6月29日(土)~30日(日)に埼玉・富士見市立市民総合体育館で行われる2024年全日本社会人選手権の各スタイルのエントリー選手は下記の通り。
29日に男子フリースタイル、30日に男子グレコローマンと女子が行われる。
6月29日(土)~30日(日)に埼玉・富士見市立市民総合体育館で行われる2024年全日本社会人選手権の各スタイルのエントリー選手は下記の通り。
29日に男子フリースタイル、30日に男子グレコローマンと女子が行われる。
(2024年5月23~26日、東京・東京体育館 / 取材=布施鋼治・渋谷淳・粟野仁雄ほか、撮影=矢吹建夫)
■女子53kg級・村山春菜(自衛隊=明治杯で優勝しながら、清岡もえとのプレーオフに敗れる)「天皇杯が終わってから、練習してきたことを出せた部分も出せなかった部分もありました。前よりも進歩のある試合ができたとは思います。(第2ピリオドに痛恨のタックルを受けてしまい)こういうところで勝てるように練習していかないとならない。トーナメントは優勝できたので、それはそれで評価したい。
2点取れる場面で1点しか取れない、と言ったところを直していきたい。高いレベルで闘う場合は後半勝負になると思うので、体力をつけていきたい。今回は非オリンピック階級の世界選手権へ向けて55kg級に出ましたけど、今後の階級については何も考えていないです。(村山姓になって初の大会で)特に意識はしていなかったです」
■女子57kg級・南條早映(自衛隊=初戦で新井一花、3位決定戦で山下叶夢に敗北)「パリ・オリンピックの予選が終わった時点で、いっぱいいっぱいだった。それでも、3歳から続けてきたレスリングなので、次の目標が定まっていない中でも気持ちを新たにして、前に進められたらいいな、と環境を変えて臨んだ大会でした。やっぱり、パリを逃したことを引きずっていました。
(初戦は)体も足も動いていた。シンプルに自分の練習不足、技術不足だと思います。点数を重ねられるところで重ねられなかったり、課題がたくさん見つかった試合でした。3位決定戦は(自分がポイントを)追いかける立場になって、自分が逃げて甘えてきたことが、結果に出てしまった。これが今の自分の実力だと思います」
■女子57kg級・新井一花(育英大=2回戦で全日本チャンピオンを破りながら、決勝のラスト1秒に逆転負け)「今までずっと負けていた相手に勝ったのに、決勝では最後の最後に逆転され、すごく悔しいです。最後まで『自分が勝つ』という気持ちでやっていましたが、その気持ちが相手より低く、詰めの甘さが出たのだと思います。
監督からは『勝ち負けにかかわらず、6分間闘い切れ』と言われ、準決勝まではできたと思います。大学に入ってから、周りがすごくて(練習では)成長を感じられないのですけど、試合では自分の成長を感じます。(この日の最初の決勝戦で兄・陸人が優勝し)自分も優勝して、兄妹で初優勝という思いでやりましが、かなえられなくて悔しいです」
■女子57kg級・山下叶夢(東洋大=3位決定戦で全日本チャンピオンの南條早映を撃破)「準決勝で新井(一花)選手に負けてしまったので、行き場のない憂鬱な感情を最後(3位決定戦)に出し切りました。低く構えて、無駄なタックルには入らない、という自分のレスリングをすれば、勝てると思っていました。
今、四国出身の選手の活躍がすごいので、(香川県出身の)自分も負けていられない。今回も優勝を目指していた。まだまだ力が足りなかった。これからも四国出身の選手たちに負けないように頑張りたい。先輩たちが道を作ってくれているので、自分はロサンゼルス・オリンピックを狙いたい」
■女子59kg級・尾西桜(日体大=初出場で初優勝しながら、プレーオフで敗れる)「自分は全日本の大会に出るのが初めて(昨年の全日本選手権はエントリーしながら棄権)。日体大に進学して、すごくいい環境で練習させてもらって自分の成長を感じる部分もあった。出るからには絶対優勝すると心に誓い、若さを武器に(プレーオフでも勝って)世界選手権の枠を勝ち取ろうとも思っていました。明治杯で優勝することはできたけど、プレーオフで勝てなかったことは悔しい。
1回戦で当たった坂野さんも実力者で経験も豊富な選手だったので、まずは目の前の試合にひとつずつ勝つことを考えていました。その先に金城さんがいて、またその先に優勝があったのかなと思います。(金城との初戦について)すごく楽しかったです。オリンピック2連覇は尊敬していますけど、世代交代は自分がすると決めていました」
■女子62kg級・竹元紫凛(京都・丹後緑風高=年上の選手3人を破って決勝進出も、稲垣柚香に完敗)「レベルの差を感じました。相手が格上ということは分かっていたので、自分のできることをやろうと思いました。難しかったです。組み合った瞬間、力がすごいと思って、スピードもあって何もできなかったです。どの相手も、自分より技術は上だと思ったので、勝とう、というよりセコンドのアドバイス通りに闘おうと思いました。決勝まで行けたことは、うれしいです。
(広島から丹後緑風高へ県外留学し)中学までレスリングとラグビーをやっていて、ラグビーを続けることに気持ちが固まっていましたけど、吉岡監督から声をかけられ、レスリングに決めました。インターハイは去年が2位だったので、最後となる今年は優勝を目指して頑張りたい。結果を残されている先輩ばかりのチームなので、この成績で終わらせず、大学へ進んでからも、もっといい成績を残したい」
■65kg級・恒村友香子(旧姓川井、サントリー=準々決勝で敗れ、3位決定戦は棄権)「1回戦は去年の天皇杯で負けている相手(吉川海優)だったので、絶対に負けられないという気持ちで闘いました。(最後に逆転勝利したものの)4点目を取られたタイミングのタックルで、右ひざが「パキッ」と音がして、痛めてしまいました。準々決勝は痛み止めを飲んで出場したんですけど、思うように動けませんでした。
今回出場した理由は、応援してくれる人のためというのもありましたが、一番は去年の明治杯、天皇杯の負け方が納得いかなかったと言うか、相手に負ける前に自分に勝てなかったと言うか、その悔しさを晴らしたいと思ったからです。次にどの大会に出るとは言えないけど、オリンピックが終わって、嫌いになりかけたレスリングが今は好きなので、すぐにやめるつもりはありません。けがを治して練習していく中で、もし、試合に出たくなれば出ようと思います」
■女子68kg級・宮道りん(一宮運輸=決勝の序盤で4-0とリードしたものの、最後はフォール負け)「調整不足もあって初戦から動きがよくなかった。(決勝は)出だしから最後までよくなかった。けがは言い訳にはなりませんが、ひざ、腰、首が自分の思うように動かせないのは、すごくつらいし、悔しい。コンディションづくりだけではなく、けが(への対処)とか、心(のつくり方)とか、未熟だと思います。
2022年の天皇杯で首をけがして、6月の明治杯を休んで年末の天皇杯にかけた。その間の1年間、試合に出ていなかった。目標をつくらないと心が持たないので、周りの方のサポートを得ながらこの大会に出ました。治療に専念することも必要かもしれないけど、今は何も考えられない。応援してくれる人がいるので、ここで終わってはならない、という気持ちはあります」
6月6日(木)~9日(日)にハンガリー・ブダペストで行われる世界レスリング連盟(UWW)のランキング大会「イムレ・ポリヤク&ヤノス・バルガ国際大会」に下記の男子5選手を派遣する。東京オリンピックでのシード順を決める最後の大会となる。
男子フリースタイル57kg級には、欧州予選で出場枠を取ったアリアッバス・ルザザデ(アゼルバイジャン)とアリャン・ツィトゥリン(AIN=ベラルーシ)らが出場。同65kg級には世界王者のイスマイル・ムスカエフ(ハンガリー)や2021年東京オリンピック2位のハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)がエントリーした。
同86kg級には、昨年の世界選手権のあと右肩を手術した2021年世界王者のハッサン・ヤズダニチャラティ(イラン)が復帰して参戦する。
男子グレコローマン67kg級は、昨年の世界王者でオリンピック2階級制覇を目指すルイス・オルタ・サンチェス(キューバ)のほか、昨年の世界選手権で曽我部京太郎(現ALSOK)がペットボトル投げ入れで試合を邪魔されて敗れたモハマドレザ・ゲラエイ(イラン)がエントリー。同77kg級は、世界選手権2位のサナン・スレイマノフ(アゼルバイジャン)が出場する。
フリースタイル・チームは6月2・3日、グレコローマン・チームは4日に出発。グレコローマン・チームは大会のあとハンガリーに滞在し、地元選手との練習をこなしてから帰国する。
6月6日(木) 男子フリースタイル57・61・65・70・79・97・125kg級
7日(金) 男子フリースタイル74・86・92kg級/女子50・53・57・59・72kg級
8日(土) 女子 55・62・65・68・76kg級/男子60・63・130kg級
9日(日) 男子グレコローマン55・67・72・77・82・87・97kg級)
※いずれも1日で1回戦~決勝を実施
【男子フリースタイル・コーチ】湯元進一(自衛隊)、湯元健一(日体大教)
【男子グレコローマン・コーチ】笹本睦(日本オリンピック委員会)
【男子フリースタイル】
▼57kg級 樋口黎(ミキハウス)
▼65kg級 清岡幸大郎(三恵海運)
▼86kg級 石黒隼士(自衛隊)
【男子グレコローマン】
▼67kg級 曽我部京太郎(ALSOK)
▼77kg級 日下尚(三恵海運)
(2024年6月1日、山梨・甲府市小瀬スポーツ公園武道館)
《進行表》 《大会サイト》 《電子パンフレット》 《開催地からのお願い》
FS | 51kg | 55kg | 60kg | 65kg | 71kg | 80kg | 92kg | 125kg |
GR | 51kg | 55kg | 60kg | 65kg | 71kg | 80kg | 92kg | 125kg |
WW | 47kg | 50kg | 53kg | 57kg | 62kg | 68kg | 74kg |
■第1マット= https://youtu.be/gaRVTZoegm8
■第2マット= https://youtu.be/anboLB0XleU
■第3マット= https://youtu.be/uOq65x5g-nc
■第4マット= https://youtu.be/hg0W1cdALs4
《問い合わせ》070-9113-7292 ※ネット中継の問い合わせのみ。大会運営については回答できません。協会事務局では、すべての質問に回答できませんので、問い合わせはご遠慮ください
The second of Japan’s major national tournaments of the season, the Meiji Cup All-Japan Invitational Championships, was held May 23-26 at Tokyo Metropolitan Gym. The tournament also served as a qualifier for the Non-Olympic Weight Class World Championships scheduled for Tirana, Albania, in October, along with the Emperor’s Cup All-Japan Championships held last December.
