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【2019年世界選手権・展望(24)】インドから9年ぶりの世界王者を目指すプニア・バジラン…男子フリースタイル65kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

インドから9年ぶりの世界王者を目指すプニア・バジラン

 昨年2位のプニア・バジラン(インド)は、3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)、4月のアジア選手権、5月の「アリ・アリエフ国際大会」(ロシア)、8月の「トビリシ国際大会」(ジョージア)と優勝を重ねた。ランキングは世界王者の乙黒拓斗を追い越して1位となり、第1シードへ。勢いがある。唯一、5月の「Beat the Streets」(米国)で全米学生王者(アンニ・ディアコミハリス)敗れている。

 第2シードとなった乙黒拓斗(山梨学院大)は、負傷もあって、昨年の世界選手権以来の国際大会となる。昨年、ノーシードから勝ち上がった勝負強さで連覇なるか。

 昨年3位のアフメド・チャカエフ(ロシア)は、1月の「ヤリギン国際大会」(ロシア)優勝のあと、6月の欧州大会は3位へ。ロシア選手権には出場せず、同級のロシア代表は2年連続で61kg級世界2位のガジムラド・ラシドフ。65kg級の国際大会は「ヤリギン国際大会」3位があるだけだが、一気に栄冠を勝ち取るか。

 欧州大会でチャカエフを破ったのは、2016年リオデジャネイロ・オリンピック57kg級優勝のウラジーミル・キンチェガシビリ(ジョージア)。4月の欧州選手権は9位など、まだ安定しているとは言いがたいが、3年をかけて2階級アップをこなしつつある。

 そのキンチェガシビリを破って優勝したのが、2014・15・17年61kg級世界王者のハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)。2018年の欧州選手権、2018年の欧州選手権・大会を連覇。こちらは完全に階級アップをこなしており、優勝候補の一人と言えよう。

 昨年3位のアレヤンドロ・エンリケ・バルデス・トビエル(キューバ)は、今年8月のパンアメリカン大会で優勝。実力をキープしている。欧州選手権2位で第3シードのセラハティン・キリチャラヤン(トルコ)、アジア選手権2位で第4シードのサヤトペク・オカソフ(カザフスタン)より、ノーシードのラシドフ、キンチェガシビリ、アリエフの方が手ごわそうな状況だ。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. 乙黒拓斗(日本)
2. Punia, Bajrang(インド)
3. Valdes Tobier, Alejandro Enrique(キューバ)
〃 Chakaev, Akhmed(ロシア)
5. Lee, Seung-Chul(韓国)
〃 Bucur,(ジョージア)rge(ルーマニア)
7. Tumur-Ochir, Tulga(モンゴル)
8. Perpelita, Andrei(モルドバ)
1. Punia, Bajrang(インド)
2. 乙黒拓斗(日本)
3. Kilicsallayan, Selahattin(トルコ)
4. Okassov, Sayatpek(カザフスタン)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Punia, Bajrang(インド)
2. 高谷大地(日本)
3. Khasanov, Sirodiddin(ウズベキスタン)
〃 Okassov, Sayatpek(カザフスタン)
1. Punia, Bajrang(インド)
2. Okassov, Sayatpek(カザフスタン)
3. Kim, Han-Song(北朝鮮)
4. Byabani, Pejman Bioukagha(イラン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Aliev, Haji(アゼルバイジャン)
2. Kilicsallayan, Selahattin(トルコ)
3. Kuular, Nachyin(ロシア)
〃 Shuptar, Vasyl(ウクライナ)
1. Aliev, Haji(アゼルバイジャン)
2. Khinchegashvili, Vladimir(ジョージア)
3. Chakaev, Akhmed(ロシア)
〃 Oganesyan, Gor(ウクライナ)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. McCrystal, Colton James(米国)
2. Solenzal Lopez, Cristian Damian(キューバ)
3. Destribats, Agustin Alejandro(アルゼンチン)
〃 Sanchez Saltos, Mauricio Javier(エクアドル)
1. Valdes Tobier, Alejandro Enrique(キューバ)
2. Rudesindo Camacho, Alvaro(ドミニカ)
3. Sanchez Salto, Mauricio Javier(エクアドル)
〃 Eierman, Jaydin Selsor(米国)

男子フリースタイルの全日本チームが直前合宿をスタート

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直前合宿をスタートした男子フリースタイル・チーム

 世界選手権(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)の代表選手を含む男子フリースタイルの全日本チームが9月9日、東京・味の素トレーニングセンターで直前合宿をスタートした。全日本学生連盟の合宿も同時に行われた。

 井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「けが人が一人出て7~8割の出来だが、全体としていい調子できている」と代表決定からここまでを振り返る。この合宿では、まだ追い込むか、体重調整に入るかなどは、選手個人に任せるとのこと。生きのいい強豪大学選手も参加しているので、「まだ追い込む練習をやる選手もいると思うと言う。

 エントリーが発表され、「ほぼ予想通り」と言う。「オリンピックの前年はいつも以上の選手が出てくる。国籍変更の選手がいるのも、いつものこと。実力ある選手を破らない限り、オリンピックのチケットは手に入らない」ときっぱり。勝ち抜くためには、「自信をもって自分のレスリングを一戦一戦やりきること」と話した。

学生の強豪選手との合同合宿

 男子フリースタイル65kg級で2年連続優勝を目指す乙黒拓斗(山梨学院大)は「試合まで、まだ10日あります。今できることを確認して、集中してやっていけば、いい結果が出てくると思います」と、現段階では“大会直前”という意識はなし。「まだ追い込む時期。もう少し、しっかり追いこんで、調整に向けていい状態をつくりたい」と話した。

 初出場の昨年は、まったくのチャレンジャーだったのに対し、今回はデフェンディング・チャンピオンとしての参加。この立場と気持ちの違いを問われると、「(今回も)チャレンジャーです。変わりないです。やることはいつも同じですから、特に何とも思っていないです」と、サラリ受け流した。

 この階級には、リオデジャネイロ・オリンピック57kg級チャンピオンのウラジーミル・キンチェガシビリ(ジョージア)ら下の階級から上がってきた選手が、2年、3年をかけて65kg級で通じる実力を身につけており、昨年まで以上に厳しい闘いが予想される。それでも「どの選手も強いと思います。気を引き締めてやるだけです」と話し、最後の合宿に臨んだ。

 チームは15日朝に羽田空港発の日本航空で出発する。


▲乙黒拓斗(山梨学院大)と山口海輝(日体大)とのスパーリングを、井上謙二委員長が見つめる

▲86kg級では初の世界選手権出場になる髙谷惣亮(ALSOK)

▲男子高校生として30年ぶりに世界に挑む髙橋夢大(京都・網野高)

【特集】東京オリンピック出場枠獲得にかける(17)…男子フリースタイル74kg級・奥井眞生 (自衛隊)

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(文=保高幸子)

奥井眞生 (自衛隊)

 2016年大会以来、3年ぶりに全日本選抜選手権を制した奥井眞生 (自衛隊)が、プレーオフも勝ち、フリースタイル74kg級の世界選手権代表となった。「次にいつ、こんなチャンスがくるか分からない。世界選手権でメダルを取って自分のオリンピック出場枠にしたい」と意気込む。

