロシア)が、今年も「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)と欧州選手権で優勝するなど強さを見せている。6月の欧州大会は60kg級に出場して優勝。このままオリンピック階級で闘うことも予想されたが、63kg級にエントリーしてきた。第1シードとして、優勝候補の本命と言えよう。

 第2シードは、昨年5位のツオ・エルバツ(中国)。今年4月のアジア選手権で優勝したものの、2月の「ハンガリー・グランプリ」で太田忍に0-6で敗れるなど、圧倒的な強さは感じられない。それでも、8月の「ピトラシンスキ国際大会」(ポーランド)60kg級で優勝するなど、優勝戦線にからむ可能性はあるだろう。

 昨年2位でランキング3位のエルムラト・タスムラドフ(ウズベキスタン)は、4月のアジア選手権は2位。7月の「オレグ・カラワエフ国際大会」(ベラルーシ)は67kg級に出場したが、今大会は一転して60kg級へエントリーした。

 タスムラドフ不在によって、ランキング4位の太田忍(ALSOK)が第3シードへ。第1シードのステパン・マリャニャンには3月に敗れているので、決勝でリベンジしての優勝が目標となる。

 昨年3位のラフマン・ビリチ(トルコ)は、今年の欧州選手権10位と安定感は今ひとつ。昨年8位で第4シードのスラビク・ガルスチャン(アルメニア)がどこまで上位に食い込めるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Maryanyan, Stepan(ロシア)
2. Tasmuradov, Elmurat(ウズベキスタン)
3. Bilici, Rahman(トルコ)
〃 Temirov, Lenur(ウクライナ)
5. Mohamed, Hassan Hassan Ahmed(エジプト)
〃 Tuo, Erbatu(中国)
7. Vancza, Krisztian Istvan(ハンガリー)
8. Galstyan, Slavik(アルメニア)
1. Maryanyan, Stepan(ロシア)
2. Tuo, Erbatu(中国)
3. 太田忍(日本)
4. Galstyan, Slavik(アルメニア)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Tuo, Erbatu(中国)
2. Tasmuradov, Elmurat(ウズベキスタン)
3. Jung, Jinwoong(韓国)
4. Abdouvali, Saman Morad(イラン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Maryanyan, Stepan(ロシア)
2. Berge, Stig Andre(ノルウェー)
3. Kavjaradze, Levani(ジョージア)
〃 Mammadov, Taleh(アゼルバイジャン)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Montano Arroyo, Andres Roberto(エクアドル)
2. Mango, Ryan Robert(米国)
3. Davila Cabello, Jose Alberto(ペルー)
4. Vicente Silverio Junior, Mauri(ブラジル)
(実施せず)

【2019年世界選手権・展望(23)】昨年2位のザリナ・シダコワ(ベラルーシ)が第1シード…女子55kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

昨年2位の雪辱を果たせるか、ザリナ・シダコワ(ベラルーシ)

 昨年2位で第1シードはザリナ・シダコワ(ベラルーシ)のはずだが、エントリーから名前が消えている。今年の欧州選手権は5位で、他の国際大会でも目立った成績は残していないので、大きな影響はないだろう。

 今年のアジア選手権3位で第2シードのマリナ・セドネワ(カザフスタン)、昨年3位で第3シードのベディハ・グエン(トルコ)、昨年5位で第4シードのジャッカラ・ウィンチェスター(米国)らが優勝戦線にからむか。

 昨年の53kg級世界チャンピオン(奥野春菜)を破って日本代表となった入江ななみ(福井県スポーツ協会)も、優勝争いにからむ可能性は十分。

 欧州選手権優勝のイリナ・フシャク(ウクライナ)も、今月の「ポーランド女子オープン」などでは53kg級で闘っていたが、結局この階級にエントリー。上位進出なるか。アジア選手権優勝のシエ・メンギュ(中国)もこの階級にエントリー。あなどれない存在となろう。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. 向田真優(日本)
2. Sidakova, Zalina(ベラルーシ)
3. Jong, Myong-Suk(北朝鮮)
Montero Herrera, Lienna de la Caridad(キューバ)
5. Winchester, Jaccara Gwenisha(米国)
〃 Zhang, Qi(中国)
7. Mattsson, Sofia SWE
8. Ologonova, Irina(ロシア)
1. Sidakova, Zalina(ベラルーシ)
2. Sedneva, Marina(カザフスタン)
3. Guen, Bediha(トルコ)
4. Winchester, Jaccara Gwenisha(米国)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Xie, Mengyu(中国)
2. 五十嵐沙希(日本)
3. Sedneva, Marina(カザフスタン)
4. Bolormaa, Dulguun(モンゴル)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Husyak, Irina(ウクライナ)
2. Nikolova, Evelina(ブルガリア)
3. Guen, Bediha(トルコ)
〃 Ana, Andreea Beatrice(ルーマニア)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Hedrick, Alexandra Wray(米国)
2. Davis, Jayd Alexandria(カナダ)
3. Azerrad Parodi, Elis Nerina(アルゼンチン)
(実施せず)
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