Of the 13 wrestlers who will be appearing at the Paris Olympics this summer, only Yuka KAGAMI at women’s 76kg was entered in the Meiji Cup, but she was forced to withdraw due to an injury. The tournament could be regarded as the first step toward the 2028 Los Angeles Olympics in the Olympic weight classes.
In the 12 non-Olympic classes, winners of the Emperor’s Cup who also won the Meiji Cup automatically filled the spot on the team to Tirana. In cases in which the champions were different, and the Emperor’s Cup winner was on hand, a playoff was held between the two.
Risako KINJO, who won her second straight Olympic gold at the 2021 Tokyo Games but failed to qualify for the Paris Olympics at women’s 57kg, earned a ticket to Tirana at 59kg with a dramatic, come-from-behind playoff victory over teenager Sakura ONISHI.
Risako KINJO, right, prevailed in a nail-biting playoff against high schooler Sakura ONISHI at 59kg.=photo by Takeo YABUKI
Kinjo, the Emperor’s Cup champ, was dealt an 8-4 loss in the semifinals by world U17 champion Onishi, who went on to win the title. Following the medal ceremony, Onishi quickly returned to the mat for the world team playoff against Kinjo.
Onishi led 5-0 after the first period and added a stepout early in the second for a 6-point lead. But Kinjo fought back to cut the lead to 6-4, then scored a 2-point exposure off a single-leg takedown with 8 seconds left. Onishi scrambled back to her feet and in the final second, forced Kinjo out for a stepout. But a challenge review showed the clock had run out with Kinjo’s foot still inside the edge, giving her a 6-6 win on last-point criteria.
In Tirana, Kinjo will be aiming for a fourth career title and first since winning the last of three straight in 2019.
Ami ISHII, who also missed out on the Paris Olympics despite earning the quota at women’s 68kg for Japan by placing fifth at the 2023 World Championships, will also be on the plane after prevailing at 72kg.
Ishii won the Meiji Cup title, which gave her the ticket to Tirana without a playoff as Emperor’s Cup champion Ayano MORO did not enter due to injury. Ishii was the world silver medalist at 68kg in 2022.
Ami ISHII, right, who moved up to 72kg, battles 2021 world champion Maako FURUICHI in the final of the Meiji Cup.=photo by Takeo YABUKI
Earning spots in the two other women’s weight classes were Moe KIYOOKA at 55kg and Miwa MORIKAWA at 65kg, both via the playoff route.
Kiyooka, who followed up her victory at the Emperor’s Cup by winning the gold at the Asian Championships in April, suffered a surprising quarterfinal loss at the hands of high schooler Sowaka UCHIDA.
Reigning world champion Haruna MURAYAMA (nee OKUNO) won the title, but Kiyooka defeated her 3-2 in the playoff, clinching the victory with a second-period takedown.
Morikawa will get the chance to regain the 65kg world title she won in 2022 after winning the Meiji Cup, then defeating Emperor’s Cup champion Mahiro YOSHITAKE 8-0 in the playoff.
In Greco-Roman, high schooler Taizo YOSHIDA added to his growing list of laurels by winning the Meiji Cup title at 82kg, then earned a ticket to the non-Olympic worlds when his opponent in the playoff defaulted.
Yoshida turned heads in Bishkek, Kyrgyzstan, last April when he became, at age 18, Japan’s youngest-ever male Asian gold medalist. Just one year after winning a world U17 title, he will be going for gold at the senior worlds.
High schooler Taizo YOSHIDA won all three of his matches at Greco 82kg by 8-0 technical superiority to earn his first ticket to the senior World Championships.=photo by Takeo YABUKI
In other weight classes, Kensuke SHIMIZU, a 2021 world bronze medalist at 63kg, will be going back to the worlds at 72kg after storming to the Meiji Cup title, then defeating recently crowned Asian champion Shingo HARADA 5-1 in the playoff.
At 63kg, Asian silver medalist Ayata SUZUKI completed the Emperor’s Cup-Meiji Cup double to earn his ticket to Tirana outright, while Emperor’s Cup champion Kagetora OKAMOTO bounced back from an opening loss to defeat Meiji Cup winner Kenta OKUSU 7-0 in the 55kg playoff.
In freestyle, Asian silver medalist Yoshinosuke AOYAGI maintained his dominance at 70kg by adding the Meiji Cup title to the Emperor’s Cup crown he won in December, earning him a return trip to the World Championships.
Yoshinosuke AOYAGI, top, will get a chance to improve on his eighth-place finish at last year’s World Championships following his victory at freestyle 70kg.=photo by Takeo YABUKI
Masanosuke ONO, an Asian bronze medalist at 65kg, secured a trip to his first senior worlds with a victory in the Meiji Cup at 61kg. The Emperor’s Cup champion was not entered, giving Ono the spot without a playoff.
While Ono moved down a weight class, Asian 74kg champion Kota TAKAHASHI bumped up to 79kg and came away with his first ticket to the senior worlds. He defeated Emperor’s Cup champion Ryunosuke KAMIYA 5-0 in the playoff.
At 92kg, Takashi ISHIGURO moved down from his usual weight of 97kg and defeated Emperor’s Cup champion Satoshi MIURA 6-0 in the Meiji Cup final, then again 10-0 in the playoff.
Here is the list of Meiji Cup champions and, if held, the non-Olympic world team playoff winners:
Freestyle
57kg: Rikuto ARAI (Self-Defense Force PTS)
61kg: Masanosuke ONO (Yamanashi Gakuin Univ.)
65kg: Takumi AKIYAMA (Self-Defense Force PTS)
70kg: Yoshinosuke AOYAGI (Clean-up)
74kg: Ryoya YAMASHITA (Nippon Sports Science Univ.)
79kg: Kota TAKAHASHI (Nippon Sports Science Univ.)
Playoff winner: Kota TAKAHASHI (Nippon Sports Science Univ.)