 奥井が代表の座を射止めると予想していた人は少なかっただろう。この階級は2017年に70kg級で世界3位となった藤波勇飛 (ジャパンビバレッジ) の牙城。奥井はこの3年間、全日本レベルの大会は3位止まりで、昨年の全日本選抜選手権では表彰台すら逃していた。

 藤波との初対戦は2017年11月の大学選手権の準決勝。奥井は40秒でテクニカルフォール負けを喫した。「(藤波選手は)強すぎる、と思いました」と照れ笑い。12月の全日本選手権では保坂健 (自衛隊)に、翌18年6月の全日本選抜選手権では三輪優翔 (日体大)に、12月の全日本選手権では藤波に再び負けた。

 とことん落ち込んだ。なぜ勝てないのか分からなかった。後輩の前で「もう駄目なのかもしれないな」という言葉が口からぽろっと出てしまうほどだったという。「弱気を見せてしまって、『しっかりしてくださいよ』と、ふだんならありえない励ましを後輩から受けた」ことがきっかけで、東京オリンピックまでは、どんな結果になってもやると決めていた決意が蘇った。

昨年12月の全日本選手権では、いいところなく藤波勇飛(赤)に黒星=撮影・矢吹建夫

 なぜ勝てないのか-。自分の試合映像を見直すことから始めた。「負けた試合は見たくなかったけど、『向き合うしかない』と思って。コーチに客観的なアドバイスをもらうことで、はっきり分かってきました」。

 答は、すぐそばにあった。ずっと言われ続けていた「構え」を見直したこと。「構えをしっかり」とは、ずっと言われていたこと。奥井は恥ずかしそうに「よく分かっていなかったんです。今まで、ほんまに漠然とレスリングしていたんです」と(出身の)和歌山のなまりで本音を語った。今年に入ってからやっと勝ち方が分かってきたのだと言う。

どん底からはい上がった「構え」と「パワー」で世界に挑む

 6月の全日本選抜選手権準決勝で藤波にフォール勝ち。それでも、「藤波選手のコンディションは(けがで)よくないのは分かっていたので」と、3週間後のプレーオフへすぐに気持ちを切り替えた。迎えた7月6日。お互い全力で技術を出し合う死闘で、少しでもミスをした方が負ける、という大接戦。残り12秒で奥井がローリングを決めて4-4に追いついたと思ったが、相手のチャレンジで3-4に修正された。

プレーオフに勝って世界選手権出場を決め、応援席にガッツポーズ=撮影・矢吹建夫

 奥井がセコンドに顔を向けると、コーチが興奮しきっていた。「そんなコーチたちの姿を見て驚きました」。それほどの試合なんだ、と逆に冷静になることができ、残り時間、すべてを使って攻めた。片足タックルから隙を見せない動きでバックを取り、残り1秒でローリングを返した。

 誰もが奥井の変化に驚いただろう。ふだんは差しとがぶりで闘うタイプの奥井から出た片足タックル。残り10秒でビハインドの状況を設定して行っていた練習が功を奏した。また、これまで焦って無理やりに入って返されることも多く、コーチからも「8割がた取れるという自信のある時だけ入る」よう指導を受けていた。構えなど基本を見直してから視野が広くなり、奥井には「今だ、というタイミングが分かるようにもなった」と試合運びに変化が出た。

 世界選手権での74kg級は、現世界王者ザウルベク・シダコフ(ロシア)、2012年ロンドン・オリンピック金メダルのジョーダン・バローズ(米国)、世界ランク1位のフランク・チャミゾ(イタリア)らスター選手が揃う。奥井の強みは大きな筋肉。自分でも「力は差がないと思う」と自信を見せる。

 特に広背筋が強く、引く力には自信がある。武器のローリングもかかるイメージができている。楽観視はしていないが、「臆していたら、せっかくつかんだこのチャンスが無駄になる。緊張とわくわく半々です」と、チャレンジャー精神で臨む。

 負けたことで自身を見直し、勝つべきところで勝った奥井。どん底からはい上がったパワーで、できることをすべて注いで出場枠を取りに行く。


2019年世界選手権=東京オリンピック第1次予選(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)
男子フリースタイル74kg級代表・奥井眞生(自衛隊)
 1995年9月8日生まれ、24歳。和歌山県出身。和歌山・和歌山工高~国士舘大卒。熊野路ジュニア時代の2010年に全国中学生選手権優勝。和歌山工高時代は2012年インターハイ優勝のほか、国体グレコローマンで3連覇。国士舘大では2014年に1年生で両スタイルの全日本学生選手権を制した。2016年に全日本選抜選手権で優勝。その後、2018年世界大学選手権2位などの成績を残し、2019年の全日本選抜選手権とプレーオフを制して世界選手権へ。
略歴(詳細) JWFデータベース UWWデータベース 国際大会成績
男子フリースタイル74kg級・展望 / 5位以内がオリンピック出場枠獲得、3位以内は協会規定により日本代表に内定

【2019年世界選手権・展望(25)】世界王者セルゲイ・エメリン(ロシア)の連覇なるか…男子グレコローマン60kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

欧州選手権でつまずいたが、世界V2を目指すセルゲイ・エメリン(ロシア)

 昨年の欧州&世界チャンピオンでランキング1位のセルゲイ・エメリン(ロシア)が、今年の欧州選手権は2位に終わった。それでもロシア代表としてエントリーし、第1シードで連覇を目指す。

 欧州選手権決勝でエメリンに勝ったのは世界2位のビクトル・シオバヌ(モルドバ)。ずばぬけた成績を残している選手ではなく、6月の欧州大会は階級を下げてきた63kg級世界王者のステパン・マリャニャン(ロシア)にテクニカルフォール負けしての3位だった。第3シードの選手。

 第2シードは2017年59kg級3位のキム・スンハク(韓国)。昨年は初戦でアンドレス・モンタノ・アローヨ(エクアドル)に不覚を喫したが、今年は2月の「ハンガリー・グランプリ」、5月の「サッサリ国際大会」(イタリア)、7月の「オレグ・カラワエフ国際大会」(ベラルーシ)の3つのランキング大会で優勝と好調だ。アローヨは今年のパンアメリカン大会優勝と勢いを持つ。

 ウズベキスタンからは、アジア選手権優勝の選手ではなく、昨年63kg級2位のエルムラト・タスムラドフがエントリーしてきた。2016年リオデジャネイロ・オリンピック59kg級(3位)の後は、63kg級か66・67kg級で闘っていただけに意外なエントリー。アジア王者を押しのけて出てくるだけの結果が見込まれよう。

 他にアジアから要注意すべき選手は、カザフスタン代表が予想される2017年世界選手権2位のメイラムベク・アイナグロフ。2017年の文田との世界一争いと、今年7月の「オレグ・カラワエフ国際大会」での太田と準決勝は、ともに1点差の惜敗だった。

 昨年3位のサイリケ・ワリハン(中国)は、今年のアジア選手権は5位と今ひとつの成績。昨年5位で今年のアジア選手権で文田健一郎を破ったリ・セウン(北朝鮮)とともに、どこまで上位に進めるか。

 欧州、アジア、パンアメリカンの強豪がひしめく中、文田健一郎(ミキハウス)が2年ぶりの世界一を奪取できるか。

※韓国選手は、これまで「キム・セオウンハク」としてきましたが、「キム・スンハク」とします。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Emelin, Sergey(ロシア)
2. Ciobanu, Victor(モルドバ)
3. Walihan, Sailike(中国)
〃 Sultangali, Aidos(カザフスタン)
5. Ri, Se-Ung(北朝鮮)
〃 Fris, Kristijan(セルビア)
7. Sulaimanov, Kaly(キルギス)
8. Kinsinger, Etienne(ドイツ)
1. Emelin, Sergey(ロシア)
2. Kim, Seunghak(韓国)
3. Ciobanu, Victor(モルドバ)
4. Lizatovic, Ivan(クロアチア)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. 太田忍(日本)
2. Zholchubekov, Kanybek(キルギス)
3. Ainagulov, Meirambek(カザフスタン)
〃 Mardani, Mehrdad Abdmohammad(イラン)
1. Bakhramov, Islomjon(ウズベキスタン)
2. Ri, Se-Ung(北朝鮮)
3. Gyanender(インド)
文田健一郎(日本)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Ciobanu, Victor(モルドバ)
2. Emelin, Sergey(ロシア)
3. Kamal, Kerimkazim(トルコ)
〃 Temirov, Lenur(ウクライナ)
1. Maryanyan, Stepan(ロシア)
2. Torba, Erik(ハンガリー)
3. Ciobanu, Victor(モルドバ)
〃 Chkhartishvili, Dato(ジョージア)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Orta Sanchez, Luis Alberto(キューバ)
2. Gurria Vigueros, Samuel(メキシコ)
3. Toro Castaneda, Dicther Hans(コロンビア)
〃 Palencia Puentes, Antony Javier(ベネズエラ)
1. Montano Arroyo, Andres Roberto(エクアドル)
2. Toro Castaneda, Dicther Hans(コロンビア)
3. Orta Sanchez, Luis Alberto(キューバ)
〃 Hafizov, Ildar(米国)

【2019年世界選手権・展望(26)】世界一に挑むパンアメリカン最強のサラ・ヒルデブラント(米国)女子53kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

パンアメリカン2大会を制し、世界一を視野に入れるサラ・ヒルデブラント(米国)

 昨年2位のサラ・ヒルデブラント(米国)は、今年1月の「ヤリギン国際大会」(ロシア)、4月のパンアメリカン選手権、8月のパンアメリカン大会で優勝と好調。3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)のみ3位に終わっている。第1シードとして世界一を目指す。

 その大会でヒルデブラントを破ったのが、2018年アジア大会50kg級優勝のフォガト・ビネシュ(インド)。アジア大会のあと階級を上げ(世界選手権は負傷欠場)、今年4月のアジア選手権3位、7月の「スペイン・グランプリ」と「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)で連続優勝を達成。この階級でも通じる実力を見せた。ただ、8月の「メドベジ国際大会」(ベラルーシ)は決勝でロシア選手に敗れている。

 昨年3位で第2シードのパン・キアンユ(龐倩玉=中国)は、今年のアジア選手権は5位で、ずば抜けた強さは感じられないが、「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」ではビネシュを破る実力を見せている。

 55kg級世界チャンピオンから階級を下げて日本代表となった向田真優(至学館大)は、アジア選手権でフォガト・ビネシュ、パン・キアンユを連破したものの、決勝はパク・ヨンミ(北朝鮮)に惜敗した。階級ダウンの壁を乗り越えたいところ。パク・ヨンミは、前年のアジア選手権では宮原優、アジア大会では奥野春菜を破ってそれぞれ優勝している“日本選手キラー”。昨年の世界選手権は不出場だった。今年は旋風が吹き荒れるか。

 欧州勢では、2016年リオデジャネイロ・オリンピック3位で、出産から復帰したソフィア・マットソン(スウェーデン)が欧州大会優勝の実力を見せたが、8月の「ポーランド女子オープン」ではビネシュに敗れて3位。2017年世界選手権決勝で向田真優を破って優勝したバネサ・カラジンスカヤ(ベラルーシ)は今年の欧州選手権は3位など、「優勝」には縁遠くなったが、巻き返しはあるか。

 欧州選手権優勝のスタルビラ・オルシュシュ(ロシア)、欧州大会2位のユリア・カバルジ(ウクライナ)らが、どこまで上位に食い込めるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. 奥野春菜(日本)
2. Hildebrandt, Sarah Ann (米国)
3. Pang, Qianyu (龐倩玉=中国)
〃 Weicker, Diana Mary Helen (カナダ)
5. Krawczyk, Katarzyna (ポーランド)
〃 Eshimova, Jyldyz (カザフスタン)
7. Valverde Melendres, Luisa Elizabeth (エクアドル)
8. Hemmer, Nina Federal (ドイツ)
1. Hildebrandt, Sarah Ann(米国)
2. Pang, Qianyu(龐倩玉=中国)
3. Weicker, Diana Mary Helen(カナダ)
4. Valverde Melendres, Luisa Elizabeth(エクアドル)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Pak, Yong-Mi(北朝鮮)
2. Eshimova, Jyldyz(カザフスタン)
3. 奥野春菜(日本)
〃 Erdenechimeg, Sumiya(モンゴル)
1. Pak, Yong-Mi(北朝鮮)
2. 向田真優(日本)
3. Keunimyaeva, Aktenge(ウズベキスタン)
〃 Vinesh(インド)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Orshush, Stalvira(ロシア)
2. Horishna, Liliya(ウクライナ)
3. Kaladzinskaya, Vanesa(ベラルーシ)
〃 Blaszka, Jessica(オランダ)
1. Mattsson, Sofia(スウェーデン)
2. Khavaldzhy Blahinya, Yuliia(ウクライナ)
3. Hemmer, Nina(ドイツ)
〃 Orshush, Stalvira(ロシア)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Hildebrandt, Sarah Ann(米国)
2. Valverde Melendres, Luisa Elizabeth(エクアドル)
3. Duanes Andres, Lilianet(キューバ)
〃 Weicker, Diana Mary Helen(カナダ)
1. Hildebrandt, Sarah Ann(米国)
2. Arguello Villegas, Betzabeth Angelica(ベネズエラ)
3. Parsons, Jade Mariah(カナダ)
Montero Herrera, Lienna de la Caridad(キューバ)

【2019年世界選手権・展望(27)】35歳のヨウリス・ボンネ・ロドリゲス(キューバ)が連覇目指す…男子フリースタイル61kg級

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ベテランの強さを見せるか、ヨウリス・ボンネ・ロドリゲス(キューバ)

 昨年、35歳を目前にして世界王者に輝いたヨウリス・ボンネ・ロドリゲス(キューバ)は、今年のパンアメリカン選手権2位、「アリ・アリエフ国際大会」(ロシア)3位と優勝から見離されている。第1シードとして、再度世界一をつかむ実力をキープしているか。