86kg: Tatsuya SHIRAI (Shiga Prefecture Sports Assn.)
92kg: Takashi ISHIGURO (MTX Gold Kids)
Playoff winner: Takashi ISHIGURO (MTX Gold Kids)
97kg: Keivan YOSHIDA (San-E Maritime Corp.)
125kg: Taira SONODA (Self-Defense Force PTS)
Greco-Roman
55kg: Kenta OKUSU (Nippon Sports Science Univ.)
Playoff winner: Kagetora OKAMOTO (Senshu Univ. Club)
60kg: Kaito INABA (Shiga Prefecture Sports Assn.)
63kg: Ayata SUZUKI (Restar Corp.)
67kg: Haruto YABE (Self-Defense Force PTS)
72kg: Kensuke SHIMIZU (Self-Defense Force PTS)
Playoff winner: Kensuke SHIMIZU (SDF PTS)
77kg: Keisei SHIMABUKURO (Niigata Prefecture Assn.)
82kg: Taizo YOSHIDA (Takamatsu Kita H.S., Kagawa)
87kg: Takahiro TSURUTA (Self-Defense Force PTS)
97kg: Masayuki AMANO (Chuo Univ. Staff)
130kg: Yuta NARA (Metropolitan Police Dept.)
Women
50kg: Remina YOSHIMOTO (KeePer Giken)
53kg: Ami OKADA (Toyo Univ.)
55kg: Haruna MURAYAMA (Self-Defense Force PTS)
Playoff winner: Moe KIYOOKA (Ikuei Univ.)
57kg: Ruka NATAMI (Shigakkan Univ.)
59kg: Sakura ONISHI (Nippon Sports Science Univ.)
Playoff winner: Risako KINJO (Suntory)
62kg: Yuzuka INAGAKI (Self-Defense Force PTS)
65kg: Miwa MORIKAWA (ALSOK)
Playoff winner: Miwa MORIKAWA (ALSOK)
68kg: Ray HOSHINO (Kanagawa Univ.)
72kg: Ami ISHII (Ikuei Univ.)
76kg: Nodoka YAMAMOTO (Shigakkan Univ.)
A general view of the action at Tokyo Metropolitan Gym, which was the venue for the freestyle World Championships in 1990.=photo by Takeo YABUKI
The final World Olympic Qualifier for the Paris Games was held May 9-12 in Istanbul, Turkey. Japan had three entries in Greco-Roman and two in freestyle, but none were able to come away with one of the three quotas available in each weight class.
In Greco, Yuri NAKAZATO put on an impressive performance at 97kg by notching three wins, including a victory over European U23 champion Murad AHMADIYEV (AZE), to make the semifinals and move one win away from earning a ticket to Paris.
But he lost 4-2 to Arvi SAVOLAINEN (FIN), then missed a possible second chance when he fell 9-0 to Uzur DZHUZHUPBEKOV (KGZ) in a third-place match.
At 125kg, Sota OKUMURA made it through the repechage to a third-place match, but his hopes ended with a 10-0 loss to veteran Heiki NABI (FIN), a 2013 world champion. So SAKABE lost his opening match at 87kg and did not make the repechage.
In freestyle, Arash YOSHIDA, the 2023 Asian champion at 92kg, saw his bid to make it to Paris at 97kg end with a 4-3 second-round loss to Russian-born Akhmed BATAEV (BUL), while Taiki YAMAMOTO lost 7-1 to Khasanboy RAKHIMOV (UZB) in the first round at 125kg. Neither was pulled back into the repechage.
Arash YOSHIDA, left, Japan’s newest hope in the upper weight classes, came up short in his bid to make the Paris Olympics at freestyle 97kg. =photo by Koji FUSE
Meanwhile, native Japanese Nachi MASUDA, who changed nationality to Australia, came up short in her bid to qualify for the Paris Olympics for her new country at women’s 62kg.
Masuda, a product of International Pacific University, lost her opening match to Kriszta INCZE (ROM), but got a chance at the third qualifying spot when she was pulled into the repechage.
However, she lost 9-1 to world 65kg silver medalist Jia LONG (CHN), ending her quest for Paris.
6月8日(土)~9日(日)にアダストリアみとアリーナ(茨城県・水戸市)で行われる令和6年度 沼尻杯第50回全国中学生レスリング選手権大会の組み合わせと進行予定は、下記の通り。
男 子 | 38kg | 41kg | 44kg | 48kg | 52kg |
57kg | 62kg | 68kg | 75kg | 85kg | 110kg |
女 子 | 33kg | 36kg | 39kg | 42kg | 46kg |
50kg | 54kg | 58kg | 62kg | 66kg | 73kg |
また、事前に棄権選手が判明している場合は、以下フォームより申請をおこなってください。
【棄権選手申請フォーム】
https://forms.gle/piC5aXN2a4ipE3vD9
※事前棄権選手申請期限
6月7日(金)18時
尚、事前申請のあった棄権選手については、以下茨城県レスリング協会ホームページにて、6月8日(土)に公開いたします。