 昨年2位のガジムラド・ラシドフ(ロシア)は65kg級にアップして出場。昨年のU23世界王者で今年のロシア選手権で優勝し、8月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)も勝ったマゴメドラスル・イドリソフがロシア代表として出てくる。ノーシードだが、ラシドフの後を継ぐ選手として、優勝戦線にからむ可能性は高い。

 昨年世界3位のツブシンツルガ・チュメンビレグ(モンゴル)は、「ジオルコウスキ国際大会」の決勝でイドリソフに敗れたものの、上位を狙える実力はあろう。アジアからは、アジア選手権3位のラフル・バラハデド・アワレ(インド)が、7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)を制するなどして第2シードとなった。イランからは、昨年5位の選手を退けて出てくる2017・19年アジア選手権優勝のベフナム・エシュグ・エフサンプール(イラン)が第4シードとして出場する。軽量級でのアジアの強さを見せるか。

 昨年5位のベカ・ロムターゼ(ジョージア)は2年連続欧州選手権2位で、8月の「トビリシ国際大会」(ジョージア)優勝と力を見せ、第3シードとして挑む。

 初出場の山口海輝(日体大)が、世界ジュニア選手権優勝の勢いを持ち込み、優勝争いにからめるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Bonne Rodriguez, Yowlys(キューバ)
2. Rashidov, Gadshimurad(ロシア)
3. Tumenbileg, Tuvshintulga(モンゴル)
〃 Colon, Joseph Daniel(米国)
5. Yakhkeshi, Mohammadbagheri Esmaeil(イラン)
〃 Lomtadze, Beka(ジョージア)
7. 小栁和也(日本)
8. Gongane, Sonba Tanaji(インド)
1. Bonne Rodriguez, Yowlys(キューバ)
2. Aware, Rahul Balasaheb(インド)
3. Lomtadze, Beka(ジョージア)
4. Ehsanpoor, Behnam Eshagh(イラン)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Ehsanpoor, Behnam Eshagh(イラン)
2. Liu, Minghu(中国)
3. 藤田雄大(日本)
〃 Aware, Rahul Balasaheb(インド)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Harutunyan, Arsen(アルメニア)
2. Lomtadze, Beka(ジョージア)
3. Vock, Randy(スイス)
〃 Topal, Recep(トルコ)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Colon, Joseph Daniel(米国)
2. Bonne Rodriguez, Yowlys(キューバ)
3. Schiller, Scott Anthony Josef(カナダ)
4. Rodriguez Jovel, Juan Antonio(エルサルバドル)
(実施せず)

9.14~22世界選手権(カザフスタン)の男子グレコローマン・チームが出発

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 9月14日(土)からカザフスタン・ヌルスルタンで行われる2019年世界選手権に出場する男子グレコローマン・チームが10日早朝、羽田空港発の日本航空で出発した。北京経由で向かう。来年の東京オリンピックの予選を兼ねており、オリンピック階級の5位以内の選手に出場枠が与えられる。日本協会の規定により、3位以内に入ればオリンピックの代表に内定する。

カザフスタンへ向けて出発した男子グレコローマン・チーム

 西口茂樹・強化本部長は「大きなけがもなく、ここまで来た。強化委員長が徹底的に鍛え上げたチームだと思う。それを、ぜひ試合につなげてほしい」と期待する。

 同本部長の脳裏には、4年前の世界選手権(リオデジャネイロ・オリンピック予選=米国・ラスベガス)のことが浮かんだようだ。8階級(うち2階級は非オリンピック階級)で1勝しか挙げられず、最高で17位という惨敗。「非常に辛い思いをしましたからね」と振り返り、“あの二の舞はごめん”という表情。オリンピック前年の世界選手権は、それまでの2回の世界選手権とは違うことは骨身に染みている。嫌でも気が引き締まる。

 しかし、総監督として今年のアジア・ジュニア選手権(タイ)と世界ジュニア選手権(エストニア)に同行して、「このルール(2日間の早朝計量)は日本選手向き」という確証も得ている。「計量が終わって2時間後に試合というのは、絶対に日本人に有利。厳しい練習をやってきているので、最後の根性比べになれば、絶対に勝ちます」ときっぱり。

 松本慎吾・男子グレコローマン強化委員長(日体大教)は「現地入りしてからも、まだ時間はある。最終調整をしっかりやりたい」と、試合前日まで“強化”を続ける予定。

 前日、選手に伝えたのは、現在の予選システムになって以来、第1次予選である世界選手権でオリンピックの代表枠を取れたのは、2008年北京オリンピック予選の笹本睦(60kg級)と加藤賢三(96kg級)の2人だけということ。「それだけ厳しい闘い。出発前に気持ちを整理し、絶対に取ってやるという強い気持ちを求めました」と話した。

 この日の現地は最高気温16度・最低気温8度で、東京の11月頃の気温。ネットで現地の天候などの情報を入手し役立てているが、「どんな環境にも適応しなければ」と、代表選手にふさわしいコンディショニングを求めた。

ネガティブな感情は何もなし…60kg級・文田健一郎(ミキハウス)

 60kg級で出場枠獲得を目指す文田健一郎(ミキハウス)は「わくわくしているというか、ネガティブな感情は何もありません。早く試合をしたい、という楽しみな気持ちです。コンディションを崩すことなく、納得する練習ができてきた」と言う。

 4月のアジア選手権(中国)は優勝を逃し、7月の「オレグ・カラワエフ国際大会」(ベラルーシ)は棄権と、国際大会の優勝に見離されているが、「引きずるタイプではないので、深く考えていません」と言う。アジア選手権で負けた北朝鮮選手の研究もしているし、引っ掛かっているものはないようだ。

 世界王者に輝いた2年前に比べると「かかっているものが違う」と言う一方、「(世界選手権ではなく)オリンピック予選と見ているので、新鮮な気持ちで臨める」と話し、すべてをリフレッシュして挑む腹積もりだ。

 今回は出場枠獲得とは無縁の63kg級に出場する太田忍(ALSOK)は「しっかり調整できれば(優勝は)問題ない。去年よりは状態がよく、いい仕上がり。金メダルを取って、12月にオリンピック代表枠に挑戦します」ときっぱり。

 このあと、女子チームが12日(木)、男子フリースタイル・チームが15日(日)に同じルートで現地へ向かう。

【2019年世界選手権・展望(28)】アゼルバイジャン、ロシア、ジョージアの3選手が激しく争う…男子グレコローマン55kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

世界2連覇を目指すエルダニズ・アジズリ(アゼルバイジャン)

 アゼルバイジャン、ロシア、ジョージアの3選手が抜けている状況。昨年の欧州&世界チャンピオン、エルダニズ・アジズリ(アゼルバイジャン)が、今年の欧州選手権は3位だったものの、ランキング1位をキープして世界選手権に臨む。

 欧州選手権でアジズリを破って優勝したのはビタリ・カバロエフ(ロシア)。昨年はロシア選手権で優勝しながら世界選手権の代表を外れた。それでもU23世界選手権で2位へ。今年1月のロシア選手権で優勝し、3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)、欧州選手権と勝ち続けている。ノーシードではあるが、勢いはある。

 U23世界選手権でカバロエフを破って優勝したのが、世界3位のヌグザリ・ツルツミア(ジョージア)。第3シードとして挑む。今年のU23欧州選手権でも優勝しているが、シニアの欧州選手権はアジズリにテクニカルフォール負けして8位。

 上記の3選手以外では、アジア選手権優勝で第2シードのイルコム・バクロモフ(ウズベキスタン)、アジア選手権3位のハサン・スライマノフ(キルギス)らが上位を狙えそう。

 シニアの国際大会は初となる小川翔太(日体大)が、若さを武器にどこまで上位に食い込めるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Azizli, Eldaniz(アゼルバイジャン)
2. Sharshenbekov, Zholaman(キルギス)
3. Oeztuerk, Ekrem(トルコ)
〃 Tsurtsumia, Nugzari(ジョージア)
5. Cao, Liguo(中国)
〃 Hakhoyan, Norair(アルメニア)
7. Topoev, Vasily(ロシア)
8. 田野倉翔太(日本)
1. Azizli, Eldaniz(アゼルバイジャン)
2. Bakhromov, Ilkhom(ウズベキスタン)
3. Tsurtsumia, Nugzari(ジョージア)
4. Fergat, Abdelkarim(アルジェリア)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
(実施せず) 1. Bakhromov, Ilkhom(ウズベキスタン)
2. 片桐大夢(日本)
3. Sulaimanov, Hasan(キルギス)
〃 Zhakansha, Khorlan(カザフスタン)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Kabaloev, Vitali(ロシア)
2. Tita, Florin(ルーマニア)
3. Azizli, Eldaniz(アゼルバイジャン)
〃 Schmitt, Fabian(ドイツ)
(実施せず)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Nowry, Max Emiliano(米国)
2. Khachataryan, Sargis(ブラジル)
3. Medina, Joshua Xavier(プエルトリコ)
4. Torres, Marcelo Amador(アルゼンチン)
(実施せず)

【2019年世界選手権・展望(29)】10年ぶりの悲願なるか、マリア・スタドニク(アゼルバイジャン)…女子50kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

打倒日本を果たして世界一に返り咲けるか、マリア・スタドニク(アゼルバイジャン)

 2016年リオデジャネイロ・オリンピック48kg級2位のマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)が、昨年2位のあと、今年6月の欧州大会で優勝。31歳になっても変わらぬ実力を見せている。最近、日本選手以外に負けていない。打倒日本を果たして、2009年以来の世界一につけるか。ただ、大会をこなしていないのでポイントが上がらず、ノーシードとなっている。

 第1シードは、昨年3位のオクサナ・リバチ(ウクライナ)。今年の欧州選手権優勝・欧州大会2位の実力を見せた。8月の「ポーランド女子オープン」は低迷したが、巻き返せるか。

 昨年のアジア大会でインド女子初の優勝を成し遂げたビネシュが階級を上げたインドからは、昨年5位のリツではなく、55kg級に出ていたシーマ・シーマが出場する。4月のアジア選手権は5位だったが、5月の「サッサリ国際大会」(イタリア)と7月の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)の2つのランキング大会を制し、第2シードとなった。

 昨年3位のスン・ヤナン(孫亜楠=中国)は第3シードとなっているが、日本選手には分が悪い。アジアからは軽量級でめざましい台頭のある北朝鮮の方が要注意か。2014年ユース・オリンピック優勝で昨年5位のキム・ソンヒャンがエントリーしている。

 欧州選手権2位・欧州大会3位のミグレナ・セリシュカ(ブルガリア)、両大会3位のエビン・デミルハン(トルコ)、37歳のベテランながら7月のスペイン・グランプリを制したイオナ・マトコウスカ(ポーランド)らが、どこまで上位へ食い込めるか。昨年は14位だったホィトニー・コンダー(米国)が8月のパンアメリカン大会を制した勢いを持ち込めるか。

 初出場の入江ゆき(自衛隊)は、アジア選手権でシーマ・シーマやスン・ヤナンを破って優勝した。マリア・スタドニクの壁を乗り越え、世界の頂点に立てるか。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. 須﨑優衣(日本)
2. Stadnik, Mariya(アゼルバイジャン)
3. Livach, Oksana(ウクライナ)
〃 Sun, Yanan(孫亜楠=中国)
5. Ritu, Ritu(インド)
〃 Kim, Son-Hyang(北朝鮮)
7. Stankevich, Ksenia(ベラルーシ)
8. Petersson, Frederika(スウェーデン)
1. Livach, Oksana(ウクライナ)
2. Seema, Seema(インド)
3. Sun, Yanan(孫亜楠=中国)
4. Demirhan, Evin(トルコ)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Vinesh(インド)
2. 入江ゆき(日本)
3. Kim, Son-Hyang(北朝鮮)
〃 Kim, Hyung-Joo(韓国)
1. 入江ゆき(日本)
2. Sun, Yanan(孫亜楠=中国)
3. Islamova – Brik, Valentina(カザフスタン)
〃 Hwang, Yong-Ok(北朝鮮)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Livach, Oksana(ウクライナ)
2. Selishka Georgieva, Miglena(ブルガリア)
3. Stankevich, Ksenia(ベラルーシ)
〃 Demirhan, Evin(トルコ)
1. Stadnik, Mariya(アゼルバイジャン)
2. Livach, Oksana(ウクライナ)
3. Demirhan, Evin(トルコ)
〃 Selishka Georgieva, Miglena(ブルガリア)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Guzman Lopez, Yusneylis(キューバ)
2. Golston, Erin Simone(米国)
3. Bermudez, Patricia Alejandra(アルゼンチン)
〃 Mallqui Peche, Thalia Jihann(ペルー)
1. Conder, Whitney(米国)
2. Guzman Lopez, Yusneylis(キューバ)
3. Mallqui Peche, Thalia Jihann(ペルー)
〃 Castillo Hidalgo, Carolina(コロンビア)

【2019年世界選手権・展望(30)完】連覇を目指すザウール・ウグエフ(ロシア)…男子フリースタイル57kg級

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※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

2年連続優勝を目指すザウール・ウグエフ(ロシア)

 昨年優勝のザウール・ウグエフ(ロシア)は、今年の欧州大会は3位と優勝から見離されたが、ロシア内の闘いを勝ち抜いて今年も出場する。ただし第2シード。第1シードは昨年3位のスレイマン・アトリ(トルコ)で、今年の欧州選手権を制し、欧州大会3位と世界トップレベルの実力を示している。

 欧州大会でウグエフを破ったのは、欧州選手権3位だったマキール・アミラスラノフ(アゼルバイジャン)。2015年に世界ジュニア選手権で優勝するなどの実績のある選手。シニアの舞台でも台頭を始めた。