【問合せ先】
全国中学生レスリング連盟 事務局
jhwres47@gmail.com
(文・写真=ジャーナリスト 粟野仁雄)
「ママでも金」とは、柔道でオリンピックを連覇した谷亮子さんの言葉だったが、女子レスリングでそれを目指す金城梨紗子(サントリー)が見せ場を作った。
2024年明治杯全日本選抜選手権最終日。3連覇を目指したパリ・オリンピックの代表こそ逸したが、10月の非オリンピック階級世界選手権(アルバニア)の59kg級代表を決めるプレーオフが最後に行われた。金城の相手は18歳で前年のU17世界選手権を制している尾西桜(日体大)。
金城は第1ピリオドにバックを取られたり、コーションを取られるなどで5点先取され、第2ピリオドに入っても加点されて0ー6。苦しい試合展開となった。金城はこの日、トーナメントの準決勝で尾西に敗れていた。4月のアジア選手権も敗れており(3位)、オリンピック連覇ヒロインもさすがに衰えたか、とも感じさせた。
だが、それで終わる選手ではない。鋭くバックを取り、グランドから相手を転がして追い上げる。残り1分で4-6。十数秒しかない。金城は満を持したタックルからバックを取り6―6の同点へ。終了時に押し出され、痛恨の1ポイントを取られて終わったかに見え、掲示板には尾西のポイントが加わった。
金城は頭を抱えてしゃがみ込む。だが金浜良コーチからのチャレンジ。ビデオ判定で「押し出し」はオーバータイムと判明、金城の勝ちとなった。
「第1ピリオドで5点取られてちょっと難しいかなと思ったけど、諦めなかった。気持ちだけでした。残り1分からだと体力のこともあるので、反撃は30秒になってからにしました」と振り返った。そんな冷静さが保てるのも経験値だ。
妹・友香子は今年1月に総合格闘家と結婚し、恒村姓に変わった。この大会は65kg級に臨んだが、森川美和(ALSOK)に敗れ、ひざを痛めて順位決定戦は棄権。最終日は姉のウォーミングアップの相手を務め、決勝はセコンドに入った。
金城の立て直しはインターバルタイムだった。セコンドの妹からは「絶対いけるから」と檄(げき)が飛び、視線の向こう側のスタンドには母の顔が見えた。無言だったが、その表情から「まだいける。しっかり3分闘いなさい」と言われた気がした。
「やり切ろうと思った。必死でした。技術はあっても。ああいう(尾西の)若さ、勢いが必要ということを相手に実感させてもらった。それを上回る気持ちでやっていた」と明かした。
東京オリンピック以来、3年ぶりの国際大会だった4月のアジア選手権で負けたが、「思ったよりやれたかなと感じた」という。優勝したらきれいな引き時かとも考えたが、負けてしまった。母と話していて「それって続けろということじゃないの」と言われた。同じ気持ちになった。「負けたことに意味を持たせようとした」という。
様々な思いが導いた「意義付け」が11歳も年下の相手の勢いを土壇場で封じていた。
この日、石川県出身の岡田愛生(東洋大=20歳)も53kg級で初優勝した。大相撲でも、同県出身の大の里が新入幕7場所の最短記録で優勝する快挙。
金沢市に近い津幡町出身の金城は「私が勝って被災者を励ます、なんて偉そうなことは言えないけど…」と故郷に思いを馳せた。
「(11月で)30になるけど、まだできる、という気持ちで闘っています。いつが最後になってもいいように。世界選手権はどこまで行けるか、楽しみというより『闘うぞ』という気持ちです」。
そして「東京オリンピックの前の方が、何百倍もきつかった」と、オリンピック4連覇の伊調馨との熾烈な東京オリンピック代表争いを引き合いにした。
「あれを経験しているから、それより難しいものなどないのかなあと思えるんです」などと取り囲んだ記者に話していると、幼児の泣き声がした。友香子選手が連れてきた2歳の娘さんの声だった。しゃがんで「こっちおいでよ」と声をかけるが、大勢の記者が怖いのかしばらく寄ってこない。「抱っこするのは、今日初めてです」と愛娘を抱え上げると「59kgの相手よりずっと軽い」と笑わせて会見場を後にした。
76kg級の鏡優翔が棄権したことで、オリンピック代表が一人も出場せず、やや寂しかった明治杯の会場を最後に沸かせたのは、やはりこの千両役者だった。
オリンピック出場枠のかかる試合で、リードして終了のホイッスルを聞いたウクライナ選手に、毅然としてコーション(警告)失格を下した世界レスリング連盟(UWW)のアントニオ・シルベストリ審判長(ドイツ)と小池邦徳審判員(日本オリンピック委員会/天理教教会本部)の毅然さが注目を集めている。
問題の試合は、5月9~12日にトルコ・イスタンブールで行われたパリ・オリンピックの世界最終予選・女子57kg級の3位決定特別試合、アウロラ・ルッソ(イタリア)とアリナ・フルシナ(ウクライナ)の一戦。UWWのインストラクターの小池審判員は、試合を裁く3審判員には入っていなかったが、シルベストリ審判長とともに判定の最終決定を下すジュリーとして試合に携わっていた。
オリンピック出場の最後の1枠をかけた闘いは、開始早々、フルシナが相手の髪の毛をつかみ、27秒の時点で最初のコーション(1失点)を受けた。その後、テークダウンを奪い、2-1へ。第2ピリオド40秒の時点で、フルシナの髪つかみに対して再びコーション(1失点)。それでもカウンター技で2点を取り、4-2とリードして終盤へ突入した。
ラスト50秒の段階でレフェリーはフルシナのコーションを挙げた。これが髪をつかんだからか、消極性なのかは不明だが、他の審判が同意せず試合続行。ラスト10秒くらいの段階で、ルッソが「髪をつかまれた」とアピールしたが、試合は止まることなく進み、4-2のスコアのまま試合が終了。ウクライナ陣営は歓喜に包まれた。
すぐにイタリア陣営がチャレンジ。小池審判員とシルベストリ審判長は、ラスト10秒の攻防のシーンをいくつかの角度から何度もチェック。会場の大型スクリーンにもそのシーンが何度も流れ、約3分30秒の検証の末、フルシナに髪とシングレットをつかむ行為があったと認定。3度目のコーションを科し、ポイントでリードしていたフルシナをコーション失格とした。
「本当に、きつい判断でした」と小池審判員。ウクライナ協会はUWWへ抗議文を提出し、UWWがその試合をあらためて検証した結果、5月23日に「判定に間違いはない」と決定。ルッソのパリ・オリンピック出場が決まった。
4-2でリードしていた選手を負けにするのは勇気が必要であろう。戦禍にあるウクライナの選手にパリ・オリンピックへ出場してほしいと思う人も多かったことが予想される。だが、判定には公平さが求められ、私情や思惑をはさんではならない。小池審判員とシルベストリ審判長は、何ものにも動じずフルシナの髪つかみを認定した。
重要な試合で、リードしている選手にコーション失格を下した日本人審判員は、1991年世界選手権(ブルガリア)にもいた。男子グレコローマン57kg級決勝、リファット・イルディス(ドイツ)-アレクサンダー・イグナテンコ(ソ連)の一戦で、レフェリーとして裁いたのが、福田耕治審判員(当時38歳=現全日本学生連盟会長)。
イグナテンコが1-0とリードして試合が進んだが、2度のコーションを受けていた。攻撃のアクションが見られないイグナテンコに対し、福田審判員は何度も「アクション!」の口頭注意を与えたのち、終盤(4分22秒=当時は5分1ピリオド)、消極性によって3度目のコーション。同選手はリードしていながらコーション失格し、金メダルを逃した。
福田審判員は「最終的に決めるのはチェアマンだから…」と話したものの、ルールではレフェリーまたはジャッジの判断があってから、チェアマンが判断する。福田審判員とジャッジのどちらが先にコーションを表示したかは定かではないが、福田審判員は当時、「(イグナテンコに)何度も『アクション!』と声をかけたが、攻撃しようとしなかった」と、自信をもってコーションを科したことを話していた。
消極性によるコーションは、髪つかみやグレコローマンでの下半身を使った攻防のような明確さはなく、ある部分では審判の主観で判断される。“目に見えない力”も幅をきかせていた時代、レスリング大国・ソ連の選手がリードしている状況で、消極性でコーション失格にするのは、だれにでもできる“芸当”ではない。福田審判員の判定には賞賛の声が挙がり、日本人審判員の毅然さ・公平さへの評価が高まった。
予想されるいかなる圧力をも恐れず、公平な判断を目指す日本人審判員の魂は、33年の時を経ても健在だった。審判員に最も必要、かつ重要なことは何か-。後に続く審判員の手本となる小池審判員の判定だったと言えよう。