 昨年2位のヌリスラム・サナエフ(カザフスタン)は、3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)61lg級で優勝する力を見せ、8月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)2位と実力をキープ。第4シードとなり、優勝候補の1人と考えられる(注=当初、エントリーから外れていましたが、UWWのHPではエントリーされています)。

 アジアからは他に、昨年のアジア選手権優勝のカン・クムソン(北朝鮮)、クムソンを破って昨年のアジア大会優勝のベクバヤール・エルデネバト(モンゴル)、同じくクムソンを破って今年のアジア選手権優勝のレザ・アフマダリ・アトリナガルチ(イラン)がいて、ハイレベルな選手がそろっている。

 昨年3位で第3シードの高橋侑希(ALSOK)もその一人。連敗中のカン・クムソンにリベンジし、世界一に返り咲けるか。

 欧州大会でスレイマン・アトリを破って2位となったステバン・ミチッチ(セルビア)は、米国ミシガン大で活動していた選手。二重国籍だった選手で、父親の国籍を選択し、セルビア代表としてオリンピックを目指している。

 米国代表は2018年世界ジュニア選手権3位のデイトン・フィックス。8月のパンアメリカン大会で優勝した成長株だ。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手
1. Uguev, Zaur (ロシア)
2. Sanayev, Nurislam (カザフスタン)
3. Atli, Suleyman (トルコ)
高橋侑希(日本)
5. Gilman, Thomas (米国)
〃 Andreu Ortega, Reineri (キューバ)
7. Edisherashvili, Giorgi (アゼルバイジャン)
8. Failauga, Josh(アメリカンサモア)
1. Atli, Suleyman(トルコ)
2. Uguev, Zaur(ロシア)
3. 高橋侑希(日本)
4. Sanayev, Nurislam(カザフスタン)
2018年アジア大会 2019年アジア選手権
1. Erdenebat, Bekhbayar(モンゴル)
2. Kang, Kumsong(北朝鮮)
3. 高橋侑希(日本)
〃 Atrinagharchi, Reza Ahmadali(イラン)
1. Atrinagharchi, Reza Ahmadali(イラン)
2. Kang, Kumsong(北朝鮮)
3. Shavkatov, Makhmudjon(ウズベキスタン)
高橋侑希(日本)
2019年欧州選手権 2019年欧州大会
1. Atli, Suleyman(トルコ)
2. Sadulaev, Muslim(ロシア)
3. Egorov, Vladimir(マケドニア)
〃 Amiraslanov, Makhir(アゼルバイジャン)
1. Amiraslanov, Makhir(アゼルバイジャン)
2. Micic, Stevan(セルビア)
3. Atli, Suleyman(トルコ)
〃 Uguev, Zaur(ロシア)
2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会
1. Rodriguez, Joshua Andrew(米国)
2. Tigreros Urbano, Oscar Eduardo(コロンビア)
3. Andreu Ortega, Reineri(キューバ)
〃 Mejias Rodriguez, Pedro Jesus(ベネズエラ)
1. Fix, Daton Duain(米国)
2. Ramirez Beltre, Juan Rubelin(ドミニカ)
3. Andreu Ortega, Reineri(キューバ)
〃 Capellan, Darthe(カナダ)

【特集】東京オリンピック出場枠獲得にかける(18)完…女子57kg級・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)

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(文=東京スポーツ新聞社・中村亜希子)

川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)

 日本中が注目したオリンピック4連覇の伊調馨(ALSOK)との決戦を制した川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)が、満を持して世界選手権・女子57㎏級金メダルを狙う。試合当日まで1か月を切った時点での全日本合宿では、息が上がり、倒れこむほど自らを追い込んだ。階級の枠を超え、さまざまな相手との打ち込みをこなした。

 「海外の57㎏級には、身長が極端に高くて手足が長かったり、日本人にない粘り強さがあったりなど、いろいろなタイプがいる。映像で研究して、例えば手首をつかんで来る選手がいれば、それと同じようにやってもらい、手足が長い選手と打ち込みしてどんな感覚か練習している」と、仮想トレーニングも行っている。

 2016年リオデジャネイロ・オリンピック63㎏級で金メダルを獲得。その後、60㎏、59㎏で世界を制するなど、階級を変えてもしっかり結果を残してきた。57kg級は初出場。昨年の世界女王、ロン・ニンニン(栄寧寧=中国)をはじめ、ノルウェー、ナイジェリアなど、実績のある選手はほぼ全員が初顔合わせとなる。

伊調馨との3度にわたる闘いに勝利した川井梨紗子=7月のプレーオフ

 それでも、「毎年違う階級で出ているので、不安というのはあまりない。自分が持っているものを出し切りたいという思いが強いです」と力を込めた。

 相手を意識しすぎず、自分ができることをして、精いっぱい闘う-。簡単なようで難しい勝者の哲学は、誰もが強さを知るビッグネームとの3番勝負でさらに磨かれた。「馨さんとの試合では、レスリングというより、精神面が強くなれたかな、と思うことの方が大きい。去年の天皇杯(全日本選手権=12月)で負けてから7月のプレーオフまでの約半年間、すごく濃かったので」。

 敗戦でレスリングをやめようとまで思ったが、家族や仲間の助けもあり、マットに立つことができた。自分にしかできないことに集中し、置かれた立場のありがたさを感じることで、試練を前向きな気持ちに変えた。

ここまできたチャンス、絶対に無駄にはしない!

 「東京オリンピックを目指すこと、しかもオリンピック・チャンピオン同士の対決を、自分が憧れていた馨さんとできることは、そうない。今しかできないことだ、と思うようになった。7月のプレーオフに向け、社会人でオリンピックを目指せるありがたみを感じ、注目される試合ができることがうれしいという気持ちに徐々に変わってきた」。

昨年は妹(右)が銀色。今年、そして来年の目標は2人そろっての金色!

 気持ちの変化はプレーにも表れた。張り詰めた緊張感の中でも、自分の技で積極的に攻め、勝つことができた。

 今回は妹の友香子(62㎏級代表)とのダブル・オリンピック切符獲得に挑む。全日本選手権のあと、なかなか立ち直れなかった姉に対して、何も言わず、「自分が頑張る姿を見たら梨紗子もきっと頑張る」と、ただひたすらに練習に精を出した妹の気持ちは十分に伝わっていた。ささいなことでケンカもするが、互いになくてはならない存在だ。

 「東京オリンピックは特別だし、2人がそこを目指せる立場にいることは、簡単ではないし、偶然でもできることじゃない。明治杯(全日本選抜選手権)の後、2人で『ここまできたチャンスを絶対に無駄にしたくないよね』と話しました。今も練習、頑張っています」。2人の夢実現まで、あと一歩だ。


2019年世界選手権=東京オリンピック第1次予選(9月14~22日、カザフスタン・ヌルスルタン)
女子57kg級代表・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)
 1994年11月21日生まれ、24歳。石川県出身。愛知・至学館高~至学館大卒。160cm。2009年全国中学生選手権優勝、2011年世界カデット選手権52kg級優勝などを経て、2012年世界選手権51kg級7位へ。2013・14年は世界ジュニア選手権55・59kg級で優勝。2015年は階級を上げて世界選手権63kg級で2位。2016年はアジア選手権で勝ったあと、リオデジャネイロ・オリンピックを制した。2017年は60kg級で、2018年は59kg級で世界選手権を制した。
略歴(詳細) JWFデータベース UWWデータベース 国際大会成績
女子57kgkg級・展望 / 5位以内がオリンピック出場枠獲得、3位以内は協会規定により日本代表に内定

10.27ドン・キホーテ杯第5回ビーチ・レスリング沖縄大会/大会要項・申込書

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 10月27日(日)に沖縄・豊見城市「美らSUNビーチ」で行われるドン・キホーテ杯第5回ビーチ・レスリング沖縄大会の大会要項が発表された。

 小学生の部(1・2年、3・4年、5・6年)、中学生の部、高校生の部、シニアの部(今年18歳以上)の各部門で、軽量級、中量級、重量級の3階級で実施される。

 申し込み締め切りは10月5日(土)=必着。詳細は大会要項参照。


《大会要項》 《申込書》 《ビーチルールについて》 《診断書》

9.14~22世界選手権(カザフスタン)出場の女子チームが出発

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羽田空港でのミーティング

 9月14日(土)からカザフスタン・ヌルスルタンで行われる世界選手権に出場する女子チームが12日、羽田空港発の日本航空で出発した。北京経由で現地へ向かう。

 笹山秀雄・女子強化委員長(自衛隊)は「合宿でやることはやってきた。あとは選手たちが思い切りやってくれれば、いい成績が残せると思います。とにかく最後まで攻め切ることをやってほしい」と期待する。

 目標とする成績は、全階級でメダルを取っての団体優勝。「最高の成績で帰ってきたい。オリンピックの国別代表枠を取るのは当然として、そこの階級は金メダルを目指して頑張っていきたいです」と話した。

オリンピック出場枠獲得を目指す6選手

 2016年リオデジャネイロ・オリンピックを含めて4年連続の世界一を目指す57kg級の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)は「日本でできる調整はやってきたので、向こうに行って体調と体重の管理をしっかりやりたい。あとはやるだけ、という感じ。大事な大会というのは分かっている。そこを意識しすぎず、自分の持っている力を出し切るというのが大事。そうすれば自然と結果がついてくる」と言う。

 オリンピック出場がかかる大会だが、「そこにこだわりすぎず、この世界選手権で勝ちにいく、という気持ちを持ちたい。去年は姉妹で金メダルを取れなかったけど、今年は2人で金メダルを持って帰りたい」と、力まずに闘いつつ、姉妹優勝を目指す。

 手術からカムバックして2年ぶりの優勝を目指す68kg級の土性沙羅(東新住建)は「強い選手もたくさん出てきていて、全試合が大変で厳しい闘いになると思います。最後に自分の手が上がっているように、優勝してオリンピック内定を決めたいと思います」と話した。

 このあと、15日に男子フリースタイル・チームが出発する。(取材・撮影=矢吹建夫)


▲カザフスタンへ向かった女子チーム

《お知らせ》2019年世界選手権/テレビ中継(日本テレビ・BS日テレ)スケジュール

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2019年世界選手権(カザフスタン)は、日本テレビ、およびBS日テレで下記の日程で放映されます。

【地上波】日本テレビ(※関東ローカル)
  19日(木)深夜1時9分~ 
  20日(金)深夜2時54分~
      
【衛星】BS日テレ
  16日(月)      午後11時~ レスリング世界選手権直前SP~東京五輪へ運命の一戦~
  17日(火)~20日(金)午後8時~(4日間連続生中継!)

2019年世界選手権/応援・取材ガイド

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【大会サイト】(組み合わせ/結果/ネット中継)


大会日程

9月14日(土) 男子グレコローマン55・63・72・82kg級/1回戦~準決勝(小川翔太、太田忍、井上智裕、岡嶋勇也
   15日(日) 男子グレコローマン67・87・97kg級/1回戦~準決勝(高橋昭五、角雅人、奈良勇太
   16日(月) 男子グレコローマン60・77・130kg /1回戦~準決勝(文田健一郎、屋比久翔平、園田新
   17日(火) 女子50・53・55・72kg級(入江ゆき、向田真優、入江ななみ、古市雅子
   18日(水) 女子57・59・65・76kg級(川井梨紗子、稲垣柚香、類家直美、皆川博恵
   19日(木) 女子62・68kg級・男子フリースタイル57・65kg級(川井友香子、土性沙羅、高橋侑希、乙黒拓斗
   20日(金) 男子フリースタイル70・74・92・125kg級(志賀晃次郎、奥井眞生、大津拓馬、荒木田進謙
   21日(土) 男子フリースタイル61・79・86・97kg級(山口海輝、髙橋夢大、高谷惣亮、赤熊猶弥
   22日(日) ※前日実施階級の敗者復活戦・ファイナルのみ

※いずれも開始日。ファイナル・敗者復活戦へ進む選手は、翌日も試合あり。試合開始時間は各日とも午後2時(日本時間)で、午後7時頃まで。1~2時間休憩のあと第2セッション。ファイナルは午後9時からの予定(15日のみ10時)


《各階級展望》

男F 57kg 61kg 65kg 70kg 74kg 79kg 86kg 92kg 97kg 125kg
女子 50kg 53kg 55kg 57kg 59kg 62kg 65kg 68kg 72kg 76kg
男G 55kg 60kg 63kg 67kg 72kg 77kg 82kg 87kg 97kg 130kg

《UWWデータベース》

 《歴代優勝者・日本選手成績一覧表=男子グレコローマン女子男子フリースタイル


日本代表選手




役員

【強化本部長】西口茂樹(日本オリンピック委員会)、【強化副本部長】赤石光生(日本オリンピック委員会)

【男子グレコローマン監督】松本慎吾(日体大教)、【同コーチ】豊田雅俊(警視庁)、笹本睦(日本オリンピック委員会)、松本隆太郎(日体大教)、【同トレーナー】近敏成(日本スポーツ振興センター)

【女子団長】谷岡郁子(日本協会副会長)、【同監督】笹山秀雄(自衛隊)、【同コーチ】齊藤将士(警視庁)、志土地翔大(至学館大職)、金浜良(ジャパンビバレッジ)、冨田和秀(自衛隊)、【トレーナー】佐藤守重(日本スポーツ振興センター)

【男子フリースタイル団長】鎌田誠(日本協会理事)、【同監督】井上謙二(自衛隊)、【同コーチ】小平清貴(警視庁)、前田翔吾(日本オリンピック委員会/クリナップ)、鈴木豊(自衛隊)、【同トレーナー】太田暁央(自衛隊)

【ドクター】田中哲平(JCHO東京山手メディカルセンター)

【帯同審判】沖山功(香川・香川中央高校教)、篠原正樹(静岡・吉原工高教)、小池邦徳(奈良・天理教校学園高教)


2019年世界選手権・第1日/出場選手・組み合わせ

東京オリンピック出場枠獲得をかけて、2019年世界選手権がスタート

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 【ヌルスルタン(カザフスタン)、世界選手権取材チーム】2020年東京オリンピックの第1次予選でもある2019年世界選手権は9月14日午前11時(日本時間午後2時)、カザフスタン・ヌルスルタンで開幕。男子グレコローマン4階級(55、63、72、82kg級)の闘いが始まった。