(2024年6月2日、山梨・甲府市小瀬スポーツ公園武道館)
《進行表》 《大会サイト》 《電子パンフレット》 《開催地からのお願い》
FS | 51kg | 55kg | 60kg | 65kg | 71kg | 80kg | 92kg | 125kg |
GR | 51kg | 55kg | 60kg | 65kg | 71kg | 80kg | 92kg | 125kg |
WW | 47kg | 50kg | 53kg | 57kg | 62kg | 68kg | 74kg |
■第1マット= https://youtu.be/TreMQ1A8JZQ
■第2マット= https://youtu.be/hprYmHsl5vc
■第3マット= https://youtu.be/XtnhuDwSMSY
■第3マット= https://youtu.be/ecH6sojd8QI
(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)
明治杯全日本選抜選手権初日(5月23日)に行われた女子57㎏級は荒れに荒れた。優勝候補に挙げられていた南條早映(自衛隊)は、初戦の準々決勝で新井一花(育英大)に敗北を喫した。その後、敗者復活戦を勝ち上がったものの、続く3位決定戦では成長著しい山下叶夢(東洋大)に敗れた。
南條は山下戦の後、「パリ・オリンピックの予選が終わった時点で(気持ちが)いっぱいいっぱいだった」と振り返った。
「3歳から続けてきたレスリングなので、次の目標が定まっていない中でも気持ちを新たに前に進めたらいいなと思い臨みました。それでもパリを逃したことを引きずっていました。初戦は減量に失敗したわけではなく、体も足も動いていた。シンプルに自分の練習不足、技術不足だと思います」
新井は昨年のU20世界選手権で銀メダルに輝いた有望株。これまで、国内のシニアの大会では目立った活躍を見せていなかったが、南條を破った勢いで決勝に進出した。
もう一方のブロックを勝ち上がってきたのは屶網瑠夏(至学館大)。2022年のアジア選手権で優勝した屶網さら(keeper技研)の妹で、昨年の全日本学生選手権57㎏級で優勝している選手だ。
「いつも勝てない南條さんが反対プロックで負けてしまったけど、自分は挑戦者の気持ちで最後まで点数をとっていこうと心に決めていました」
新井とは昨年10月の全日本女子オープン選手権57㎏級準決勝で激突。最後の最後で逆転負けを喫している。今回は第1ピリオドにバッティングを受けるという不運もあったが、片足タックルを二度も決められ、5-0とリードを許してしまう。
しかし第2ピリオドになると、屶網はレッグホールドで2点を返して反撃を開始。その後新井のステップアウトや度重なるチャレンジの成功で、5-5のスコアながら、ラストポイントで屶網が逆転。その後、第2ピリオドが終わったかどうかという微妙なタイミングで新井がバックを取ったかに見えたが、タイムアップが宣告された。
当然、新井サイドはチャレンジを要求したが、審議の末ノーポイントと判断され、最終的に屶網が6-5で勝利。明治杯でうれしい初優勝を果たした。
「自分は逆転勝ちできるタイプではなかった。去年の明治杯(55㎏級決勝)では片岡梨乃さん(早大)に4-0とリードされ、そのあと2点を返したけど、追いつけなかった。今回は最後まで攻め続けてポイントを取るという強い気持ちを持ち続けたことが逆転につながったんだと思います」
現在、屶網は大学4年生。今回の明治杯は「卒業後もレスリングを続けるかどうかを選択するための重要な大会」と位置づけていた。
「次は8月にインカレ(全日本学生選手権)があるので、その結果次第で、最終的にどうするかを決めたい。現時点で(続行かどうかは)フィフティ・フィフティですね」
振り返ってみれば、1年前のこの大会の女子57㎏級決勝は、パリ・オリンピック代表の座を巡り、櫻井つぐみ(当時育英大)と南條が激しいデットヒートを展開していた。時は移り過ぎていく。
(2024年6月1~2日、山梨・甲府市小瀬スポーツ公園武道館)
《男子フリースタイル・1~6位一覧表》 《男子フリースタイル・学校対抗得点》
《男子グレコローマン・1~3位一覧表》 《女子・1~4位一覧表》
FS | 51kg | 55kg | 60kg | 65kg | 71kg | 80kg | 92kg | 125kg |
GR | 51kg | 55kg | 60kg | 65kg | 71kg | 80kg | 92kg | 125kg |
WW | 47kg | 50kg | 53kg | 57kg | 62kg | 68kg | 74kg |
《優秀選手》
【男子フリースタイル】藤田宝星(125kg級=埼玉・花咲徳栄3)、【男子グレコローマン】横山桔平(55kg級=山梨・韮崎工3)、【女子】内田颯夏(57kg級=東京・帝京3/JOCエリートアカデミー)
【学校対抗得点】
[1]慶應義塾(神奈川)25 点
[2]東京・自由ヶ丘学園(東京)23 点
[3]足利大附(栃木)23 点
[4]花咲徳栄(埼玉)23 点
[5]文化学園大杉並(東京)22 点
[6]千葉・日体大柏(千葉)14 点
※慶応義塾(神奈川)は57年ぶりの優勝=関東高体連レスリング専門部による
【51kg級】
[1]前田悠樹(東京・自由ヶ丘学園1)
[2]大井喜一(千葉・日体大柏2)
[3]椎名遥玖(東京・文化学園大杉並2)
[4]鈴木陸王(埼玉・花咲徳栄2)
[5]柳澤志音(栃木・足利大学附2)
[6]川島倫太郎(群馬・大泉2)
【55kg級】
[1]廣橋悠貴(東京・文化学園大杉並2)
[2]深澤遼弥(山梨・甲府城西2)
[3]北出幸也(千葉・日体大柏2)
[4]永井舜喜(埼玉・埼玉栄2)
[5]檜山惇也(埼玉・花咲徳栄1)
[6]笠川翔生(千葉・京葉工3)
【60kg級】
[1]與那城一輝(栃木・足利大学附3)
[2]大久保暁人(東京・文化学園大杉並2)
[3]長沼一汰(神奈川・慶應義塾1)
[4]戸邉昇輝(埼玉・花咲徳栄2)
[5]佐々木大貴(神奈川・横浜修悠館3)
[6]平嶋空(山梨・甲府城西2)
【65kg級】
[1]吉田アリヤ(東京・帝京3/JOCエリートアカデミー)
[2]吉田煌(埼玉・花咲徳栄3)
[3]加藤源大(千葉・日体大柏2)
[4]川端健太(群馬・館林3)
[5]坂本大星(栃木・足利大附1)
[6]塩塚温大(埼玉・埼玉栄2)
【71kg級】
[1]瀧澤勇仁(神奈川・慶應義塾3)
[2]小川滉(東京・自由ヶ丘学園3)
[3]福井大翔(埼玉・埼玉栄2)
[4]小嶋啓斗(茨城・鹿島学園3)
[5]本橋矢大(栃木・足利大学附3)
[6]中島隼登(群馬・館林2)
【80kg級】
[1]岡澤ナツラ(神奈川・慶應義塾3)
[2]秋保大地(東京・文化学園大杉並2)
[3]西原丈陽(群馬・館林3)
[4]竹内健太郎(神奈川・日大藤沢2)
[5]濱田大喜(東京・自由ヶ丘学園)
[6]五十嵐春希(千葉・日体大柏3)
【92kg級】
[1]リボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園2)
[2]山中創太(神奈川・慶應義塾1)
[3]福島煌天(栃木・足利大附3)
[4]石井裕樹(群馬・富岡実3)
[5]横山慎志(埼玉・花咲徳栄2)
[6]古田大悟(神奈川・横浜修悠館2)
【125kg級】
[1]藤田宝星(埼玉・花咲徳栄3)
[2]阿部天臥(栃木・足利大附2)
[3]上西エリキ(群馬・館林3)
[4]森本空(山梨・甲府城西3)
[5]乾志音(茨城・土浦日大3)
[6]石井翔(千葉・京葉工3)
【51kg級】
[1]木島鼓羽太(茨城・土浦日大2)
[2]坂本広(東京・自由ヶ丘学園2)
[3]野口秀矩(神奈川・磯子工3)
【55kg級】
[1]横山桔平(山梨・韮崎工3)
[2]森田結人(埼玉・花咲徳栄3)
[3]野村蒼空(東京・自由ヶ丘学園3)
【60kg級】
[1]日原煌大(山梨・韮崎工1)
[2]加藤龍輝(千葉・野田中央3)
[3]石塚佑慎(群馬・市立太田3)
【65kg級】
[1]大田譲(神奈川・日大藤沢3)
[2]丸田龍平(埼玉・埼玉栄2)
[3]松井礼士(栃木・足利大附2)
【71kg級】
[1]加藤航平(群馬・市立太田3)
[2]清水大夢(山梨・甲府城西3)
[3]手塚爽佑(埼玉・花咲徳栄1)
【80kg級】
[1]野村藍士(神奈川・磯子工3)
[2]小澤幸将(山梨・韮崎工2)
[3]田中智大(埼玉・花咲徳栄2)
【92kg級】
[1]太田瑛斗(東京・日本工大駒場2)
[2]渡辺瑞希(山梨・農林3)
[3]根岸祥嗣(埼玉・花咲徳栄1)
【125kg級】
[1]山口晃大(神奈川・磯子工3)
[2]長嶋優琉(千葉・京葉工3)
[3]松井朝陽(栃木・馬頭2)
【47kg級】
[1]大矢華乃(東京・自由ヶ丘学園1)
[2]山本はるあ(東京・安部学院1)
[3]江坂萌那(東京・帝京2/JOCエリートアカデミー)
[4]小原心花(東京・自由ヶ丘学園1)
【50kg級】
[1]小川舞(東京・自由ヶ丘学園2)
[2]片岡優(千葉・日体大柏1)
[3]小岩芽以(千葉・日体大柏2)
[4]黒澤真汐(神奈川・磯子工3)
【53kg級】
[1]本原理紗(千葉・日体大柏3)
[2]角本明日香(群馬・前橋育英1)
[3]関戸香梨奈(東京・自由ヶ丘学園2)
[4]鈴木彩加(東京・安部学院3)
【57kg級】
[1]内田颯夏(東京・帝京3/JOCエリートアカデミー)
[2]木下凛(神奈川・釜利谷2)
[3]木村美海(千葉・日体大柏2)
[4]中山木の実(東京・自由ヶ丘学園2)
【62kg級】
[1]吉川華奈(東京・帝京/JOCエリートアカデミー2)
[2]菱沼綾南(東京・安部学院3)
[3]飯田響(埼玉・埼玉栄1)
[4]藤井安祐美(群馬・大泉1)
【68kg級】
[1]本多結里菜(東京・安部学院1)
[2]松山桜(東京・日本工大駒場2)
[3]櫻岡実歩(東京・安部学院3)
[4]佐藤宝瑠(茨城・鹿島学園3)
【74kg級】
[1]藤田眞妃琉(群馬・前橋育英1)
[2]諸星菜夏(埼玉・埼玉栄3)
[3]村田悠芽夏(群馬・西邑楽2)
6月6日(木)~9日(日)にハンガリー・ブダペストで行われる世界レスリング連盟(UWW)のランキング大会「イムレ・ポリヤク&ヤノス・バルガ国際大会」の男子フリースタイルに出場する57kg級の樋口黎(ミキハウス)と86kg級の石黒隼士(自衛隊)が6月2日夜、成田空港から出発した。
湯元進一コーチ(自衛隊)は「オリンピックにつなげることが大事な遠征。結果には、さほどこだわらない」と望んだ。手の内を100パーセント出すか、ある程度隠すかは、「本人の考え次第」とし、いずれにしても本番で勝つための闘いを望んだ。
樋口は銀メダルを取った昨年9月の世界選手権(セルビア)以来の実戦。57kg級に出場するときには懸案となっている減量を「しっかりやらないとなりません」と、コンディショニングにまず力を置く。感覚を忘れることはないだろうが、約10ヶ月ぶりの減量にやや緊張気味で、「しっかり動けるような体調になるように心がけたい」と言う。ただ、今回の計量は2kg級オーバー可なので、悲愴感までは感じられない。
発表されたエントリーでは、現前の世界王者は参加しないが、「ウズベキスタン(アジア予選1位)、ベラルーシ、アゼルバイジャン(ともに欧州予選1位)などが出る。弱い選手はいない。しっかりやってきたい」と言う。
石黒は「海外の選手と多く闘うことで改善点を再確認したい」と言う。昨年の世界選手権で2位で、この階級の第一人者のハッサン・ヤズダニチャラティ(イラン)が、右肩の手術により戦列を離れていたブランクから復帰してくる。「弱点を見抜き、どこまで闘えるか試したい」と話したあと、「その(手術後の)肩でオレに勝てるのか、という気持ちで闘います」と言い直し、強気で闘うことを強調した。
今年3月に来日して自衛隊で練習した世界3位のマイルズ・アミン(サンマリノ)もエントリーしているので、闘うこともありそう。「去年のザグレブ・オープンで勝っていて、今回の自衛隊でのスパーリングで負けた。今回が決着戦。しっかり勝ちます」と気合を入れた。
同65kg級の清岡幸大郎(三恵海運)は3日、男子グレコローマン選手は4日に、それぞれ出発する。
6月6日(木) 男子フリースタイル57・61・65・70・79・97・125kg級
7日(金) 男子フリースタイル74・86・92kg級/女子50・53・57・59・72kg級
8日(土) 女子 55・62・65・68・76kg級/男子60・63・130kg級
9日(日) 男子グレコローマン55・67・72・77・82・87・97kg級)
※いずれも1日で1回戦~決勝を実施
【男子フリースタイル・コーチ】湯元進一(自衛隊)、湯元健一(日体大教)
【男子グレコローマン・コーチ】笹本睦(日本オリンピック委員会)
【トレーナー】野呂賢二(JSC業務委託)、【帯同審判員】本田原明(自衛隊)
【男子フリースタイル選手】
▼57kg級 樋口黎(ミキハウス)
▼65kg級 清岡幸大郎(三恵海運)
▼86kg級 石黒隼士(自衛隊)
【男子グレコローマン選手】
▼67kg級 曽我部京太郎(ALSOK)
▼77kg級 日下尚(三恵海運)
(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)
2024年明治杯全日本選抜選手権最終日に行なわれた男子グレコローマン63㎏級では、鈴木絢大(レスター)が決勝で三谷剛大(育英大)を9-0のテクニカルスペリオリティで撃破。昨年12月の天皇杯全日本選手権も制しているので、今年10月開催の非オリンピック階級世界選手権(アルバニア)への出場を決めた。
失点は準決勝の澤田幸明(拓大)のみという圧倒的な強さを見せつけての優勝。鈴木にとってはモチベーションを持続するだけの理由があった。
「今大会は、アジア選手権の悔しさを次(世界選手権)につなげるために出場しました」
4月にキルギスで行なわれたアジア選手権では、準決勝で昨年優勝のイマン・ホセイン・モハマディ(イラン)に11-4で勝利をおさめたが、続くイェルジェト・ジャルリカシン(カザフスタン)との決勝では、激しいデットヒートを繰り広げ、スコアは6-6ながらラストポイントを取られたため惜敗した。
鈴木は「あの一戦は自分の展開ミスで負けた」と悔やむ。「グラウンドで仕留めていれば、自分の勝利で終わっていたと思う。今回はそこをしっかり修正したうえで臨みました。準決勝でポイントを取られたときも、しっかり攻めていれば、後半自分にグラウンドが来ると信じていました」
鈴木はオリンピック階級の60㎏級で文田健一郎(ミキハウス)としのぎを削っており、昨年10月のアジア大会(中国)は銀メダルを手にした。その後の全国社会人オープン選手権から階級を上げ、非オリンピック階級の63㎏級に出場し続けている。なぜ階級アップを?
「自分の最大の目標はオリンピック。そこは揺るがないけど、4年間ずっと60㎏級で続けるのは精神的に厳しいところも、ちょっとある。そこで(減量の少ない)63㎏級に挑戦することにしました」
既にメリットも感じている。 「海外の試合では、一瞬でも気を抜いたらポイントを取られてしまう。63㎏級では特にそういう場面が多いと感じたので、自分にとっては絶対プラスになっていると思いますね」
今大会の60㎏級では、大学の後輩であり日体大で一緒に汗を流す稲葉海人(滋賀県スポーツ協会)が優勝した。
「僕や海人が明治杯で優勝して、健一郎先輩に発破をかけるわけじゃないけど、僕らが死ぬ気で取りにいくことは健一郎先輩の強化にもつながっていると思う」
すでにパリ・オリンピック内定を決めている文田とともに、鈴木と稲葉は大学でも激しくやり合っている。鈴木は稲葉の成長を肌で感じている。「自分でいうのもなんですけど、日体大のグレコローマン60㎏級は世界一の練習環境だと思っています。健一郎先輩もそう言っているので間違いないです」
10月下旬、アルバニアで開催の非オリンピック階級世界選手権で優勝を狙い、その後は階級を60㎏級に戻す青写真を描く。現段階ではパリ・オリンピックに出場する文田のその後の去就は分かっていないが、稲葉の現役続行は確実。そうなると、鈴木との直接対決は避けらない。
「少しでも気を抜いたら自分が一歩下がってしまう、という危機感を持ちながら3人で練習しています。練習の緊張感は試合のそれに及ばない。どれだけ試合の緊張感に近づけるかを課題に取り組んでいきたい」
小柄な体に大きな炎。パリ・オリンピック後も、グレコローマン60㎏級代表を巡る争いは、沸点を超える闘いとなるのか。
盛山正仁・文部科学大臣が6月1日に兵庫・神戸市のホテルで行われた三恵海運のパリ・オリンピック出場選手の壮行会に来場。選手を激励した。同社からは、男子グレコローマン77kg級の日下尚と男子フリースタイル65kg級の清岡幸大郎の2選手が出場する。
現職の文部科学大臣がレスリングの練習やイベントに来場するのは、2017年9月に林芳正大臣が東京・味の素ナショナルトレーニングセンターでの全日本合宿を訪れて全日本チームを激励して以来。三恵海運の髙田肇社長と以前から交流があり、同社所属選手の激励に訪れた。