 この日は非オリンピック階級のみだが、第2日からはオリンピック階級がスタート。5位以内(6選手)に与えられるオリンピック出場枠獲得を目指す。


▲試合スタート

▲試合会場のBarys Arena

太田忍(ALSOK)が決勝進出、小川翔太(日体大)は3位決定戦…2019年世界選手権・第1日

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準決勝で地元選手を撃破し、決勝進出を決めた太田忍(ALSOK)=撮影・保高幸子

 【ヌルスルタン(カザフスタン)、世界選手権取材チーム】2020年東京オリンピックの出場枠獲得を兼ねた2019年世界選手権は9月14日、カザフスタン・ヌルスルタンで開幕。この日は男子グレコローマンの非オリンピック階級の4階級の準決勝までが行われ、63kg級の太田忍(ALSOK)が決勝進出を決めた。55kg級の小川翔太(日体大)は3位決定戦へ回る。

 太田は初戦の2回戦でベラルーシ選手をテクニカルフォールで撃破。3回戦でタイナー・シャルシェンベコフ(キルギス)に自滅であわやフォール負けのピンチを迎えながら耐え、最後はテクニカルフォールで勝ち、準決勝は昨年のアジア大会67kg級2位のアルマト・ケビスパエフ(カザフスタン)もテクニカルフォールで破った。

 決勝は昨年優勝のステパン・マリャニャン(ロシア)と対戦する。

 小川は1回戦で欧州選手権5位のアルメニア選手を破り、2回戦でも韓国選手を撃破。3回戦でアジア選手権優勝のイルコム・バクロモフ(ウズベキスタン)を4-2で破る殊勲を挙げた。しかし、準決勝で昨年3位、U23世界王者のヌグザリ・ツルツミア(ジョージア)にテクニカルフォール負け。15日に銅メダルをかける(対戦相手は未定)。

 72kg級の井上智裕(FUJIOH)は、初戦の2回戦で欧州選手権3位のアイク・ムナツァカニアン(ブルガリア)に0-6で黒星。82kg級の岡嶋勇也(警視庁)は1回戦でアジア選手権3位のマクサト・ウェレゼポフ(カザフスタン)に0-4で敗れ、ともに敗者復活戦に回れなかった。

 各選手の成績は下記の通り。


男子グレコローマン

 【55kg級】小川翔太(日体大)   20選手出場
3決戦 (相手未定)
準決勝 ●[Tフォール、2:57=0-8]Tsurtsumia, Nugzari(ジョージア)
3回戦 ○[4-2]Bakhromov, Ilkhom(ウズベキスタン) 
2回戦 ○[Tフォール、4:37=8-0]Jeon, Hyeok-Jin(韓国)
1回戦 ○[7-3]Hakhoyan, Norair(アルメニア)

------------------------------

 【63kg級】太田忍(ALSOK)   18選手出場
決 勝 Maryanyan, Stepan(ロシア)
準決勝 ○[Tフォール、5:06=10-1]Kebispayev, Almat(カザフスタン)
3回戦 ○[Tフォール、3:53=12-4]Sharshenbekov, Tynar(キルギス)
2回戦 ○[Tフォール、4:16=10-2]Nehoda, Maksim(ベラルーシ)
1回戦  BYE

------------------------------

 【72kg級】井上智裕(FUJIOH)   25選手出場
2回戦 ●[0-6]Mnatsakanian, Aik(ブルガリア)
1回戦  BYE

※敗者復活戦に回れず

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 【82kg級】岡嶋勇也(警視庁)   23選手出場
1回戦  ●[0-4]Yerezhepov, Maksat(カザフスタン)

※敗者復活戦に回れず

【2019年世界選手権・特集】出場選手の声(第1日)

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(2019年9月14日、カザフスタン・ヌルスルタン)


▲3位決定戦進出の小川翔太(日体大)=撮影・保高幸子

 ■男子グレコローマン55kg級・小川翔太(日体大=初出場で3位決定戦進出を決める)「ウズベキスタン戦で、1-2で負けていて、最後まで攻めて逆転勝ちできたことはよかった。準決勝の(昨年3位の)相手は、構えが低い選手で、やりづらかった。でも、実力がまだ足りていないことを痛感しました。3位決定戦はしっかり勝って終わりにしたい」

 ■男子グレコローマン63㎏級・太田忍(ALSOK=準決勝でカザフスタンのケビスパエフを10-1で破り、決勝に進出)「今日は(全試合を)通して、しんどいところで胴タックルを決められた。決勝を争うロシアのステパン・マリャニャンは今春の「ダン・コロフ-二コラ・ペトロフ国際大会」の決勝で負けている。得意のローリングを受けてしまった。クラッチを切る練習をしっかりしてきたので、落ち着いて試合をすれば負ける要素はないと思っている」

(以上、15日も試合あり)


 ■男子グレコローマン72㎏級・井上智裕(FUJIOH=初戦でシード1位のアイク・ムナツァカニアンブルガリア=に0-6で敗北)「今年3月の大会で一度手合わせしている。研究して、自分がどう組み立てていくかを考えていたけど、最初にポイントを取られてしまった。それが敗因。点差がついて相手は守りを固め、スキがなかった。相手のタックルは研究したけど、ああいうタックルはなかった。気を抜いていたわけではない。72㎏級での試合はこれが最後。次の国体には(オリンピック階級の)77㎏級で出ます。オリンピックのチャンスがあるのであれば、しっかりと(全日本選手権の)77㎏級で優勝して、その次のアジア予選で枠をとりたい」

 ■男子グレコローマン82㎏級・岡嶋勇也(警視庁=初戦でカザフスタンの選手に0-4で黒星)「パーテール・ポジションの防御からは正面を向いて2点に抑えることができ、次はグラウンドで上になって勝負をしようとしたけど、プレッシャーをかけられずに、そのままいってしまった。自分で展開を作っていくような練習をしたいと思います。相手は身長が低くて、やりにくい部分があった。それに対応できなかったので、練習していきたいと思います。たくさんの課題が見つかった初めての世界選手権でした」

2019年世界選手権・第2日/出場選手・組み合わせ

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《2020年東京オリンピック/UWW出場枠規定》   《日本協会・選手選考規定》

9月15日(日)大会日程=日本時間

14:00-19:00    67・87・97kg級 1回戦~準々決勝 / 55・63・72・82kg級の敗者復活戦
19:45-20:30   開会式
21:00-21:45    67・87・97kg級 準決勝
22:00-翌1:00 55・63・72・82kg級のファイナル


     高橋昭五      角 雅人      奈良勇太
略 歴 略 歴 略 歴
出場枠獲得にかける 出場枠獲得にかける 出場枠獲得にかける
組み合わせ 組み合わせ 組み合わせ
この階級の展望 この階級の展望 この階級の展望

 

《2019年世界選手権/応援・取材ガイド》  《UWWデータベース》

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