盛山大臣は「オリンピック出場は2人にとって夢だったと思います。ここまでの努力に敬意を表します。その影には、多くの人の努力があったことと思います」とあいさつ。文部科学大臣という立場から、スポーツの振興と、国民がスポーツに触れあって健康ですごせることを常に考えており、そのためにもオリンピックに出場する選手を全面的に応援していると話した。出場する選手が「日本中の皆様に夢と感動、勇気を与えてくださることを確信しています。お2人には持てる力をすべて出し切ってほしい」と激励した。
同社からは、2016年リオデジャネイロ・オリンピックの男子グレコローマン66kg級で井上智裕が出場して5位入賞を果たしており、今回は2大会ぶりの代表選手の誕生。同社の髙田社長は2人も出場することで「盆と正月とクリスマスと建国記念日と誕生日が一度に来たような感じ。うれしい悲鳴です」と話し、両選手の健闘を期待した。
地元香川県の名物の“うどんパワー”をアピールしている日下は「オリンピックは、うどんを食べながら応援してください」と約300人の招待客にリクエスト。清岡は「一人ではオリンピックにたどりつけなかった。応援してくれる人のおかげで最高峰の舞台に出場することができます。感謝の気持ちを忘れず力を出し切りたい」とあいさつした。
両選手は6日からハンガリーで行われる世界レスリング連盟(UWW)のランキング大会に出場し、オリンピック前の最後の実戦練習に臨む。
6月6日(木)~9日(日)にハンガリー・ブダペストで行われる世界レスリング連盟(UWW)のランキング大会「イムレ・ポリヤク&ヤノス・バルガ国際大会」に出場する男子フリースタイルの清岡幸大郎(三恵海運)が6月3日、湯元健一コーチ(日体大教)とともに成田空港から出発した。
4月のパリ・オリンピック・アジア予選で出場枠を取ってから、最初で最後の実戦練習。世界王者のイスマイル・ムスカエフ(ハンガリー)や、2021年東京オリンピックで優勝した乙黒拓斗の決勝の相手のハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)らがエントリーしていることに「わくわくしています」と気持ちが高まっている。「パリにつながる試合をしなければならない。強豪を倒しつつ、多くの経験をしたい」と言う。
アリエフは61kg級で3度世界王者に輝いている選手で、清岡が世界のレスリングに関心を持ち始めた頃からあこがれをもって見ていた選手。「そんな選手と闘えることは夢みたいですけど、倒さなければならない」と言う。「アリエフ」という名前がついている独特のローシングル技で「アリエフを倒します」ときっぱり。世界王者ムスカエフとも闘って勝利をおさめたい気持ちも十分。「一発食らわせて、(周囲に)『すごいヤツが出てきた』と思わせたいですね」と話した。
当初は10人以上いたエントリーだが、3日の時点で7人に減っており、このままならノルディック方式での闘いになる。その場合は、最大で1日5試合の強行スケジュールとなるが、「その方がいいです。いろんな選手と闘えますから」と歓迎した。
湯元コーチは「オリンピックの前哨戦。自分の実力を確認し、立ち位置を見極めてほしい」と要望。基本的には全力で勝ちに行かせるが、“真打ち”の部分は隠すよう指示するそうで、「オリンピックで勝つための闘いをしてほしい」と話した。
57kg級の樋口黎(ミキハウス)と86kg級の石黒隼士(自衛隊)は2日に出発している。
6月6日(木) 男子フリースタイル57・61・65・70・79・97・125kg級
7日(金) 男子フリースタイル74・86・92kg級/女子50・53・57・59・72kg級
8日(土) 女子 55・62・65・68・76kg級/男子60・63・130kg級
9日(日) 男子グレコローマン55・67・72・77・82・87・97kg級)
※いずれも1日で1回戦~決勝を実施
【男子フリースタイル・コーチ】湯元進一(自衛隊)、湯元健一(日体大教)
【男子グレコローマン・コーチ】笹本睦(日本オリンピック委員会)
【トレーナー】野呂賢二(JSC業務委託)、【帯同審判員】本田原明(自衛隊)
【男子フリースタイル選手】
▼57kg級 樋口黎(ミキハウス)
▼65kg級 清岡幸大郎(三恵海運)
▼86kg級 石黒隼士(自衛隊)
【男子グレコローマン選手】
▼67kg級 曽我部京太郎(ALSOK)
▼77kg級 日下尚(三恵海運)
昭和40年代から平成にかけて日本協会の機関誌をボランティアで編集、拓大レスリング部OBで元日刊スポーツ記者の宮澤正幸さんが今年2月28日、死去していたことが分かった。6月4日、ご家族が明らかにした。94歳。葬儀・お別れの会は家族・近親者で行った。弔問・香典・供物・弔電はすべて辞退とのこと。
宮澤さんは拓大卒業後、日刊スポーツ記者として大相撲のほか、柔道、レスリングなどを担当。1964年の東京オリンピックを取材。大相撲では数々のスクープ記事を書き、周囲から一目おかれる存在だった。そのかたわらでレスリング活動にも情熱を注ぎ、国際審判員や拓大監督を務めたほか(そのときのコーチは福田富昭・現日本協会名誉会長)、1967年に装いも新たに発刊された協会機関誌をボランティアで制作。当時の唯一の情報源として普及広報活動に貢献した。
その間、ボクシングに合わせたと思われる「ラウンド」「フライ級」という呼称を、国際レスリング連盟(FILA)の用語である「ピリオド」「kg級」に変更。おおらかな時代で、協会のだれにも相談することなく機関誌での呼称を変更し、それが定着したという。
また、一般的に使われている「五輪」という言葉は和製であるとし、「オリンピック」という呼称にこだわり、最後まで「東京五輪」といった言葉は使わなかった。
1990年に日刊スポーツを退職し、機関誌を後継者に任せた後、内藤克俊選手(米国ペンシルベニア州立大で主将を務め、1924年パリ・オリンピックのレスリング競技に日本選手として初出場し、銅メダルを獲得した)の足跡をたどる活動に従事。1996年、別冊文芸春秋に長編記事「遥かなるペンステート、-幻の銅メダリスト・内藤克俊の生涯-」を執筆するなど、日本レスリングのルーツを研究した。
その後、日本協会の顧問や拓大OB会の最高顧問など務め、2002年東日本学生リーグ戦で拓大が創部63年目にして初優勝を遂げたときや、OBの米満達弘選手(現自衛隊)の2012年ロンドン・オリンピック優勝のときには、涙を流して喜んだ。2017年には、長年のジャーナリスト活動を評価され、日本協会から功労者表彰を受け、全日本選手権の会場で表彰を受けた。
全日本選手権などでは協会の役員席ではなく、「生涯一記者ですから」と記者席で取材活動を継続。2021年の東京オリンピックは、無観客開催で協会関係者の来場も制限され、2度目のオリンピックをその目で見ることはできなかったが、テレビで観戦し、拓大OBの高谷惣亮選手(現拓大監督)らの活躍を見守った。
2年くらい前から体調を崩し闘病していた。
■2020年8月7日: 【特集】人生、不幸は幸に変えられる! 91歳で2度目の東京オリンピック取材を目指す宮澤正幸さん(元協会広報委員長)
■2019年7月24日:【東京オリンピック1年前・特集】2度の東京オリンピック取材を目指す89歳の現役記者、宮澤正幸さん(1)~(4)
■2018年11月25日: 団体優勝22回! オリンピック選手のべ8人…拓大80周年記念式典・祝賀会が盛大に行われる
■2012年10月26日: 米満達弘(自衛隊)が母校報告会であらためて五輪V2を宣言、高谷惣亮(ALSOK)は天皇杯に照準
6月6日(木)~9日(日)にハンガリー・ブダペストで行われる世界レスリング連盟(UWW)のランキング大会「イムレ・ポリヤク&ヤノス・バルガ国際大会」に出場する男子グレコローマン67kg級の曽我部京太郎(ALSOK)と77kg級の日下尚(三恵海運)が6月4日、成田空港から出発した。
昨年秋にオリンピック出場枠を取った日下は、ドイツのブンデスリーガへの参加を含めれば4大会目の国際大会。最後の実戦練習となるが、この間に72・77・82kg級の現前・世界王者を破っており、“世界王者キラー”としてマークされることは間違いない。
しかし、だからといってどう、ということは何もない。今回の成績次第では、現在3位のランキングが1位に上がってオリンピックの第1シード権を取れる可能性もあり、全力で闘うのみ。「世界王者3人を破って勢いはできたかな、と思います。勢いを使って闘い、周囲に嫌な印象を与え、海外でしか得られない収穫を得てきたい」と話す。
1月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)でテクニカルスペリオリティ負けしたゾルタン・レバイ(ハンガリー)が世界最終予選で出場枠を取り、この大会にも出てくる。ザグレブでは、試合のあと日本のアニメ「呪術廻戦」に出てくる領域展開のポーズをされたと言う。「日本選手相手に、日本のアニメのポーズをされてはたまらない。今度は勝って、自分がポーズをしてきます」とリベンジを誓った。
エントリーの中には、昨年の世界選手権での曽我部の試合中にペットボトル投げ入れて試合を邪魔し、出場停止の処分を受けているモハマダリ・ゲラエイ(イラン)の名前もあった(関連記事)。間違いなのか、処分が短縮されたのか分からないが、日下が世界選手権で勝った相手であり、今回も闘う気は十分。闘うことになったら、「チーム四国の弟分(曽我部)の試合を邪魔したヤツをぶっ倒してきます。正義を見せてやります」と気合を入れた。
曽我部は4月のパリ・オリンピック・アジア予選で出場枠を取った。勝つことが何よりも大事な予選と違い、いろいろ試す実戦と思われたが、「優勝が大前提」ときっぱり。その中で、「いま取り組んでいることを確認したい。オリンピックに出場する選手も多く出ているので、分析もしたい」と言う。
世界王者のルイス・オルタ・サンチェス(キューバ)もエントリーしており、「肌で強さを感じてみたい」と話す。世界選手権で、ペットボトル投げ入れというアクシデント(前述)はあったものの負けてしまったモハマドレザ・ゲラエイ(イラン)へのリベンジの気持ちも十分だ。
笹本睦コーチ(日本オリンピック委員会)は「日下は研究される側になった。外国がどの程度研究して対策を立てているかを見極め、それに対する対策を考えたい。(アジア予選で出場枠を取った)曽我部はヨーロッパの強い選手とどこまでできるかを見てきたい」と言う。「ある程度手の内を隠すか?」という問いに、「隠しようがないでしょ。ありのままを出させます」と苦笑い。
大会のあと、ハンガリーに残って地元選手ほかとの合宿に参加する予定で、「リフト技など日本ではなかなか経験できない攻防をしっかり強化してきたい」と話した。
男子フリースタイルの選手は、すでに現地入りしている。
6月6日(木) 男子フリースタイル57・61・65・70・79・97・125kg級
7日(金) 男子フリースタイル74・86・92kg級/女子50・53・57・59・72kg級
8日(土) 女子 55・62・65・68・76kg級/男子60・63・130kg級
9日(日) 男子グレコローマン55・67・72・77・82・87・97kg級)
※いずれも1日で1回戦~決勝を実施
【男子フリースタイル・コーチ】湯元進一(自衛隊)、湯元健一(日体大教)
【男子グレコローマン・コーチ】笹本睦(日本オリンピック委員会)
【トレーナー】野呂賢二(JSC業務委託)、【帯同審判員】本田原明(自衛隊)
【男子フリースタイル選手】
▼57kg級 樋口黎(ミキハウス)
▼65kg級 清岡幸大郎(三恵海運)
▼86kg級 石黒隼士(自衛隊)
【男子グレコローマン選手】
▼67kg級 曽我部京太郎(ALSOK)
▼77kg級 日下尚(三恵海運)
(2024年6月1~2日、山梨・甲府市小瀬スポーツ公園武道館 / 提供=関東高体連レスリング専門部)
※左から1位~6位の順
《男子フリースタイル表彰式》
【学校対抗得点】
優勝=慶應義塾(神奈川)、2位=自由ヶ丘学園(東京)、3位=足利大附(栃木)
4位=花咲徳栄(埼玉)、5位=文化学園大杉並(東京)、6位=日体大柏(千葉)
【51kg級】
優勝=前田悠樹(東京・自由ヶ丘学園1)、2位=大井喜一(千葉・日体大柏2)、3位=椎名遥玖(東京・文化学園大杉並2)
4位=鈴木陸王(埼玉・花咲徳栄2)、5位=柳澤志音(栃木・足利大学附2)、6位=川島倫太郎(群馬・大泉2)
【55kg級】
優勝=廣橋悠貴(東京・文化学園大杉並2)、2位=深澤遼弥(山梨・甲府城西2)、3位=北出幸也(千葉・日体大柏2)
4位=永井舜喜(埼玉・埼玉栄2)、5位=檜山惇也(埼玉・花咲徳栄1)、6位=笠川翔生(千葉・京葉工3)
【60kg級】
優勝=與那城一輝(栃木・足利大学附3)、2位=大久保暁人(東京・文化学園大杉並2)、3位=長沼一汰(神奈川・慶應義塾1)
4位=戸邉昇輝(埼玉・花咲徳栄2)、5位=佐々木大貴(神奈川・横浜修悠館3)、6位=平嶋空(山梨・甲府城西2)
【65kg級】
優勝=吉田アリヤ(東京・帝京3/JWA)、2位=吉田煌(埼玉・花咲徳栄3)、3位=加藤源大(千葉・日体大柏2)
4位=川端健太(群馬・館林3)、5位=坂本大星(栃木・足利大附1)、6位=塩塚温大(埼玉・埼玉栄2)
【71kg級】
優勝=瀧澤勇仁(神奈川・慶應義塾3)、2位=小川滉(東京・自由ヶ丘学園3)、3位=福井大翔(埼玉・埼玉栄2)
4位=小嶋啓斗(茨城・鹿島学園3)、5位=本橋矢大(栃木・足利大学附3)、6位=中島隼登(群馬・館林2)
【80kg級】
優勝=岡澤ナツラ(神奈川・慶應義塾3)、2位=秋保大地(東京・文化学園大杉並2)、3位=西原丈陽(群馬・館林3)
4位=竹内健太郎(神奈川・日大藤沢2)、5位=濱田大喜(東京・自由ヶ丘学園1)、6位=五十嵐春希(千葉・日体大柏3)
【92kg級】
優勝=リボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園2)、2位=山中創太(神奈川・慶應義塾1)、3位=福島煌天(栃木・足利大附3)
4位=石井裕樹(群馬・富岡実3)、5位=横山慎志(埼玉・花咲徳栄2)、6位=古田大悟(神奈川・横浜修悠館2)
【125kg級】
優勝=藤田宝星(埼玉・花咲徳栄3)、2位=阿部天臥(栃木・足利大附2)、3位=上西エリキ(群馬・館林3)
4位=森本空(山梨・甲府城西3)、5位=乾志音(茨城・土浦日大3)、6位=石井翔(千葉・京葉工3)
母が日本人という2022年U17世界チャンピオンのジョエル・アダムズ(米国=ミシガン大)が、5月31日~6月2日にオハイオ州ジェニーバで行われたU20世界選手権・米国予選の男子グレコローマン67kg級で優勝。U20で2年連続世界大会出場を決め、昨年果たせなかった世界制覇へ挑む。母・あけみさんは東京都足立区生まれ。
フリースタイルやカレッジスタイルが中心の米国で、若くして積極的にグレコローマンに打ち込み、東京オリンピックの前後には東京・MTX GOLDKIDSで練習。U17(旧カデット)のグレコローマンで米国2人目の世界チャンピオンに輝いた(関連記事)。
昨年もU20世界選手権に出場。1回戦でエストニア選手に敗れて上位進出はならなかったが、11月にはニューヨークでの「ビル・ファーレル国際大会」に出場するなどシニアの国際舞台に挑戦。その合間には、グレコローマンでめざましい活躍を見せる育英大で約1ヶ月間練習している。
育英大の松本隆太郎コーチは「体のバネなど身体能力は高かった」と話す一方、米国のこの世代ではグレコローマンに取り組む選手が少ないこともあって、組み手などの細かい技術面は「これからの選手」と分析。同コーチの指導で学んだ技術をもとに、今年の活躍が予想される。
同級の日本代表には育英大の長谷川虎次郎(山梨・韮崎工高卒)が決まっており、「世界選手権で2人の対戦があるかもしれないですね」と期待する。
アダムズは「3年連続で米国代表になって気分は最高です。メダルを取れるよう頑張りたい。ここ数日間はお祝いの期間にしますが、世界選手権へ向けて気持ちを高めていきます」と話した。U20世界選手権は9月2日(月)~8日(日)にスペイン・ポンテベドラで行われる。
(2024年6月6日、ハンガリー・ブダペスト)
《大会サイト》=組み合わせ・結果 / 《ネット中継》=年間50ユーロ、大会のみ=9ユーロ
【57kg級】樋口黎(ミキハウス) 9選手出場《トーナメント表》
2回戦 Smanbekov, Almaz(キルギス)
1回戦 BYE
【65kg級】清岡幸大郎(三恵海運) 7選手出場《トーナメント表》
予選リーグ3回戦 Jalolov, Umidjon(ウズベキスタン)
予選リーグ2回戦 Musukaev, Ismail(ハンガリー)
予選リーグ1回戦 Aliev, Haji(アゼルバイジャン)
【86kg級】石黒隼士(自衛隊) 12選手出場《トーナメント表》
2回戦 Hassan Aliazam YAZDANICHARATI(イラン)とEthan Adrian RAMOS(プエルトリコ)の勝者
1回戦 BYE